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今だから読みたい~朗読会「ガザ・モノローグ2023」へ向けて~

明後日、朗読会の公演があります。
(7/15 月・祝 クロスパルにいがた 映像ホール 13:30開場 14:00開演)
私はその音楽を担当する事になっており、いよいよ準備も佳境に入ったところです。台本を頂いてから、読み込んで飲み込んでは音にする…という日々。

ガザ・モノローグとは…

“The Gaza Mono-Logues”(ガザ・モノローグ)は、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区に拠点を置く ASHTAR Theatre(アシュタール劇場)の企画です。2008年〜2009年のイスラエルによるガザの大規模侵攻を経験した子どもや若者33人が書いたモノローグ集は、世界30カ国以上で上演されました。2014年のガザ侵攻時にもモノローグは追加され、2023年10月以降は、「ガザ・モノローグ2023」として、アシュタール劇場のウェブサイトに新しいテキストが順次公開されています。

ガザ・モノローグ 日本語訳ホームページより


その中の11作品を今回取り扱いますが…
「死が日常に在る」という事が伝わってきます。

「静けさ」が最大の恐怖。
「あなたの住む世界には静けさがないことを祈ります。あなたはあなたの世界での騒音を楽しめばいい。」

悲しいのか、もはや感情もない状況なのだろうか…
叫びなのか、声にならない声なのか…
精一杯抵抗するためのペンか…抵抗するのに疲れ果ててしまった事を伝えるためのペンなのだろうか…

それ以上に悩んだのは、この作品を表現する「資格」が私にはあるのだろうか…ということでした。
「疲れ果てる」「絶望」や「死が在る」といった状況をどの様に解釈したら良いのか。

一文一文を読み、繰り返し飲み込む。
文章・文体を感じ取る。
そして音に出してみる。
消化するまでそれらを繰り返す。

それだけでも本当に強靭な精神的と体力が必要でした。この作品の持つパワーを受け止める力が必要なのだと…

でもそれは普段の音楽でも一緒。
演奏行為も同じく、その曲の持つパワーを受け止める器が必要であるのだから。

その瞬間、少しだけ悩みがほどけた気がします。


そんなこんなで今回のメンバーとチームで、相互に意見を出し合い創りあげてきた公演がいよいよ近づいております。
この作品に携わるにあたり「静けさ」をテーマにした、暗いコラール風の曲を作ってみました。

今だからこそ、読みたい作品。
朗読を通して何かを伝えられたら幸いです。

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