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ぷちとりっぷ〈三崎港〉 #1 そうだ、海を見にいこう

2022年6月。
まだ梅雨入り宣言前の関東地方だったこの日、どうしても遠出したかったわたしは、行ったことにない三浦半島に目をつけた。

なにをどうしてそんな思考になったのかといえば、シンプルに旅行欠乏症(なんて言葉はないが)だったからだ。去年、京都へ初ひとり旅に行ったが、それ以来旅とは疎遠になっていた。
そもそも毎年最低2回ほどは旅行に出かけていたわたしだったが、コロナで旅行を我慢しなければならず、知らず知らずのうちにストレスを溜め込んでいたらしい。
そこそこの遠出をしたいが、旅行に行くにはなんとなく目的地が思い浮かばず、だったら日帰りできるところにして、関東近郊はどうかと調べていた。

あ、海見たい。

唐突にそう思った。
茨城に行くか、千葉に行くか、神奈川に行くかとGoogleマップとにらめっこをした結果、三崎港へ行くことにしたのである。ちなみに、前日の夜中まで葉山とどっちに行こうか迷っていた。結果、三崎港といえばマグロだな、マグロいいなという食に傾いた。写真も好きだが、食もかなり大事なポイントだ。

さて、行き先を決めたはいいものの、旅行気分を味わうために「そこそこ遠い」ことにも重きを置いていたから、早起きをしなければならない。三崎港にたどり着くには、最低でも2時間半弱は見ておかないとならない。
なんとか気合いで6時過ぎに起き上がり、のろのろと支度する。忘れちゃならないのがカメラと財布。この二つがあれば大抵なんとかなる。わたし調べ。

リュックにZ6IIとレンズ3つを詰め込み、外に出るとひんやりした空気が流れていた。朝の空気、気持ちいい。
ここからちょっと遠出の日帰り旅行のはじまりだ。

三崎口駅までは品川から京急で一本。
新幹線みたいな座席の車両に、追加で支払うとかないよねと不安になりつつ乗車。こういう電車に慣れていないから、おっかなびっくりだ。もちろん追加料金など必要なかった。乗らない路線だと見たことのない駅名をたくさん通り過ぎる。時々うつらうつらしながらガタゴト揺られて1時間ほどで目的にへと到着。
(意外に近いじゃんなんて思っていたが、そもそも品川に出るまで1時間かかるのだから近くもなんともない)

三崎口駅へ到着。
駅の写真撮り忘れた。
三崎“マグ”口駅って書いてあるの撮りたかったのに。

まずはご飯を食べるために三崎港へと向かうバスへ乗る。
人が多くなくていい感じ。混雑した場所には今回行きたくなかったから、ちょうどいいゆったり感。しかもいい天気だ。
バスに揺られて15分、三崎港へ到着。この時点で10時手前。

うみだーーっ!

心のなかでハイテンション。
ひとりなので顔には出さずにマスクの下でにやにやしている(バレているかもしれない)。
ここから徒歩5分ほどの場所にお目当てのご飯屋さんがあるのだが、朝の営業時間には間に合わず、お昼の11時に入ることにした。もう少し調べていればと思ったが、そもそも起きられなかった可能性の方が高いのでまあよし。
ここで思わぬ空き時間が出て、近くの写真を撮りながらしばし待つ。

スリムな郵便ポスト。
ピーヒョロロロ。
トンビの鳴き声、ひさしぶりに聞いた気がする。
漁がおこなわれていなかったせいか、閑散としていた。
サビ加減が海の街という感じがする。
船の下ではお食事中の漁師さんたち。
これは……。
風でくるくる回っていたけれど、これは一体?
風情があるんだかないんだか。
三崎港といえばのマグロ。
三崎港にはうらりマルシェという、魚と野菜を売っている建物がある。
1階が魚で、2階が野菜。
これがまあ楽しい。
うっかり朝に買ってしまうところだった(寸でのところで思いとどまった)。
帰りに絶対に寄ろうと決める。
海風が気持ちいい。
黄色い船は床が透明になって魚を見られるようだ。
乗らなかったけど、軽快な音楽が流れていた。
打ち捨てたれたマグロ(のぬいぐるみ?)。
哀愁漂う姿になんだか惹かれる。
普段、海を見られるような場所に住んでいないから、海が見えて、海の音が聞こえるだけで来たかいがあったと思える。
うらりマルシェ2階からの景色。
建物も立派。
しかし日差しがきつい。

今回は抜かりなく日焼け止めを満遍なく塗ってきたし、なんならスプレータイプのも持ってきていたのだが、それを上回る日差しの強さに、帽子か日傘を持ってこなかったことを後悔した。

うらりマルシェの外観。
店先に山積みになっていたサザエの殻。
これ、どうするんだろう。
奥で魚とイカとよく分からない四角い物体を干している。
そろそろお店に並んでおこうかと、Uターン。
フェンスが魚の形をしていた。さすが。
海は透明で綺麗。
さあ、本日のお昼ごはんはここ。
足元にもマグロ?

この食堂はとあるネットで見かけたのだが、メニューがどれもおいしそうで迷いに迷う。結局、当店人気No.1と書かれていた「市場の日替わり刺身と焼き魚定食」に決定。まずは王道から。

マグロ、ワラサ、タチウオ、サザエ、エビ。
豪華〜。ちなみにタチウオが好みだった。
いやマグロもおいしかったけれども。
決め手だったマグロカマの塩焼き。
塩焼きってシンプルだけどお魚の旨味がぎゅっと凝縮されている感じがして好き。
お味噌汁には貝(はまぐり?)が入っていて、これもまた美味。

マグロカマは予想以上に大きかった。
お腹パンパン。フライもおいしそうだったから、ここはまた来たい。朝は分からないけれど、お昼は11時より前に並んどくとスムーズに座れるはず。
ちなみに、この定食のお値段1,760円(税込)。
味も値段も大満足。

お腹がふくれたところで散策再開。
もう少しだけ三崎港をうろうろしながら、城ヶ島へ向かうことに決めた。
その写真はまた次回。


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