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記憶に残っている授業のこと

To be, or not to be, that is the question.


多くの方が一度は聞いたことがあるであろうこのフレーズは、シェイクスピアの有名作『ハムレット』の一節だ。

たしか中学生のときだったと思う。
校長先生だったか教頭先生だったか、とにかくいつもの先生じゃない偉い先生が授業をすることになり、その授業のなかで「問題を出すね。これはどう訳すでしょう?」と言ってこの有名なフレーズを紹介した。

TomやKenやKumiたちの「これはペンですか?」「はい、ペンです。」や「彼の兄は彼より背が高い。」といった「知らんがな。笑」な会話ばかりを読まされていた身としては、中学生の自分ですら名前を知っているイギリスの有名な劇作家の作品が授業で引用され、その授業が急に特別感のあるものに思えてなんだかドキドキしていた。

この文章は「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。」だとか「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ。」などと訳されるが、その先生もたしか訳し方を説明し、続いて「それでは、この意味はわかる?」と次の問題を黒板に書いた。

To be, to be. Ten made to be.


考えた。

これも小説かなにかのフレーズなのかな。
さっきのハムレットと似ている...気がする。
"To be" は「生きるべき」となるのかな。でも "or" がないから「生きるべきか」にはならないし、そもそも "to be" を2回繰り返すって文法として合ってるのかな。特別な訳し方があるのかな。
そして "Ten" は、そのまま「10」?「10」が主語?
そして動詞は "made" だから「作った」…?
いや、もしかして "make to do" で違う意味になる?
でもそれでも意味が通じるような文章になる気がしない。。

黒板の文字をじっと見つめながら考えていたところに、先生は言った。

「この意味はみんなわかるはずだよ!」



「視野を広くすることが大事」だとか「視点を変えて考えてみるのが大事」は社会人になってから何度も耳にしてきた言葉だ。わたしがそのことの大切さを感じた一番古い記憶がこの授業だったように思う。

他の先生の行う授業とはちょっと切り口を変えて、生徒に興味をもたせる授業をできることがすごいし、15年くらいしか生きてない子どもにこんな風に「視野」とか「視点」とか考えさせるのもすごい。さらに、この文章の意味がわかった後で、これが先生なりのエールなのかなって考えたら、もうめちゃくちゃかっこいい。

中学生のときの記憶なんてほとんどないのに、なぜかこの授業のことだけすごく心に残っていて、思い出して書いてみたけれど、これって有名な問題なのかな。ググってみたら、学生時代に同じ質問された人がけっこういた。笑

あえて答えは書かないスタイルにします。(まあ、みんなわかるか。。)
よかったら「わかった!」「わからない!」「しってた!」「同じ問題だされた!笑」「中学の教科書一緒!笑」などコメントもらえたらうれしいです。


・・・って、ここまで書いて、わたしの時代ってto不定詞とか習ったの高校のときなのでは?と思ってきたね。まあ、20年も前のことなので、数年の誤差は許してください。笑

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