見出し画像

ストリートスマートの正体

ストリートスマートという言葉を知っていますか?特に高度な専門教育を受けていないにも関わらず、妙に頭がよいと思われる方達のことです。

私にとっての身近なストリートスマートは母親でした、自分は理系の大学院までいったものの、どうも高卒の母親の方が頭よい気がして仕方がありませんでした。
一言でいうと知恵があるという表現になるのですが、それがなんでなのか、さらにどんなとこに知恵を感じていたのか、いまいちわからなかったのです。

最近ようやくそれがなんなのかわかった気がしたので共有したいと思います。

狭く深い

ストリートスマートな人達は、多種多様な知識を吸収している印象があるかというと、むしろ逆で自分の興味あること以外には疎く、そのかわり興味あることはどこまでも深く知ってる人が多いです。つまり知識のラテラル(水平方向)の幅は狭くて、バーティカル(垂直方向)が深いという特徴があるのです。

行動と観察により知識を獲得する

ネットで調べれば多くの知識は得られるようになって久しいですが、情報を断片的に知っていても価値を生むことは難しいと思います。
また、毎日溢れる情報や信憑性の低い情報など、情報の真贋を見分ける能力は、ますます重要になってきているように思います。

知っていることを価値に転換するために必要なこと、それは「気づき」です。
洞察による「気づき」こそが価値を生みだしていきます。

ストリートスマートな人は、ネットも使うと思いますが、それよりも自らの行動と経験によりウェイトをおいて知識を獲得している印象があります。

そうか、そうだよなという納得感と腹落ち感は体験からくることが多い、さらに興味範囲は自分の行動でリーチできるところにあるので、「気づき」やすいというメリットもあります。

自分なりの法則に昇華している

そういった生々しいインサイトを獲得したあとに、ストリートスマートな人達はそのままで終わりません。
スマートな人と、そうでない人の分水嶺はここにあります。
ストリートスマートな人は、複数の獲得した気づきの共通点をまとめて自分なりの法則を作りあげています。

そうした一般化した自分なりの法則を帰納的に作り上げて、演繹的に別の事柄にあてはめているのです。
行動の対象が絞られ気味なので、イシューが発見しやすく、さらに法則の検証に必要な現実の事柄からのフィードバックも獲得しやすい、そうやって自らの法則の練度を高めていきます。

さらにこの法則を現象にあてはめて、仮説を作りだすアブダクションという推論法を使い、複数仮説を想起し、自らの行動サイクルに組み込むということを非常に短いサイクルでやっています。

故に自分の専門領域に確固とした自信を持てるのです。

価値を得られる

最後に大事なことは、これらの法則を運用して実際に価値を得ている部分です。

いくらたくさんの法則に気づいていても、そこから何も得てない人はストリートスマートとは呼ばれないでしょう。

偶然にしろ、必然にしろ興味領域に依存するところでもあります。

ストリートスマートの弱点

以上のような構造で非常に高いインテリジェンスを発揮するストリートスマートの方達ですが、自身の興味がないところにはとことん興味がなく、ポンコツであっても気にしないという割り切りを持っています。

知識のバランスは悪いけど、それをなんとも思わない芯の強さがあります。
得意領域への集中ともよべるでしょう。

というようにストリートスマートの特徴を自分なりに考察しましたが、まとめると以下のようになります。おそらくストリートスマートな人自身も気づいてないことも含まれていると思います。

・狭くて深い興味領域への強いフォーカス
・行動ベースで気づく「気づき」
・無意識に近い法則化と磨きこみ
・実際に法則を駆使して価値を獲得している
・興味のないことを「捨て切る」思いきりの強さ

以上のことを踏まえて、賢明なみなさまはお気づきかと思いますが、これは誰しもが取り組めることだと思います。

上記自体が、ストリートスマートな母親を解析するための法則みたいな感じですが、今のところ演繹的に検証はできてるかなぁとは感じております。

なにか皆様のお役に立てれば幸いです。


この記事が参加している募集

#仕事について話そう

110,250件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?