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島那三月
2019年10月6日 04:45
九月の終わりごろだった。ぼくは地元の土手沿いを歩いていた。小中と通学路で何度も通った道だけれど、こうして歩くのはだいたい十年ぶりくらいになる。 東京と違い、高い建物がないだけ視界が広い。街を囲うようにして連なるあの山は、なんという名前だっただろう。遠くで学校の予鈴が鳴る。もうすぐ昼休みも終わるころかもしれない。こんな風に、気ままに時間を送るのは久々だ。煙草の代わりに、胸いっぱいに空気を吸い込ん