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転職して1ヶ月がすぎました

こんにちは。ヨシミツダです。

重厚長大なメーカーからスタートアップ企業に転職して1ヶ月が経ちましたので、感想とこれからの抱負を書きたいと思います。

結論から言うと

結論からいうと、転職して良かったと感じています。よく言えばなんでもできる、悪く言えばスキルセットが不明瞭なメーカーの開発リーダー的なポジションから、職能を明確にできるデータサイエンティスト、プロジェクトマネージャーという肩書きになって今は働いてます。

データサイエンティストに関しては、会社や業界で定義もあいまいですが、データの処理に使うプログラミング言語や取り扱うプラットフォーム(AWS , GCP , Azure, Docker,Kubernetes)には共通性があるなと考えています。

テクニカルなスキルは、今流行りということもありネットの通信講座などに教材が充実していて他の分野よりアクセスしやすい印象です。

余談ですが、昔社内異動した時に必要にかられてパワエレについて独学しようとした時にうまく学びが進まず、挫折した思い出があります。その時に比較すると、ありすぎるくらい情報がある印象です。

PythonとRが主要な言語になっていますが、汎用性の観点からPythonの方がマジョリティではないかと思います。特に頑張ってRをやろうかなという気持ちは今のところないです。

データサイエンティストに求められる3つのスキルセットには、「ビジネス力」、「データサイエンス力」、「データエンジニア力」があります。

「ビジネス力」はビジネス課題を捉えて整理して解決する力、特にデータサイエンスの文脈で価値定義をすることも含まれると思います。「データサイエンス力」は情報処理、人工知能、統計などの情報科学に関する知見を理解して活用する力です。アカデミックな素養も必要になります。「データエンジニア力」はデータサイエンスを意味ある形にして実装、運用できるようにする力になります。ビジネスフローの中でそれぞれの力が必要になります。

データサイエンティストへのエントリーの仕方でいうと、私のような結構いい年してるが、業界知識や関連技術、プロジェクトマネジメントなどの知識・経験がある人や、未経験の初心者はビジネスよりから、アカデミアでポスドクから職種変換してくるような人はデータサイエンスから、プログラマとしてバリバリやってきてインフラ系の経験がある人はデータエンジニアリングからというような印象があります。

未経験から入社されている方ですと3ヶ月ほど缶詰めでデータサイエンスをブートキャンプで学んで入社されてる方もいました。料金は30万〜40万程度とそれなりですが、短期間に集中してエッセンスを学べるので、時間効率はよいやり方ではないかなと個人的には感じます。

未経験の人のことを考えた時に個人的に感じるのは実は機械学習のところじゃなくて線形代数とかやってない人が行列の取り扱いわかるのかなというところです。行列の演算がやってることわからないと、多次元データの処理とかぴんとこない気がするのですが、余計な心配でしょうか。
機械学習自体は20行弱くらいプログラム書いたら使えるので、道具的に使ってみてもいいかと思うのですが。

役に立っている経験

まだ働き始めたばかりですが、私の場合、データサイエンスで取り扱うアプリケーションの一つである画像処理や産業向けの検査装置、センサの取扱いの経験は役に立っていると感じます。機械学習が置き換えようとする対象についてよく知っているというところです。プロダクトとして成立させるために必要な視点など、なにか一つでも寄って立つものがあると、ビジネス貢献も早期にできる気がしています。

あとは、期待されている役割としてプロジェクトマネジメントや顧客のフロント対応といった役割があります。
フロント対応は、営業というよりは技術窓口のようなイメージです。この辺は前職でも普通にやっていたので、抵抗はありませんでした。

機械学習一般についてですが、大学の時にSVMの研究をしていたので、CNNなどは一応勉強してました。その後大学院を卒業して、しばらくしてからDeep Learningがブレイクしました。
皆様ご存知の通り関連分野の発展はすさまじく、社会人になって機械学習を使うこともなかったので、キャッチアップをしているところです。GANやGPT-3など私が研究していた時とは桁違いにできることが増えています。
しかし、焦りがあるかというと、そんなことはなくて、これだけAI的な物を社会実装できる時代になったことを喜ばしく感じ、あらゆることを学ぶことが楽しいのが本音です。またYouTubeやcourseraなど低コストで学べるハイレベルな教材が昔と比べると驚くほどたくさん整備されているので、ほんとにありがたい時代になったなぁと感じます。

譲歩したこと

なんでもうまくいってるかというと、そうではなくて譲歩したことがあります。

ずばり年収は減っています。ただし、インセンティブを加味すると前職より給与アップする可能性は残っています。しかしながら、入社して感じてるのは他のデータサイエンティストの方が優秀な方ばかりで、その中でどうやってdistinctiveに成果を示すかというところは今考え中です。

実は現職は若い会社なので、評価制度もあまり整っていません。能動的にインセンティブを獲得しにいかないと絵に描いた餅になりかねないと感じています。むしろスタートアップなので制度作るの手伝ったるぐらいの気持ちで、組織開発にも関わっていきたいと考えています。

収入を下げてまで、なぜ転職したのかというところについて説明します。転職活動中に確信したのですが、前職のままの開発リーダー的立場の資産(自分の経験、スキルセット)で今いる地域で転職して収入が上がる会社はわずか1,2社でした。つまり、それだけ高待遇を受けて働いていたとも言えます。収入だけで考えると転職する必要性はあまりありませんでした。しかし、会社で出世するしかないという自分の成長イメージの展望や、パートナーの業者に作業の多くを依頼したり、社内調整にとにかく時間を使う調整おじさんまっしぐらの状況に、これはいい人生じゃないなという感覚が日増しに強くなり転職を決意しました。

なによりこのまま歳をとり、会社に首根っこを掴まれて、身動きが取れなくなり、自分に選択権がなくなることの方が収入が下がるより怖かったことです。申し訳ないのですが、50代の社員の方に憧れるような人が見当たらず、人ごとではなく自分もそうなってしまうのが嫌だったことも行動することを決意した理由です。

また、現職は副業も特に禁止されていないので、自分のやりたいことを仕事としてはじめることができます。前職は副業が禁止されていて、解禁までもう少し時間がかかりそうでした。年齢のことを考えると、いろいろ失敗するにしても早い方がいいと感じて動きはじめました。

また、最近流行りのFIRE(Financial Independence, Retire Early)についても参考にしてパーシャルFIREで徐々に仕事を軽くすることも考えています。多分働くことは好きなので、何かをしたいという気持ちがなくなることはないでしょう。経済的自立を確立した上で、好きだけど現実的に収入が低い仕事をするというのは、結構合理的な解なんじゃないかと感じてます。(少なくとも好きなら何もかも捨てて、飛び込めみたいな考え方よりは。)

ちなみに伝統工芸がすきなので、好きだけど、お金にならない生業としては陶器作りなどを生業にするのが夢です。FIREの考え方を知ってから少し希望を持っています。
誤解のないように、これとは別に自分の仕事のプロジェクトは考え中です。

予想外だったこと

予想外だったのは、思ってる以上にインターナショナルな社員構成で、英会話力を高める必要性が上がったことです。前職では年に1回か2回、海外法人の社員と打ち合わせする時くらいしか使うことはありませんでした。しかも、あまり主体的に話をする必要はありませんでした。
今の職場では、ほぼ毎日のように英語で会議があり、聞く力も話す力も強化しなければならないことを痛感しています。
詰め込み式や、チートでもなんでもいいので必死に勉強しているところです。
こちらも、オンライン学習の恩恵を受けています。

英語の勉強も割と好きです。
独身の時はよく海外旅行をしていて、旅行するタイミングで英語を学び直ししてましたが、結婚してからは海外旅行自体しなくなったので、動機を無くしていました。業務でも頻繁に使う部署ではなかったため、勉強はおざなりになっていました。

今は、流暢じゃなくていいので、とにかくビジネス会話をきちんとできるレベルに早くなりたいと考えていて、こちらも絶賛勉強中です。
今後のことを考えてもよいアセットになるのではないかと思います。

これからのこと

これからのことですが、基本的なデータサイエンティストとしてのキャパシティを広げつつ、マネジメントとしてもAI開発ならではのMLOpsなどのプロジェクトマネジメントの方法論を学んでレベルアップすることが直近3ヶ月くらいの目標です。
AIプロダクトの開発に関わるPdMのような業務や、リリース後のAIで価値を産みだすことを考えるカスタマーサクセスマネージャーのような役割にもチャレンジしてみたいです。AI関係プロジェクトの胴元的な役割は大きな会社でも、スピード感持ちながら経験することは難しいので今のビジネス環境をしっかり活用したいです。

今の状況だと3年後ぐらいにはデータサイエンティストは玉石混交ですが、十分な数になるはずなのでデータサイエンティストが力を発揮できる生態系というのも考えていきたい。

courseraなどで調べるとビジネス領域で伸ばすならデータアナリスト、ビジネスとサイエンスの間あたりのデータマネージャー、データエンジニアの発展ケースのオンライン、オフラインのデータを集めてデータ基盤を整備するデータアーキテクト、さらにより実装よりのデータスペシャリスト(ビジネス寄りのジョブディスクリプションも見かける)など、データ◯◯という職種はタケノコのように現れている印象があります。

自分はポスドク上がりやドクターをでたアカデミアの人と競うサイエンス力や、大した実装力がない代わりに、製品の価値やお客様との関係性、ビジネス的なアウトカムにすごく興味があるのでビジネス寄りのスキルを意識していきたいと考えています。企業での通常のソフト開発の仕事は、労働集約的になりがちですが、データサイエンティストの場合、個人としてプロジェクトにエントリーしやすいところにも魅力を感じてます。本業はある程度、金額規模の大きなプロジェクトしかできませんが、個人のプロジェクトとして、中小規模のビジネスにもデータサイエンスを導入していけたらと考えています。

また、気をつけないといけないのはスタートアップである会社が永続することなど保証されていないため、自分の寄与で会社を発展させることを意識しつつ、セルアウトやバイアウト、イグジット、最悪会社が無くなってしまった時にどうするのかリスク管理はしっかりしておく必要があると考えてます。
何か起きてもキャリアに前向きならなんとかなると信じていますが。

なんかすごく長い話になってしまいましたが、1ヶ月間充実していました。また、定期的に感想はアップしたいと思います。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。それではまた。



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