既憶を手放し、記憶で生きる
目の前の海へは、歩いて5分掛からない。
アーシングや祈りを目的にすることもあれば、ただただ風や光に当たりに行くことがある。“何もない場所”は、豊かだ。
決まった場所に立ち、遠くに見える地平線や波の起きる瞬間を眺めていると、足元で戯れる海水も、空に舞う雲も光も、常に移り変わり、一つとして同じ物は存在していないことを感得する。
“海水”と言う同じ名と形を持っていても、其れと同じ“海水”は無い。
わたしも同じだ。
毎瞬毎日、全てが移り変わり、同じわたしは存在しない。
そんな当た