Vol.049 メンタルをどう保つか 1
リハラボ 「予防医療ノート」 Vol.049
2020/08/07配信 (2020/8/28まで限定公開)
目次
①今週のテーマ メンタルをどう保つか
②予防医療ニュース 新型コロナと口腔ケア
③予防医療論文 認知機能と持久力
④今週の名言
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①今週のテーマ
予防医療などに関するテーマについて、気になったことや感じたことを書くコーナーです。
テーマ「メンタルをどう保つか 1」
今回は、パンデミック時代に自分のメンタルをどう保つか考えてみたいと思います。
今年2月から本格的に始まった新型コロナをきっかけに、自分を含め、人々のメンタルが大きく動いているように感じます。
時代の節目には、人のココロとカラダがこんなに大きく変化するんだなぁ、と実感します。油断をするとメンタルを持っていかれそうになるので注意が必要です。
今現在も、新型コロナは感染を拡大しており、それに合わせて人間のココロとカラダもアップデートする必要があるような気がしています。
新型コロナをきっかけに、時代が大きく変わっています。
この時代の大きな「波」を乗りこなすにはどうしたら良いのか。
それは、その「波」に逆らわないことです。その「波」に抗うと、波に飲み込まれますから。
メンタルを保つためには、まずその「波」に身を委ねることから始めると良いようです。
例えば、サーフィンをする時のコツは、波に抗わないことです。波に身を委ねることで、上手に波を乗りこなすことができるからです。
また、スノーボードをする時のコツも同じで、凸凹の斜面がある時は無理やり曲がろうとせず、凸凹の斜面に合わせて身を委ねることで、上手く斜面を滑ることができます。
このように、時代の波も物理的な波も、身を委ねることが一番良いように思います。
逆に、自分の中にある頑固さやこだわりがあると、その波に抗おうとします。
頑固さやこだわりを手放すことができると、柔軟性を確保することができ、どんな波でも対応できるようになります。
これはサーフィンやスノーボードでも同じで、自分の中の頑固さやこだわり、力み、緊張などの要素は、柔軟性を欠き、パフォーマンスが低下するのです。
新型コロナに身を委ねる前に、まずは自分の中の頑固さやこだわりを手放しましょう。
そうすると、柔軟性が手に入るはずです。
新型コロナの前に持っていた頑固さとは、なんでしょうか?
こだわりはなんでしょうか?
プライドはなんでしょうか?
譲れないものはなんでしょうか?
これらを手放すと、ココロの柔軟性を手に入れることができます。
この柔軟性こそが、時代の波を乗りこなすカギだと考えます。
新型コロナの時代に、メンタルをどう保つか。
まずは、頑固さやこだわりを手放し、柔軟性を確保して、身を委ねることでメンタルを保つことができるのではないかと考えました。
次回は、メンタルを保つための「死への意識」について考えていきます。
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②予防医療ニュース
今週の気になったニュースをピックアップして、感想を交えながらお届けします。
~ 転載↓ ~
口の中のケアが、新型コロナウイルス感染を防ぐ
~ 省略 ~
新型コロナウイルスは、口の中に入ると、レセプターと呼ばれる鍵穴のようなところにまるでカギが入るようにくっついて、感染していきます。このレセプター(ACE2)は舌の粘膜の上に豊富にあり4)、そのため経口感染には特に気を付けなくてはなりません。
とりわけ、新型コロナウイルス感染で重症化しやすいとされる、高齢者の方や、糖尿病などの基礎疾患をお持ちの方は、口の中の衛生状態に特に細心の注意が必要です。
では口の中の細菌の数を増やさないようにコントロールするには、いったいどうしたらよいでしょうか。
それにはまず、一人一人のホームケアがとても有効です。丁寧な歯みがきはもちろん、舌苔除去(舌磨き)、歯周ポケットや歯肉溝をフロスなどでしっかりと清掃すること、さらに義歯もきれいに清掃することなど、基本的なケアの積み重ねがきわめて大事になります。また、ブラッシング時にデンタルリンスなどを併用することも効果的です。
そして歯科医院で、徹底した口腔ケアも必要であると思います。口の中の状態をしっかりとチェックし、行き届いていないところをケアすることができます。
こうしたケアを徹底することでウイルス性疾患を重症化させないように備えておきましょう。
ウイルスに感染し肺炎を引き起こしてしまった場合、緊急時に人工呼吸器が装着される事態も起こりえます。そのとき、口の中の細菌の数が多いと 細菌が増殖して肺の中に入ってしまい、肺炎が重症化するリスクが高まります。そのためにも、口の中の衛生状態をきれいに保っておくことはとても大切なのです。
コロナ対策としてお口を清潔に健康を保つこと。さらにもう一つ大切なのが、「咀嚼と栄養」です。実は 咀嚼機能は、免疫力を落とさないために、とても大事なのです。
例えばこれをお読みの方の中にも、入れ歯が合わないから使わないままでいる、むし歯がひどくあまりしっかり食べられない、といったように、咀嚼が不十分になっている人もいると思います。そうした方はとくに要注意です。
咀嚼機能が低い状態(100mg/dl以下)が長期間続くと、柔らかい食事が常態化しやすく、それらの多くは糖質に偏った食材です。それらはブドウ糖の摂取量を上げるので糖尿病悪化のリスクを高めることにもつながります6,7)。また咀嚼力を要求される肉類の摂取が減ってしまえば、タンパク質低栄養が進行し、血中アルブミン値が低下(3.5g/dl以下)してしまいます。こうした状態は著しく免疫力の低下を招くことになるのです。
低栄養化によって免疫力が落ちれば、新型コロナウイルス感染症の重症化につながる恐れがあり、死亡率が上昇するリスクも高まると考えられます。
緊急事態宣言の中であっても、むし歯の方や義歯の調子が悪い方は、決してそのまま放置せず、歯科医院を受診しましょう。応急で構いませんので、痛い歯の治療や、義歯の治療を行なって、栄養摂取の妨げにならないように速やかに対処しましょう。
またご家庭では、いつもよりタンパク質やビタミンを含む食材を摂取するように心がけてください。
~ 以下省略 ~
~ 転載終わり ~
出典 Oral Health Online
https://www.dent-kng.or.jp/colum/basic/2096/
感想
新型コロナウイルスは、舌の粘膜にあるレセプターと結合しやすい特長を持っています。
そのため、舌磨きや歯磨き、歯間ブラシを使ったケアが、新型コロナの予防に有効である、とのことでした。
また、鼻呼吸や鼻うがいも良いようです。寝るときも、口呼吸にならないように口を塞ぐテープを使うのもいいでしょう。
これからは、口腔ケアと栄養がさらに重要となるでしょう。
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③予防医療論文
今週の気になった論文をピックアップします。
~ 転載↓ ~
「身体機能の高い人が、認知機能を高めている」脳の働きを解明
今回の研究によって、有酸素性の持久力および手指の巧緻性が優れている人は、短期記憶に関する認知機能であるワーキングメモリーの成績も高い水準であるという関係を見出しました。
さらに、持久力および巧緻性とワーキングメモリーの関係には、異なる脳の働きが関与していることを世界で初めて明らかにしました。
特徴的な脳の働きとして、持久力が高いほどワーキングメモリーを働かせている時に前頭―頭頂ネットワークの活動を高め、一方、手指の巧緻性が高いほどデフォルトモードネットワークの活動を低下させていました。
よって、有酸素性の持久力と手指の巧緻性を高めるような運動は、認知機能に有効に働く可能性があると考えられます。
本研究成果は、認知機能の維持・増進に向けた、効果的な運動処方の構築等に今後貢献することが期待されます。
ポイント
有酸素性の持久力と手指の巧緻性は、互いに独立してワーキングメモリーとポジティブに関わることが示されました。
一方で、歩行速度と筋力にはそのような関係は認められませんでした。
持久力が高い人は、課題中の前頭―頭頂ネットワークの活動を上昇させること、また、その領域の活動が十分でない場合には、より広範な領域の活動を上昇させることで、ワーキングメモリー課題の成績を向上させていることが示されました。
手指の巧緻性が高い人は、課題中の前頭―頭頂ネットワークの活動を上昇させ、デフォルトモードネットワークの活動を低下させること、また、それらのネットワーク間の関係を調節することで、ワーキングメモリー課題の成績を向上させていることが示されました。
~ 転載終わり ~
出典 神戸大学
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2020_07_22_01.html
感想
認知機能を高めるためには、有酸素運動と手先の運動が有効であることが示されました。
認知症の予防には、マラソンや散歩、自転車エルゴメーター、などの有酸素運動や、手芸や編み物、料理、絵画などの手指の巧緻動作が良いようです。
やはり、趣味の幅を広げている人は認知機能は高いように思います。
逆に、趣味がない人は認知機能は低い傾向にあると思います。
脳血流を包括的に流すことが、認知機能を高めるのでしょう。
多趣味であれ、多動であれ。
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④今週の名言
『こだわらず
とらわれず
かたよらず』
(般若心経)
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リハラボ 代表
廣谷迪正(ひろやみちまさ)
リハラボホームページ
https://mkhjwh3.wixsite.com/selfreha
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