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在宅勤務で痛感するインフォーマルグループの重要さ

こんにちは。ヨシミツダです。
今日は在宅勤務の中で改めて感じたインフォーマルグループの重要さについて書きたいと思います。

よく言われる閉塞感

在宅勤務において、よく限界に迫っているみたいな話が議論されてますが、改めて考えると「何が?」って思ったことないでしょうか。
コミュニケーションの面でいうと、必要なときにオンラインMTGは実施できますし、無駄に話しかけられることもないので、集中することもできますよね。私達が口にする限界とは、一体何に対して感じているのでしょうか。

ホーソンの実験

ホーソン実験とは、アメリカの電機機器製造企業のウェスタンエリクトリック社でジョージ・エルトン・メイヨー教授によって行われた実験で、目的は生産性向上において何が起因するのかを導き出すことでした。この実験は1924年から1932年まで行われた実験です。当時は第一次大戦後の時期で、自動車産業を中心とした各種産業が勃興した時期でした。

ホーソン実験の結論には反論があるものの「仕事の生産性には外的環境ではなく職場の人間関係が影響するというものでした。

照明や温度などの外的環境を変更しても、労働者の生産性には変化がみられませんでしたが、職場の人間関係や感情の変化が仕事の生産性に影響を与えていたのです。
この感情や仕事への想いに影響を与える存在として会社で正式に組織されたわけではない非公式なグループの存在が確認されました。
それが、インフォーマルグループと呼ばれるグループです。インフォーマルグループにより生成、維持、メンテされる人間関係によって生産性は影響を受けていたのです。

身近なインフォーマルグループ

インフォーマルグループというと、難しく考えてしまいますが、例えば私が影響を受けたと感じるインフォーマルグループとしては以下が考えられます。

・同期入社メンバー
・職場のよく話す人たち
・社内サークル
・労働組合(非公式なグループではありませんが)

要するに普通に働いてると勝手に影響を受けていたグループです。こういったグループの中で愚痴をいいあったり、夢を語り合うことで自然と人間関係が調節されていた気がします。ところがこれらのグループは在宅勤務になると、無理矢理にイベントでも開かない限り、まず接することはありません。

こういった在宅勤務の課題を受けて、例えば今の職場では昼休みにカジュアルなオンラインMTGを実施したりしています。しかし、私は昼休みまでパソコンの前に座りたくなかったり、洗濯物や夕飯の支度などいろいろ忙しいため、昼休みイベントはすべてキャンセルしています。

こういった活動を昼休みに配置する時点で、問題の重要さに気がついていないような印象を受けます。

ローコンテキストなコミュニケーション

このような状況の中で、コミュニケーションの形もSlackやTeamsなどチャットベースに変わっている職場も多いのではないでしょうか。
テキストベースのコミュニケーションは、目的・要求がはっきりしている反面、温度感や雰囲気、期待値などが伝わりにくい傾向があります。
効率的ではあるものの、ここでも感情や気持ちのやりとりがなくなっているのです。
また、目的やゴールをもたない会話が行われることはありません。しかし、例えばコミュニケーションの質をあげる、仕事の質をあげるといったゴールを設定しない重要な仕事は存在しています。
必然的にこういった仕事が認知される機会は低下していきます。

発見とは自分から離れた存在から見いだす

また、クリエイティブな時間を感じなくなったという意見を聞きます。これは恐らく自分が知らない事象ないし、人に出会わなくなっているからだと思います。インターネットの世界ではナッジという理論があらゆるところに仕込まれており、人の現時点の嗜好にあわせて、ある情報の範囲に人を閉じ込めてしまうのです。これはインターネットの課題だと思うのですが、自分が取りに行きたい情報の利便性が高い反面、現実世界で起きるセレンディピティのような出会いが起こりにくい設計になっています。

すごい上司や、同僚をみて学ぶ、そんな当たり前のことが難しくなってきているのです。

したがってある規模のグループワークをする仕事に関して人間関係の調整力が働きにくいため、無自覚に仕事のパフォーマンスが低下したりするのです。

一方で、士業のような仕事が1人で完結して、アイソレーションできるようなお仕事の方は、基本的には仕事が自己完結しています。また、インフォーマルグループが果たす機能については、同業者の方との交流などを業務に組み込んだりしています。したがって、在宅勤務による負の影響は受けにくいと考えられます。

人間関係とインフォーマルグループを組み込んだ経営システム

仕事のパフォーマンスが人間関係や感情に強く影響されることと、在宅勤務ではその調整力が働きにくくなるということから対策が必要になります。

そのため、在宅勤務をとりやめる決断をする会社もありますが、良手とは思えません。
通勤という最悪の害悪から解放されることを知った人達には、以前よりずっと苦痛が高いものになるからです。

私見としては、インフォーマルグループ、活動をうまく経営活動に組み込む試みが必要な気がします。

休み時間の息抜きレベルでの実行では十分とは言えません。ハイコンテキストなコミュニケーション、時間の共有の問題など課題は大きいと思いますが、これらの課題を解決する組織には大きな魅力と求心力が同時に現れると思います。

私も一実行主体者としてアイデアを構想し、活動していきたいと思います。

それではまた。

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