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安モノ自慢


先日、友人とある場所で雑談をしていた時のこと。友人が「ねえ、あの人のバッグ、見て。可愛い。」と、少し離れた所に立っていた人のバッグを褒めた。ピンクのかごバッグ。確かに可愛い。ふとその人の顔を見ると、「あ、○○さんだ」
「え?知ってる人なの?」


その方は美容師さんで、以前は同じ街に住んでいて、子どもたちが小さい頃は髪を切ってもらっていた。子どものカットはいつも「1000円で良いよ」と言ってくれて、とても良心的な方だった。借りていた店舗が古くなり、雨漏りがするとかでお店を閉められたが、長女の成人式の時は我が家に出張してもらって髪を結ってもらった。その時も「髪飾りの代金だけて良いよ」と言ってくださったがさすがにそうはいかないと、お礼を包んだ。最近は店舗を持たず、老人ホームや介護施設で出張サービスをしている。


「知ってる人なら、あのバッグ、何処で買ったか聞いてほしい」と友人が言うので、私はその方の元へ向かった。「あら、みとんさん、お久しぶり」


その方はとてもオシャレだ。年齢は私よりも上だが、美容師さんらしく髪はいつもきちんとゆるふわに巻いているし、服装もいつも可愛らしい。その日も花柄のブラウスに、薄紫色のオーガンジーのスカートをはいていた。挨拶の後、「わぁ、可愛いバッグですね。いつも可愛い物を持ってらっしゃるけど、何処で見つけるんですか」と上手いこと聞けた。「あ、これ?これはね‥」と教えてくれたのは、雑貨屋さんで1000円くらいで買ったとのことだった。近くで見ると、かごはビニール素材のいわゆる安物だったが、可愛い人が持つとお値段以上、とてもセンスが良く見える。友人もバッグを買ったお店がわかり、満足したようだった。


私も安くて可愛い物は大好物だ。安くて可愛くて、そのお値段には到底見えない物をゲットしたら、嬉しくて誰かに話したくなる。「えー、その値段には見えない」と言われて満足するのだ。そんな私がつい最近、この夏使おうと思って買ったバッグ。



税込1780円。どうだ?



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