東京

「東京」というタイトルを見ると思うことが色々ある。歌も、本も、駅名とかまでも。千葉で生まれて高校まで千葉で育ち、大学から東京に出るようになり、東京にある程度の親近感と憧れを持って生きてきた。

人生で初めて東京を感じたのは高校入学前、日本橋に制服を作りに行った時。母親と長い間電車に揺られ、東京駅で降りた。今まで見たことないような行き交う人の数、長いエスカレーター、駅内広告やディスプレイ、テンションが上がった。知らなかったかっこいいものが沢山目に入ってきて心のどこかにあった憧れが爆発した。

東京に通うようになった大学時代。今もだけど。「しょーもな」って言われるかもだけど考え方がとても変わった。サラリーマン、学生、カップル、夫婦、酔っ払い、色んな人を見た。社会に縛られてる人もいれば自由に生きている人もいた。今までの自分はいわゆる親のしいたレールの上を走ってきて、ある程度の学校を経て、ある程度の大学に行き、中流家庭でそこそこ幸せに生きてきた。周りの友達もそうだし、みんなそうだと思ってきた。しかし東京はそれが当たり前じゃなくて自由が当たり前のように感じられた。
もう一つ感じたのは夢と諦め。何も考えず生きられた頃から成長したのか、大学生という将来を考えざるを得ない年代になったからなのか、東京に出てから関わる人の夢と諦めを感じるようになった。こうなりたいという夢を持って勉強に励む人、アルバイトをする人。これをしないといけないからと言って学校に通ったり、仕事をしている人。どっちがいいかそんなのは分からないけど、どっちにも尊敬できる人もいたし、斜めの目線でバカにしている自分もいた。でも、東京にはそれが詰まっていると思う。前に進もうとしている人と今を繋ごうとしている人、成功と挫折。良い面を見れば東京には成功のチャンスは沢山あるし、そのために上京して夢を叶えようとしている人も多い。その分ある意味失敗という絶望的なものも多くなる。その二面性が好きなのかな。

出会いと別れもある。これも良いものと悪いものが。また時間が経ったら経験として良いものになるのかは分からないけど。
先輩、後輩、同期、友達、知り合い、彼女、なんか知らんけど飲んだ人。地元では会わないような人、バックグラウンドが違う人と沢山会って色々な話を聞いたし、色々な話をした。一人ひとりにストーリーがあり、それぞれの人生がある。そんなの当たり前だろって言われるかもしれないけど、体感して改めて思う。当たり前のことが当たり前じゃないし、非日常が日常、何気ない毎日が特別なのかもしれないし、もっと良いものがあるかもしれない。好き嫌いが激しいし、合う人合わない人もいるのは当然だけど、忘れられるよりは記憶の中で良いものになっていればいいな。

なんでこれを書こうと思ったのかは最近作った自分のプレイリスト「東京っって歌全部いいよね」というタイトルが「東京」という曲を集めた物を自慢したかったから。彼女に言ったらなんか共感してた。どの曲も上京するときの期待感とか緊張感、なんとも表現できない感じ、東京に出てきて感じたことが聴くと感じられて東京出身じゃなくて良かったなと思う。

hip-hopが好きになったのも生まれや育ちのストーリーを歌詞に感じられるところを好きになったし、邦楽や洋楽を聴く時も共感するものだったり、ストーリーを感じるものをよく聞いている。また、歌を聞くとそのときの記憶や感情を思い出すことがよくある、その思い出す感覚とか「だせぇな」って言われるかもしれないけど、感傷に浸れるその感覚が好きなのかもしれない。「誰も見てねえよ」って言われるかもしれないけどわかる人はコメントしてください。

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