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有名小学校に入学するための入試対策⑥

6.お母さんといっしょに遊びながら学ぶ

○子どもが楽しめる絵本

 子どもに絵本の読み聞かせをしてあげるということは、いろいろな意味において重要な位置を占めています。しかし、たくさんの本の中から一冊を選び出すことの難しさは、大変なものです。では、どんな絵本を選んだらよいか。まず、挿絵が芸術的、美術的なこと。第二にお話が文化的・伝統的であること。単なる日常茶飯事や場面の羅列ではなく、心を打つものがあること。第三に押しつけがましさや、教訓的な言い方をしていないこと。第四に知識を教えるための本、しつけに役立つ本などのように「何か得る」のための本ではないこと。第五に、これこそが最も大切な点なのですが子どもが読んで楽しめる本だということ。このように考えてきますと、奇をてらったものや流行のものではなく、長い年月、読み継がれてきたオーソドックスなものなら間違いないと言えましょう。例えばブルーナーの『ちいさなうさこちゃん』シリーズや、『チム・ラビットのぼうけん』『エルマーのぼうけん』などが挙げられるでしょう。『マザーグース』や、昔話として『日本昔話百選』や『イギリスとアイランドの昔話』『アジアの昔話』なども読んであげたいものです。ロングセラーの絵本などもどの本を読もうかと迷っている時の1つの目安になるでしょう。図書館で支持されている絵本も安心の一冊です。『おおきなかぶ』『ぐりとぐら』『はらぺこあおむし』は常に愛読されています。反対に、新聞や雑誌の書評は取捨選択が必要です。話題性を重視するため、子どもに必ず読んでほしいような絵本があまり載せていません。新刊だけでも年間約2000冊の絵本が出版されていると言われていますから、初版だけで絶版、休版という状態というのも珍しくありません。そんな中、何十年と出版され続けている絵本は大きな力を持っていると思います。

○読み聞かせの注意点

 絵本にはお子さまのまだ知らない言葉や表現も数多く詰まっています。そんなときは、絵を指さしながら読んであげてください。説明のために読み聞かせを中断するのでは、お話への感情移入しづらくなってしまいます。途中で説明や質問を入れるのもよくりません。展開の理由や説明よりも、壮大な絵のイメージや感動とともに、絵本の言葉が心に刻まれていく実感をもたせることが大切です。集中してお話についてきているかに気を付け、読み手も抑揚を出して自身も楽しみがら、読み聞かせしてあげてください。絵本を読み終わった後の子どもの心は感動でいっぱいになっているはずです。感動で満ちた心を壊さないように、感想は聞かないであげてください。

○お母さん大好き

 子どもが本当に絵本の世界を楽しみ、体験できる本を数多く子どもの周りにおいてあげましょう。その中から子どもは、気に入った本、興味のある本を選んで「お母さん、これ読んで」と持ってくるものです。お母さんも単なる読み手ではなく、子どもと一緒に絵本を楽しんで、読み聞かせてあげてください。同じ本を何回も何回もということもあるでしょう。満足するまで何回でも読んであげてください。子どもは、世界でいちばんお母さんが好きです。そのお母さんの声に包まれてくり広げられる絵本の世界は、一生子どもの心の奥に残ることでしょう。それと同時に、お母さんへの信頼感、お母さんと一緒にいることの安心感なども、しっかり子どもの心に宿ります。「大好きなお母さんと一緒に」この関係が十分にでき上がることこそ、幼児期の一番のポイントといえましょう。

○楽しく、遊びながら

 ところで、子どもというのは、何ごとも楽しくなければやりたくはないものです。自分にとって嫌なことや苦しいことを無理してやる時は、大好きなお母さんに言われたから、大好きなお母さんに誉められたいからという気持ちからやっているのです。ですから、子どもにとって自然で楽しいことは「遊び」の中で体験することです。鉛筆や箸の持ち方も、数も、花や動物や物の名前を覚えるのも、「大好きなお母さんと一緒に、楽しく遊びながら学ぶ」ことができれば、本当に楽しいものなのです。しかし、早く終わらせたい、わかってほしいという親の側の気負いが、余裕を無くさせ、子どもににじりよるような態度になってしまうことも少なくありません。ですから、この最も難しい課題「母と子で、遊びながら学ぶ」がしっかり体得できれば、子どもにとって何も不安なものはないでしょう。

 なるべく早い時期に「遊びながら学ぶ」関係が、お母さんと子どもとの間でつくられることが大切なのです。このような母と子の関係を通して、一つひとつ学んでいくことが、いずれ訪れる小学受験の合否にも関わってくるといってもよいでしょう。つまり、豊かな幼年期を送るために最も大切なのは、「大好きなお母さんと一緒に遊びながら学ぶ」ことなのです。例えば、折り紙を折るときなかなか覚えられない子どもに、同じことを10回、20回とやらせ続ければ、いずれはできるようになるでしょう。しかし、それ以上にできあがった折り紙で遊ぶ楽しさや、人に見せる誇らしさどを感じながら「一枚の紙を折る」行為などを覚えてほしいと思っているのです。

 さて、生活の多くの時間を子どもはお母さんと一緒に過ごしています。その時間は今は毎日のうちのとても長い時間に思えるかもしれません。しかし、一生のうちで考えれば、ほんの僅かな時間なのです。そう思って慈しんで、豊かな時間を一緒に過ごしてほしいと思います。小学受験においては、子どもの力以上に親の取り組み方こそが重要だと言えるのも、このような点からなのです。子どもが何をどこまでできるようになっているか、情緒的に安定しているか、何かに取り組む意欲はどうかなど、いろいろな側面から発達の様子が問われるわけですが、それらはすべて、母と子で一緒に獲得してきたものの結果なのです。

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有名小学校に入学するための入試対策①
有名小学校に入学するための入試対策②
有名小学校に入学するための入試対策③
有名小学校に入学するための入試対策④
有名小学校に入学するための入試対策⑤

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