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字幕翻訳者が主役になる日が来るなんて!

最近、観始めたNetflixの韓国ドラマ「それでも僕らは走り続ける」は、ドハマりとまではいかないものの、静かにハマっています。
「決められたコースを走り続けてきた陸上界の有望選手。ひとりの翻訳家との出会いをきっかけに、初めて自分のペースで、心のままに人生を走り始める」(Netflix公式サイトより)というストーリーです。

ストーリーよりも何よりも、ヒロインが字幕翻訳者というところが衝撃的。
絵づら的にこんなに地味な職業が取り上げられるなんて、「翔んで埼玉」で故郷の埼玉がフィーチャーされたぐらいうれしいです。

そういえば80年代に世の奥様方を魅了したドラマ「金曜日の妻たちへ」のいしだあゆみが演じていた役も字幕翻訳者だったようですね。(古い)
実際にこのドラマは観たことがないけれど、いしだあゆみが演じる翻訳者はきれいな洋服を着て「このセリフ、どうしようかしら…」みたいに優雅に悩んでいたというのを何かの記事で読みました。

それに比べて「それでも僕らは走り続ける」のヒロイン、オ・ミジュの翻訳するシーンはけっこうリアル。すっぴんにメガネをかけてユニクロみたいなスウェットを着て、コーヒー片手にガシガシ翻訳している姿は、まるで自分の翻訳する姿を25歳若返らせてビューティーモードにしたかのようです。

映画館で本編が終わって周りの観客がみんなが帰っても、最後に翻訳者の名前が出るまで待っているとかめちゃくちゃ共感します。

オ・ミジュが字幕翻訳の仕事についてこう語るシーンがあります。
「1つの世界を完全に理解して世に伝える仕事をしてると満たされる感じがする。
多くのものを手にしている気分は金持ちの気分」
そういう考え方があったか!と新鮮な気持ちになりました。「翻訳料が安い!」とかボヤいてばかりいてはダメですね(笑)こういう豊かな心で仕事をしたいものです。

ストーリーは翻訳者と陸上選手の穏やかな恋物語なので、「刺激が足らん!」という人もいるかもしれませんが、主人公の陸上選手を演じるイム・シワンの美しいたたずまいと翻訳者あるあるを観ているだけで私にとっては十分楽しいドラマです。

今、平行してアメリカのNBCで放送されていたドラマ「ブラックリスト」にもハマっているんですが、なかなかハードなアクション・サスペンスドラマなので続けて観ると疲れます。そんな時、合間に「それでも僕らは~」を観ると良い感じに癒されますね。(仕事しろって感じですが…)

3年前に出版した映像翻訳の仕事も子育ても駆出しの頃のブログを元にした1作目の電子書籍です。


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