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パスタは地球を救う『銀幕ヘタリア Axis Powers Paint it, White(白くぬれ!)』〜感想日記〜


銀幕ヘタリア Axis Powers Paint it, White(白くぬれ!)


あらすじ&結末(※ネタバレ)

「観光客が来ない」とアイスランドが悩んでいたその頃、地球のあちこちでピクト星人の光線を浴びた者が顔を失いのっぺらになる事件が起きていた。
この異常事態に国際会議が行われるも、それぞれ個性が強く全くまとまりがない。その後各国が敵を迎え撃つが、どんな武器もその謎の光線で無効化されてしまう。
地球人のほとんどがのっぺらとなり、無人島のような場所に集まるカナダ以外のメンバー。そこへ宇宙船のようなものが表れ、のっぺらになった地球人が回収されていく。敵の弱みを掴むため、彼らはピクト星人の着ぐるみを纏い宇宙船に乗り込む。分かれて捜索をするも、有力な情報を掴めないうちにピクト星人たちに見つかり追い詰められてしまう。ここで日本が「彼らに地球のおもてなしをしましょう」という提案をし、各国それぞれ食事やエンタメを振る舞い喜ぶピクト星人たちだったが、イギリスが手土産にと渡したスコーンのあまりの不味さに全てが台無しに。ピクト星人は再び攻撃の姿勢をとるも、イタリアが「もっと楽しいことしようよ」と笑顔を向けると彼らは顔を見合わせ攻撃を止めた。その隙に一同宇宙船から飛び降り脱出する。再び集結した彼らのもとに、ピクト星人の宇宙船が降りてくる。一人また一人と光線を受け、ついにイタリア以外全員がのっぺらになってしまう。泣き叫ぶイタリアの前にローマ帝国が表れ歌を披露すると、笑顔のイタリアの足元にペンが落ちていた。そのペンでのっぺらたちに顔を書くと彼らの身体は元通りになり、ピクト星人たちもお互いの顔を見て笑い合った。彼らの親玉らしき存在が「ここは面白い場所なので侵略せずそのままにしておく」と言いピクト星人は地球から撤退した。謎の光線により「いつでもオーロラが見れる」と観光客が来るようになりアイスランドの悩みも解決した。


感想

アマゾンプライムの評価は星2.5……って、もうその時点で面白い。あらすじを要約していてもあまりのばかばかしさに力が抜けた。これを映画館でみせられたらいくらヘタリア好きでも怒ってしまうかもしれない。
でも逆に「銀幕だからと言って普段のゆるいスタンス変えないよ?」という姿勢に、「そうだよな、ヘタリアの"ゆるさ"は決して怠慢とか技術不足とかではなくあれが最適解だからあんななんだもんな」と納得させられたりもして。なんせ扱ってるのが国だからね。ゆるくなくては問題になる……(いや、ゆるくても問題になってるか……)

オープニング音楽がちょっと豪華になっていたのとピクト星人の動きがちょっとCG?ぽかったところ以外は、終始いつものヘタリアだった。
苦労を背負いがちなドイツは応援したくなるし、どこまでも自分本位なアメリカは憎めないし、ロシアも中国も大概だし。
イギリスとフランスはいつにも増してどのシーン切り取っても一緒にいる気がして「お互い心の奥では認め合っている」説得感が凄かったです。

「おぉ、これは……」と思ったのは、ピクト星人に追い詰められて窮地に立たされた時に日本が「おもてなししましょう」と提案したシーン。若干狂気を感じるけれどこの場面を見てなぜか、Xでインプレゾンビに対話を持ち掛け交流に成功したあの方々を思い出した。日本人、さすが接待のプロである。


あと、気になったというか謎が残ったのはここの台詞。

「お願いだから、泣くな」「笑え、イタリア……」(ドイツ)

銀幕ヘタリア Axis Powers Paint it, White(白くぬれ!)より

なぜ、ドイツはイタリアに泣いてほしくなかったのか。
なぜ、ドイツはイタリアに笑っていてほしかったのか。

それはイタリアの笑顔がピクト星人の攻撃を一時的に止めたからなのか。ドイツにはイタリアがこの地球を救うという未来が見えていて、それを信じ託したかったからのか。幕間に差し込まれた神聖ローマとイタリアのシーンも意味深に思えてきて、光線によりのっぺらとなるその時までイタリアの名前を呼び続けたドイツの姿が胸に迫る。

なにはともあれ、イタリアは希望の光!!


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