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有休の使い方


私の職場は今出産ラッシュだ。と言っても、うちの職場にいるのは旦那さんの方で、奥様のことは知らないのだけど。6月にもお子さんが生まれるという人(やっぱり男性)もいる。他人事ではあるけど嬉しいニュースは職場を明るくしてくれる。
2月の末にAさん、3月の半ばにBさん、共に2人めのお子さんが生まれた。Aさんちは2人とも男の子、Bさんちは2人とも女の子。Bさんはお子さんが生まれた次の日も出勤していた。周りから、奥様に付いててあげなくて良いのかと冷やかし半分に言われ「いても、することないんで」と耳を真っ赤にしながら答えているのが微笑ましかった。


Aさんの奥様が出産した週は、うちの職場でも一年のうち1、2を争う忙しい時で、よっぽどの事が無い限り、例えば身内に不幸があるとか、今なら感染症にかかるとか、でない限りは全員出勤するのが当たり前のような、暗黙の了解があるような、そんな時だった。Bさんも言ってたように、奥様が出産したからといって、旦那さんが仕事を休んでまでやるべきことがあるとは思えない。にもかかわらず、Aさんは、そこからその週丸々有休をとった。そのせいで、本来Aさんが受け持っていた職務を、他の人がカバーしなくてはいけなくなった。一つフォローするなら、Aさんの奥様は県外からお嫁に来ているので、里帰り出産をされた。Aさんは車で3時間ほどかかる奥様の実家に行かれてたようだ。普段なら問題はない。ただ、一年で一番忙しくて大事な時とわかっていながら、何の悪気もなく有休をとるAさんのことを、私は「どうかしてるぜ」と思ってしまったのだ。


元々Aさんは、有休をよく取る。よく取るというのはおかしな表現かもしれないが、なんていうか「え、今日いないの?」っていう日に限って有休を取っていることが多い人だ。そういうのもあって、今回の里帰り出産に関しても、「あの人ならやりそう」という思いがあったのだ。正直に言うと、そのことについて私たち女性陣はAさんの悪口を言ってしまった。後から反省はしたけど、日頃の行いが災いして、どうにもお子さんが生まれたから有休をとるということを素直に受け入れてあげられなかった。


後から反省したのは、自分だったらどうか、と思ったからだ。私が出産で里帰りをしていて、旦那さんが側にいてくれたらやっぱり嬉しい。もし私が男性で、奥さんが出産したとしたら側にいてあげたい。例えやることがなくても。そう考えたら、タイミング的には最悪だったけど、Aさんが有休をとることはなんの遠慮もないことだ。有休は権利だ。使いたい時に使えて当然だ。


とはいうものの、タイミングが悪かったと奥様に謝って、仕事を優先する男性、それはそれで良いと思うけどな。



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