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面白い本・好きな本_木・コンンクリート・鉄篇

世界で一番高い建物は何か?

これは案外簡単で、ドバイのブルジュ・ハリファなんだけど、ブルジュ・ハリファができる前の世界一は何?となると案外わからない人も多いんじゃないかと。

こんなことをふと思った時に、じゃぁ歴代の世界一の建物っていくつあるのか?それってどこのどんな建物なのか?ということが気になったのでネットで調べてみる。真面目に調べたわけではなくで、ネット検索で集めた情報なので、正しい情報かどうかはわからないけど、まぁだいたいあっていればいいかと。。

歴代の世界一高い建物

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結果はこんな感じ。ブルジュ・ハリファの前は台北101で、その前はマレーシアのペトロナスタワー。何千年も前に遡っても歴代の1位が20棟しかないことに驚く。そして、最初の高層建築がエジプトのピラミッドで何千年も記録が塗り替えられない長期記録保持者だということにも初めて気づく。

世界の中心が建物から類推できる?

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ここからは専門家でもない、素人の勝手な解釈だけど、世界一の建物が建っている場所を調べると、年代で綺麗に大陸別に分かれていることにも気づく。

紀元前2500年から保持していたピラミッドの記録をようやく塗り替えるのは今から1000年前のヨーロッパのゴシック建築。そこからいくつかゴシック建築が記録を抜いてから、長期間記録を保持する。当然世界の中心はヨーロッパ。

そして次に記録を抜くのは、ルネッサンスでもバロックでもなく、アメリカのスカイスクレイパー。その後の記録更新もエンパイアステートビルやWTCなど、予想通りすべてアメリカ。

で、その後はペトロナス→台北101→ブルジュ・ハリファとすべてアジア。そして今後計画されている記録更新予定のビルもすべてアジア。

21世紀の世界経済はアジアを中心に動くと言われているけど、1998年にペトロナスタワーがアメリカの超高層を抜いた時点で、それはもう現実として動き出した瞬間だったということなのでしょう。

と、いうことは今後しばらくはアジアの建物しか世界一の記録を抜かないことも予測できるし、あるときを境に長期間記録を抜く建物が現れないことも予測できる。

そして、次に別の大陸から世界一が現れた時、経済の中心はアジアから別の大陸に移る合図でもあるということでしょう。たぶん。

木・コンクリート・鉄

と、いうことで大きな流れの中で建築・都市を考えるのにちょうどいい3冊を選出。

1000年の時の流れを考える木造建築、200年の耐用年数をもつコンクリート、ここ数10年の都市化を支える鉄骨の超高層建築。
著者の経歴も、書いている内容も、扱う材料もまったくばらばらだけど、併読することで見えてくる新しい視点があったりするとかしないとか、、
「銃・病原菌・鉄」みたいなタイトルになったのは単なる偶然が必然か。。


木: 棟梁/小川三夫/2011

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法隆寺最後の宮大工・故西岡常一の内弟子を務めた後、「鵤工舎」を設立、数々の寺社建設を手がけ、後進を育てた著者が、引退を機に語る金言。
単純がいい。人も建物も図面も、単純できれいに無駄のないものじゃなくちゃだめ。木は強い。鉄やコンクリートより強い。
建築基準法でお寺の基礎をコンクリートにしてから、一番弱いのは基礎になった。法律はたかだか何十年の歴史の中での基準だが、お寺は千三百年の伝統の中で育まれている。
宮大工は木の性質・癖を上手く活かしてかみ合せ1000年先を見越して寺社を建てる。均一化されたものは弱い。


コンクリート: バベる! /岡 啓輔/2018

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東京港区で5000万円の土地を1500万円に値切って手に入れた30㎡弱の土地に、自邸を設計して自分でつくるドキュメント。
2005年につくりはじめ、未だ建築中というそのストーリーもさることながら、高専を卒業後、サラリーマン、建築現場作業員を経て、無職(というか自邸を建設する仕事に従事)する著者の経歴、「蟻鱒鳶ル」という説明されるまでなんのことがわからない名前を自邸につけるセンス、200年の耐用年数をもつコンクリートに対する熱い思いなど、筆舌に尽くしがたいものがこの本にはある。


鉄: 都市は人類最高の発明である/エドワード・グレイザー/2012

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マンハッタン生まれのハーバード大学 経済学部教授の本。
交通・ITの発達によって、世界は1つに結ばれフラット化すると言われていたが、現実は人も富も大都市部へと集中している。その理由は都市の「密集性」 と 「多様性」 にあると言う。
そのために必要なのは都市の高層化。高層化することで住宅価格は下がり、多様な人が生活できるようになる。結果、都市はイノベーションを育み、社会を発展させる。
高層化は手段であり、人的資本の集積こそが目的。



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