見出し画像

誰が名前を呼んだのか? 「遠野の怪」

これは、まだ結婚する前、友達と遠野に旅行したときの話です。ちょっと不思議なことがあり、困ったことが解決されました。

宿泊先での体調不良

温泉目当てで花巻に一泊した私たちは、翌日から遠野へ。遠野には二泊する予定で、市内に点在する観光スポットをレンタサイクルで巡ることにしました。

遠野を訪れたのは夏。
河童伝説が残る「カッパ淵」やオシラサマが祀られている「伝承園」、「遠野ふるさと村」などを1日半かけてのんびり廻り、途中で名物の「ひっつみ」も堪能した私たち。
自転車での移動は気持ち良くて、それなりに遠野の夏を満喫しました。

ただ、帰る前日にちょっと問題が起こりました。
遠野での宿泊先は普通のホテル。朝食はバイキングでしたが、この朝食を取る場所が異常に冷えていまして、とにかく冷房が効きすぎていて寒いんです。食事しているわずかな時間ですっかり冷え切った私。
なんとなくだるいかな、とは感じていましたが、夕方にはどんどん寒気が・・・。明日は帰るというのに、夜になると熱を出してしまいました。

白いモヤと謎の声

二人とも仕事を控えていたし、翌日は帰らなければなりません。
とにかく温かくして早めにベッドに潜り
「どうにか下がって〜」と願うばかり。

翌朝、まだ早い時間のことです。
ふいに耳元で
「○っちゃん、○っちゃん」
と私の名前を呼ぶ声がして、目を覚ましました。友達はまだ寝ているし、そもそも友達の声ではありません。それに、なんというかたどたどしい呼び方で、慣れていないという感じでした。

部屋を見渡してみると、鏡の前辺りには白っぽいモヤのようなものが・・。
(なに?)
と目を凝らすと、すぐ消えてしまいました。

ところが、私の体は楽になっていて、熱はすっかり下がっていたのです。声の主はいまだに謎で、聞いたことのない声でした。
座敷わらしか?
一瞬そう思いましたが、そもそも普通のホテルですからね。でも、熱が下がって問題なく帰ることができ、助かりました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?