チベット騒乱の余波
2008年4月19日に日経新聞夕刊に掲載されたものです。
ヒマラヤの玄関口・ルクラからエベレストのベースキャンプに至る約60キロの山道を「エベレスト街道」という。この街道にナムチェという町がある。ネパール側からエベレスト登山を行うことに決めた僕達はここに数日間滞在した。
ナムチェは標高3440㍍の山間にたたずみ、急斜面の谷間に建物が並ぶ。とにかく坂が多い。よくこんなところに町が出来たものだと感心する。「シェルパ(ヒマラヤの現地ガイド)の里」として知られるが、チベットとネパールの交易拠点としても古くから栄えてきた。
ネパール側からは空の輸送が発達した現在も、車で入れる最終地点のジリから1週間ほどかけて、ポーターが新鮮な野菜やカトマンズ経由で入るインド製品などを運ぶ。父の雄一郎が1970年にエベレスト大滑降をしたころはジリまでのインフラが整備されておらず、さらに遠くのラムサングーから2週間かけて歩いてきていたという。
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