仕事のこと、家族のこと

先月、美容室に行った。

今通っている美容室はおそらくコロナ渦がはじまって間もないころから通っている。
大失恋~三橋編~状態で大殺界に入ったタイミングとも言う。


わたしの担当をしてくれている美容師さんはそのお店の店長で、もともとは都内の美容室で働いていてUターンして開業した人。

こだわりが強くて、物言いもはっきりしている人で、「この人と結婚したら大変そう~笑」というタイプ。

でも、わたしはこの美容師さんがすごく好きで。
すごく仕事が好きで、お客さん思いで、話しているとわたしこの美容室に出会えてよかった~といつも思う。

数ヶ月に1回の至福の時です。
ここで働くほかの美容師さんやアシスタントをしている美容師さんの奥さんもこれまた素敵で、そこで過ごす時間はとても大切な時間。

気持ちを洗濯できるってこういうことか~と毎度思うのであった。


そんなふうにひたむきに楽しそうに仕事をしている美容師さんを見ていると天職なんだろうな~と。
そして、わたしの天職ってなんだろうなと思う。


2019年くらいから通っているカイロプラクティックがある。おしゃれな外観の建物とは裏腹に、陽気で明るくよくしゃべる小太りのおじさんがやっている整体。

基本、このおじのマシンガントークを聞く整体であるが、疲れすぎたときに行くので脳死してメンタルが死んでいるときにとてもありがたい。
何回かうつぶせに寝たまま泣いたことがある。そういうとき察したおじは空気を読んだしゃべり具合になる。

このおじは人嫌いで結果、この仕事に落ち着いたと話す。
ほぼ休みなく毎日その整体は営業している。
朝8時くらいから夜22時くらいまでやっている。
おじ一人でやっている。

つらくないのかなと思うけど、自分のペースでやれているし、面倒な人付き合いがないからとても良いと話す。

わたしも人付き合いが嫌いで、対人の仕事が嫌というよりも職場の人付き合いが嫌なタイプ。

何か手に職をつけられたらわたしもこういう一人で何かを営む仕事のが向いている気がする。


わたしは公務員の福祉職だ。
高齢者関連の相談援助を行っている。

福祉専門職は気が強くないとやっていけない、続けるうちに強くなる、というがまあなんかそんな気がする。

鈍感であるか、意志が強くなければやっていけないと思う。

わたしはその両者でもないと思う。
じゃあ、わたしをつなぎとめているものは何か?と思ったら、
「続けてきた仕事」になったこと、と、家族、である。

わたしは不慣れなことをするのが人一倍苦手であり、些細なことを気にして悩んで落ち込む。
だからある程度勝手がわかった場所にいることが一番ストレスが少ない。

そして、わたしは新卒で就職した会社を3か月でやめて親にめちゃくちゃ心配をかけ、公務員になったことからなんとなく、この肩書が捨てがたい。
胸をはってこうしたい!という明確な未来もなく、踏み出す勇気さえも、なんなら最近は体力さえないな、とさえ感じている。

今の仕事にやりがいはあるのか?と聞かれれば、それはある。
だって人助けみたいな仕事をしているから。

でも、人助けみたいなことをしたって、必ずしも感謝されるわけじゃないし、なんなら最近は感謝されないし、感謝されるどころか怒られることもある。

なんて報われない仕事なんだ、と思ってほとほと嫌気がさしていた。職場の人間関係もイマイチ。

そんなときに、たまたま相談を受けた家庭があった。
詳しくはかけないけど、そこのおばあちゃんが毎回わたしにとてもお礼を言う。わたしは正直大したことはしていない。

そのおばあちゃんは足腰が悪い。そして夫が体調を崩して入院した。会話の中で、「お父さんがね、自分が具合悪いのに、お母さん風邪ひくなよ、腰と足を大事にな、って電話くれたんだよ」って泣きながら話すんだよね。

わたしこの記事書きながら今も泣いているくらいに、久しぶりに仕事してて気持ちが動いたんですよね。今までもいい家庭だなとか思う家庭もあったけど、ここまで思い出して何回も泣いちゃうことって今の部署来てからは初めてかもしれない。

自分が具合が悪くても、相手を思いやる気持ちって本当に愛だよね。そんな気持ちにさせてもらえた矢先、祖父が転倒した。

わたしの祖父は職人気質でまあめちゃくちゃ面倒くさいおじい。

脚立から落ちて転倒して圧倒的大腿骨骨折で救急車レベルだが、病院に行かないとごねる。結局、一晩明けて無理やり親族で連れていき、無事入院、手術まで済んだ。


祖父は80代も後半、もともと認知機能は落ちていたが、術後のせん妄が顕著。自宅退院しても介護が大変だな…というタイプ。
まあこれからリハビリもするし、様子見なので祖父の今後についての方向性は未定なんですが。

昨日、母と叔母と祖父についての今後の話をしようと実家に集まっていたら、祖母がそこに入ってきた。
耳も遠いし、字も読むのが億劫なめんどくさがりやの祖母。
わたしが職場からもってきた介護に関する書類が置いてあるテーブルの上から、きっと読んでも理解は難しいだろうに、目を通したり、「ごめんね、迷惑をかけてね」とみんなに頭を下げる祖母。

その姿を見て、胸が苦しくなった。

わたしは親族とまじめな話をするのが苦手だ。
家族のやさしさとかむき出しの気持ちをそのままに受け取るのが苦手だ。
なぜかはわからないけど、わたしもいつからか家族にむき出しの気持ちを見せていない。

祖父がもし亡くなったら、と考えるだけで大泣きできるし、何なら家族に冷静にこれからの方向性について話をしているけど、実際に弱った祖父のこと見たら泣いちゃいそうでこわい。


でも、はじめて、本当にはじめて、この仕事していてよかったと思えた。
家族の役に立ててよかったと思った。

天職ではないなと思うけれど、当面頑張ろうと思えそう。やっぱり、知っているということは大切。


仕事は生活、生きること。

ストレスが多くて、働かなくて生きていけるなら働きたくない。
でも、わたしはまだ働かなくてはいけない。

働くことも含めて生きることだから、これからどうやってわたしは生きていくのか、大げさだけど考えよう。

まとまらないけど、今日はおわり!

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