「コト時代」的感覚は、実は新しくない
「モノからコトへ」
大手の企業も体験のブランディングに力を入れてるし、ネットを検索すれば、肩書きのあるシュッとしたオジサンたちが、色々語っている今日この頃だが、・・・すっごい思う!ことがひとつ。もっとも底辺の職業とされてきたサービス業の人たち(私もその1人)は、とうの昔からそのやり方で、自らの仕事を成り立たせてきた。
さらにいうと、最近になって急速に広まったクラウドファンディング も然り。「お金=応援」という清々しい感覚は、飲食業を営む人達の絆の根底にあったし、特に夜の水商売のホステスさん界隈には当たり前に存在する価値観であった。
決して、新しくない。
これには、私は、ある持論がある。
経済の市場が年をとったのだ。
戦後日本の経済が、まぁ10代で、高度経済成長は、思春期?と言ったとこだろうか。バブルに突入して、20代。人間でいうと社会人になって、お給料をもらって、好きなものが買えるようになった。モノを「買う」「所有する」こと自体に価値を感じる。
“経済くん”(と呼んでみる)が30代に突入!(平成)家庭を持ち、自分で自由に使えるお金がなくなり、ほとんどは貯蓄や、ローンに。
そして、やっと50代になった現代。所得もそこそこになり、割と裕福に。自由に使えるお金もまた手にすることができたが、はてさて、20代の時のようにものに対する執着心は薄れている。経済くんは、モノを所有することから、それに付随する「価値」を大事にするようになる。いわゆる「コト時代」になったのだ。
夜のお店に行くオジサン(ここでは、あくまで一定の基準を超えたジェントルマンに限っての話)は、クラブでお気に入りのホステスさんとご飯に行ったり、飲みに行ったりする。お金を出して綺麗なお姉さんと過ごす時間を楽しむのだ。ホステスさんはプロだ。ものすごくクオリティの高い時間を“体験”として提供するのが仕事だ。
ちなみに、オジサンは「お金を出しているのだから、このまま仲良くなったら、いい関係になれるかも・・・」といういやらしい考えを・・・ゼロではないと思うが・・・ほぼないと行っても過言ではない。(諦めている、と言ったが正しいかも)高級で、マナーの良いクラブほど、ホステスの枕営業は厳しく禁止している。
体を使ってしか、金を稼ぐことができない頭の悪い女に対しては容赦がない。高貴なホステスは、賢く、美しい。
オジサン達は「この子を“応援”したい」と純粋な気持ちでお金を使う。他人のためにお金を使う。
今の社会の経済も、自分に響く価値のあるものに、人のために、
お金を使うという感覚が心地よい年頃になったのではないか。経済というか、社会全体的に成熟してきた、という感じ。
そのように「体験」を提供して消費者との継続的な関係をいかに築いていくかが、最重要課題とされている時代だからこそ、大手企業のようなビジネス展開のノウハウがなくても、個人でも、やっていける時代が来ている。消費者の側に立って想像力を働かすこと、コミュニケーション能力を駆使し、ニーズを読み解くこと。生物学的に考えても女性の方が長けている。女性の社会進出に拍車をかけているのも、そのような要因が絡んでいるのではと思っている。
ただ、それとは別に「ママが活躍できる場を!」みたいな感じで、子育てママをもっと就労させようとか、独立を煽るとか、そんな風潮も感じる。前回のノートに、「ふわっとママ起業家」が社会により量産されてしまったと書いた。いわゆる自称「ハンドメイド作家」もその類である。
ここまで「体験」を重視すること時代になったのだから、確かにママ起業家達はチャンスではないかと思う。ふわっと始めたとしても、気持ちの奥には「誰かの役に立ちたい」という意思があるのは、確かで、その気持ちを私は応援したい。
せっかく「頑張りたい」と思って何かしらの価値を提供するのだから、ふわっとしたまま既得権益的なものに利用されないように、自分の力で方向性を見つけれる力を、ぜひつけて欲しいと思う。
読んでくれてありがとうございます。 ふと思った時に、心のままに書いています。 よかったらまた読んでください。