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傷つき打ちのめされても

高校生の時、長渕剛にハマりまくっていた。
受験勉強のお供に
CDレンタルから
テープに録音した
Stay Dream
を聞いていたくらい。

夢があった。
海外で暮らすという夢。

その夢を実現する交換条件として、一定の条件をクリアしなくてはいけなかった。

大学で何かがしたかったわけじゃない。
夢を叶えたかったのだ。

この半年、
長男が
試練に向き合っている。

進む道を模索しているように思える。

1月の末からしばらく
一人暮らしをしていたその長男と時間を共有する事ができた。

たぶん人よりそこそこ優秀といわれて、
なんとなくいろんな事を器用にこなせ、
そんな彼だからこそ
見失ってしまった事があるようだ。

自分の悪い癖が出てしまった。
頭の中でぐるぐる考え
突然、話しかけてしまう。

スマホのゲームの勝敗に夢中になっていた彼は
相槌もそぞろだ。

しかし、一度出かかった言葉は止まらない。

「普通に毎日を暮らしてて
何事もなく過ごしていければ
それはそれでいいのだろう。

だけど、どうしようもなく
辛くてしんどい時が、
自分にふりかかってくる事があるときに、

いま、大切な友人と話している事は、
『我々にしかできない何かがある。
そのヒントを
あちこちから
探してみつけて、
これかな?これなのかな?
って言いながら
過ごすしかないんだ』
『我々には、一部の人ができるように
神とも宇宙とも直接会話できる能力がないのだから』

みたいな事。
父さんだから、お前だから
与えられた試練があるのだと思う。

まあ、本当は、辛いのは嫌だけどな。」

うん。
と言ったような気がする。
気のせいかもしれない。

試練をあたえる神がいるとしたなら
きっと、彼にもメッセージが伝わるだろう。

長渕剛の曲を教えてくれたのは、
一緒に会社を興した友人だ。

曲の歌詞に、
いちいちやられてた。

修学旅行の時は、WALKMAN(秋葉原で買ったアイワのやつだから本当はWALKMANじゃないけど)で、寝台の中でも聞いていた。

傷つき打ちのめされても、
這い上がる力が欲しい
人はみな
弱虫を背負って生きている

夢を叶えて海外で出会った
日本人の高校生に

長渕剛は
言葉汚いから
あんまり好きじゃない。

なぜか、そんな事言われて

そうだよねって
同意して、それからあんまり聞くのをやめてしまった。
けど…

今の方が、彼が書いていたメッセージが
身に染みる。
気の利いたメッセージを伝えられる父親じゃないから
長渕剛が書いた歌詞
長男に伝えたい。
ーーー

誰かが人生でつまづいたら
さしのべる思いやりが欲しい
人は皆淋しさを 背負って生きている

頬を突き刺す怖さがあっても
立ち向かう勇気が欲しい
曲がりくねった迷路で
真実の自分を探すんだ

ーー
さっき、長男と別れてきた。
この言葉伝えられないし
たぶんこの文章は
彼の目に留まらない。

ゆっくりでいい。
ホントの自分をさがすんだ。

俺もまださがしつづける。たぶん死ぬまで。





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