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子どもに添うとうまくいく ー 藤田ゆみ

頑張ることが当たり前の独身時代


現在4人の子どもを育てながら「くらすこと」の代表を務める藤田ゆみさん。そんなベテランお母さんである藤田さんの、初産後のお話です。

藤田さんは頑張り屋でした。

独身時代には出版社でバリバリと働き、多少の困難も努力と情熱で乗り切ってきました。

そんな藤田さんだったので、子どもを授かったときも同じように、自分の力でやっていけるはずだと考えていました。

出産後に退院し、夫と自分の2人暮らしだった自宅に戻りました。
藤田さんの夫はとても忙しい仕事をしており、毎日終電で帰宅。そのため出産後から藤田さんと子どもの2人っきりの生活が始まりました。

寝かしつけがうまくいかない


夜になって子どもを寝かしつけることが藤田さんにとって、とてもストレスになっていきました。

抱っこして、寝たと思って布団に置くとまたすぐに泣き出す。何度も何度もこれを繰り返すうちに気持ちも滅入っていきました。

どうやったら寝てくれるのだろう?と色々試すものの、うまくいきません。

可愛い子どもとの時間は大切なものでしたが、それと同じくらい藤田さんは自分の時間も必要でした。

子どもが寝ると、すぐにパソコンを開き、子育てしながらも女性として自立できる道を模索していました。

子育てがうまくいかないことと、これまで仕事にやりがいを感じて満足してきたのにそれができないこと、さらには睡眠不足が重なり、毎日フラストレーションが溜まっていきました。

添い寝してしまったある日


そんな悪戦苦闘していたある日、寝かそうにも寝ない子の隣で藤田さんも一緒に眠ってしまったことがありました。

どんなに抱っこしたり、背中をトントンしたり、あやしても寝付けなかった子が、その日は朝まで藤田さんと一緒にぐっすりと眠ったのです。

翌朝、藤田さんは思いました。

「この子はただ私のそばで安心して眠りたかったんだ。上の空で寝かしつけられるんじゃなくて、ちゃんと心が自分に向けられているのを感じて眠りたかったんだ。」

子どもを寝かすときに、わたしは自分のことばかり考えていた。

この子が寝たら何をしようかと頭の中で考えていることを、きっと見透かされていたのだ。そして、そんなお母さんに子どもは不安になり、もっと私を見て!と言って泣いていたのだろうと思いました。

子どもと添う生活のはじまり


藤田さんはその日をきっかけに、夜は子どもと一緒に早く眠ることにしました。

そうすると、寝かしつけが本当に楽になっただけでなく、早く寝た分、朝も早くに目が覚めるので早朝の時間を自分の時間に充てることができました。

添い寝をした日から、藤田さんはやっとお母さんとしてのスタートラインに立てたと話します。

子育ては、親として自分が頑張ったら何とかなるというものではない。子どもはどんなに小さくても1人の人間。自分と違う意思を持って生まれてきている。

その子の意思をこちらの都合の良いように捻じ曲げずに、添うこと、尊重しなくてはいけないのだ。

子どもに添うことが、一緒に今を楽しんで生きる秘訣なのだと気付いたのでした。

参照:「子どもと一緒にスローに暮らすおかあさんの本」藤田ゆみ

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