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有名小学校に入学するための入試対策③

○小学校受験は親子を成長させる良い機会

小学受験の受験者数が年々増加していて受験競争が激化の一途をたどっていることは周知の事実です。では、なぜそのような現象がおきているのでしょうか。子どもの数は減少しているのに、なぜ受験は過熱するばかりなのか…、と思われることでしょう。これは、小学受験だけに限った現象ではないのです。ある意味では、教育をめぐる社会現象の一環として、小学受験の激化を考えなければなりません。そして、この社会現象の根底には、公教育への不安感と不信感があります。
 「ゆとり教育」と良い意味でも悪い意味でも騒がれていた頃よりももっと前から、受験に対しての競争力が弱くなってしまいました。今でも多くの子が思春期の人格形成の大切な時期を受験勉強で明け暮れることになります。そのかわりに個性を伸ばす教育がおこなわれているかというと、そうとも言えないのが現状です。こうした中、心あるご父母は私立の一貫教育に魅力を感じ、我が子に合った学校は…、と探し始めます。ならばせめて中高一貫教育をと考える父母の増加で中学受験は年々拍車がかかっています。その影響を受け、中学からは難しいのでと小学受験も激化しているのです。
 もちろん、こうした親の心境を支える経済力も大きな要因です。子どもの数も少なく、女性の社会進出も増え、教育費にお金がかけられるようになりました。それこそ以前は「小学受験」を考えた父母は、ほんのひと握りの人たちだったわけですが、今ではずいぶん多くの親が考え、取り組むようになりました。こうなってくれば応募者が増えても、それを受け入れる小学校の数は限られているのですから、競争率がどんどん高くなっていくのがわかります。

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○子どもの個性と小学受験

 小学受験の現状は、このように年ごとに多様化し、かつ過熱化しています。こうした風潮やまことしやかな噂話などに流されることなく、我が子をどのように育てたいかをじっくりと考えてみてください。その結果、こうした校風で、こうした教育環境でという方向が出てくると思います。充分に各学校の特色を研究して、志望校を見つけましょう。その過程の中で、常に忘れないでほしいことがあります。それは、小学受験は子どもの成長、発達のひとつの機会だということです。よく小学受験で、その子の一生が決まってしまうような思い込みのお母様がおられます。そうした不安や緊張状態で受験に取り組んでも、決して良い思いは残りません。かえって子どもの知的好奇心や興味を損なうことになる方が心配です。子どもの個性や特性を考えての学校選びをしてください。
 受験に有利な子どものタイプは、発達が早く、そのバランスのとれた子といえましょう。幼児期の一年の違いは大きく、まず体力、そして集中力、持続力の違いになってあらわれます。ですから、身体の発達がよく、情緒が安定している子は、知的訓練においても砂に水がしみ込むように吸収していきます。就学時までにどこまで到達しているか、どのくらいできているか、という線を引くことイコール受験と考えてみるとわかり易いでしょう。それぞれの子どもに発達の速度や、いろいろな能力の発達にバラつきがあるのです。
 しかし、小学校側では「ここまで到達している子を…」と選考するわけです。そこで、何とか我が子をその域へ到達させようと思うのが親心。つい、できたか・できなかったのか、良い点数かどうかというところで子どもの能力を判断してしまうようになっていくのです。この悪循環にくれぐれも巻き込まれないようにしてください。そもそも小学入試に出題される事柄は、受験前の何か月間で集中的に覚えさせ、とにかく試験で出来さえすれば良いという類のものでは、決してありません。その子どもの就学前5年余の生活体験を通して身についたことが問われるのです。具体的に、年少児にできていてほしい事柄、もう年長児なのだからここまでは…、というそれぞれの年齢に応じた発達の到達点があるのです。それらを各年齢でほぼ達成できていれば、受験の1年前くらいから知的訓練によって確実にしていけば良いかもしれません。

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○小さい時の受験ほど親

高校や大学受験になれば、本人の自覚も充分になってきますので、自分で進路を考え、志望校も決定してきます。しかし、中学ましてや小学校の受験では、子ども自身には将来を真剣に考える自覚や知識も無いのに、親の選択によって受験に取り組むわけです。ですから、親がどう子どもと関わるかによって、子どもの意欲が左右されます。幼児教室任せでは、放っているのと変わりありません。学習方法や志望校選びのアドバイスをするのが教室の役目。勉強をやらせるのも、受験校を選ぶのも親の努めであり、責任ということになります。受験というハードルを親子一体で乗り越えていくような雰囲気で取り組めば、合否に関係なく、その体験は暖かな思い出として両者の心に残るでしょう。
 また、小さいときの受験ほど保護者の面接の比重が大きくなります。親の人格、教育方針、子どもとの関わり、さらには人生観までがみられるのです。子どもを育てながら、自身も育てられて親になっていく、そんなつもりで、ご両親も小学受験は自分を成長させるきっかけだと思うことも必要かもしれません。

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