いつにも増して不安
2008年5月24日に日経新聞夕刊に掲載されたものです。
この記事か掲載される頃(2008.5.24頃)、僕と父の雄一郎はエベレスト山頂に向けて最終アタック体制に入っているだろう。
標高5300㍍のベースキャンプを20日に出発した。気候や体調などの条件が整えば、大体6日で山頂にたどり着く。もっとも前回の2003年は悪天候の影響で予定より5日も多く途中のキャンプで費やしたから、登山の計画など当てにならないのだが・・・。
出発前日は最終調整に追われた。登山道具、医療機器、通信機器のチェックなどをしていると、あっという間に一日が過ぎていく。それでもやり忘れたことがあるようで落ち着かない。
これまでもヒマラヤで8000㍍級の山々に登ってきた。死ぬかもしれないから、死なないように準備する。命の危険を考慮に入れ、入念に備えるのはいつも同じだ。しかし今回は、同じ準備をしても「本当に大丈夫か?」という不安がいつにも増して強い。
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わずか11歳でキリマンジャロを登頂。フリースタイルスキー、モーグル競技では10年間にわたり全日本タイトル獲得や国際大会で活躍。引退後は冬季…
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