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同じとき、同じこと、違う場所

訳あって旅に出ている(ような事をしている)
おそらくこの数週間で、
2000キロは、ゆうに走ってる。
日本は広い。

幼い頃、車に乗っているとき
退屈だったのに
本を読むことは許されなかった。

目が悪くなると…

言いつけを守ってきたのに、視力は裸眼で
両目共に0.05以下

分厚いメガネをかける羽目になった。

自嘲気味に、
暗闇でいけない本を読んだから。
なんて知人に話すことはあるけど、
そんな事もしなかった…はず。

今はスマホがあって、
助手席でこの文を書いている。

月が綺麗だ。

ねぇ。月が綺麗だよ。

旅をしていると、そんな事を共有できる相手がそばにいない。そんなこともよくある。
本当はあの人と分かち合いたい時間なのに。

10代の頃
何光年も離れた星と、同じ時を共有する事を夢想していた。

光は、何光年もかかるけど、
同じ時を共有できる方法ってないだろうか?

テレパシーなら
離れていても、同じ時をわかち合うことできるんじゃなかろうか?
そう思って、遠い星の人に念を送ってみた。
もちろん何も返事はなかったけど。

宇宙と交信する人はどんなこと考えてるんだろうね?

すっかりそんな事忘れてたのだけど、
ところで、最近、意識的に本を読むようにしている。

本を読みながら、考えた。
この本をどこかで読んでいる人がいるんだろうな。

この箇所で同じように泣いて、この箇所でそわそわして、この箇所で笑って。

何か遠い場所でも、同じとき、同じこと、考えてる人がいるんだろう。

地球上に70億人いたら
そりゃ、そんなふうに偶然で
重なった瞬間を
共有できている人いるんじゃなかろうか?

きっといるだろうな。

だから、その人にちょっと
念を送ってみる。

いま、読んでた?
何してた?
返事くれる?


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