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【映画】ラストシーンの世界線は?「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」感想(ネタバレあり)

 82分があっという間&もう一度観たくなる!自分がタイムループして観たくなるタイムループ映画「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」

↑ポスター☆

映画のザックリとしたあらすじ紹介

 ザックリとしたあらすじを紹介すると…
 この映画の主人公は吉川朱海(円井わん)という女性で、小さな広告代理店でバリバリ働いている。味噌汁炭酸タブレットという、おいしくなさそうな新商品の広告案件を抱えて大忙しの一週間。この一週間を乗り越えれば、と思っていたけれど、実は、その一週間をタイムループしていたのだった。タイムループしているということに気づき、まわりの人達に気づかせ、そして部署のみんなでタイムループを抜け出すために悪戦苦闘するドタバタコメディ。~という感じの映画。
 
 映画の正式名称は「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」…タイトル長い(^^;)
「タイムループもの」に特に興味があったわけではない。ただ、予告編が面白くて、公開前に予告編を観た時から気になっていた。
観に行きたい、と思っていたけれど…
あっという間に、2月。
 観終わって「面白かった。早くも、今年一番の映画かも?」と思ったけれど、去年から公開されていたのだった。月日がたつのは早い。
 そして、この映画を観ている間の体感時間もはやい。
 82分があっという間だった。思わず画面の中に入って色々と手伝ってあげたくなるような、没入感のある映画だった。

 ~これから先はネタバレしているので、ネタバレOKな方だけ読んでいただければ、と思います。~

ここからネタバレあり~映画の感想&考察

 とにかく頻繁に笑えるシーンがあって、小ネタ満載なのも面白かったのだけれど、全体的に深いテーマが貫いているのが、後半になってわかるのもよかった。
 人生で、やり残したことって、何?
 何のために働いているの?
 色々と考えさせられた。
 私は…色々と取りこぼしたことはあったとは思うけれど、もう一度やり直したいことはないかなぁ。その時々で結構苦労しながら進んできたので、もう一度苦労するのは嫌だと思う。
 でも、タイムループしていると知って「仕事のクオリティがあげられる」と喜んで仕事に打ち込む主人公の価値観には笑えるけれど共感してしまう。こういう主人公って、今まであまり見なかった気がするので、なんか嬉しい♪(今までのありがち設定だと、タイムループに気づいたら、仕事なんて一番にさぼり出すイメージ。)

 最終的に、無事に11月1日がやってきて、「よかった~ヾ(*´∀`*)ノ」と喜んでエンディングロールを眺めて、それも終わって、「いい映画だった♪」みたいに思っていたら…
 最後の最後に、もう一度パソコンの画面を観る主人公、吉川朱海(円井わん)。
 主人公「え?」(画面を見て、少し驚いた様子)
 ニコニコと近づいてくる、メガネをかけた後輩、村田(三河悠冴 )。
 村田「お」
 他の同僚達も、主人公のそばに集まってくる。同僚が集まっている中、主人公より先にタイムループに気づいて村田とタイムループを繰り返していたという後輩、遠藤(長村航希)だけがいなかった。ということは、遠藤からのメールか何かか?
 みんなニコニコしているし、これはハッピーエンドの続き…だよね?と思ったけれど…
 「これ、どこ?(画面の文字を読んでいる感じで)スペインの、ロンダ?…マニアックな場所だなぁ」
 と、部長(マキタスポーツ)。
 村田「はじめの頃、さっさと運命の人探しに行っちゃったんですよ。むちゃくちゃ探して見つけたみたいで」
 一同笑う。
 そんな中、主人公の携帯、バイブで鳴り、携帯を手に取って画面を見て主人公が無言で少しかたまる。と、ともに暗転。おしまい。 
 
 「はじめの頃」?「はじめの頃」って?なんか、何回もタイムループしている人ならではの言い方っぽさがあるけれど?
 と、?マークでいっぱいになっている状態だったのに、そのまま暗転。映画は終わり。「まだ何かある?」と思えども、明かりがついて、みんな席を立って出て行って…
 「何?何だったの?」
 と思い…「そうだ!パンフレット買えば、何かヒントが書いてあるはず♪」
 と、売店へ~
 が、な、な、なんと、パンフレットがナイ!
 売店の店員さんに聞こうとしたら、同じような人が多いのか、貼り紙があった。
<「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」のパンフレットの取り扱いはありません>
 「えーっ…」
 まさに、「えーっ」という気分。
 もう一度タイムループして映画を観たくなった。

 最後の意味って、何?
 パンフレットもナイって…
 何??この潔さ!
 カッコイイ!
 でも、ホント、また観たくなる!

 最後、主人公のパソコンを囲んでいた中にはいなかった人が、失恋してスペインに行って、写真送ってきた感じ?ということは、そこにいなかった人が主人公になった世界線?
 ということは…映画の中で、10月の最終週を村田と一緒にタイムループを繰り返していたという後輩、遠藤(長村航希)が主人公?映画の中で、平さんという先輩に「遠藤だって、恋人探したいし」って言われていた…つまり、「遠藤が後悔していること」=「仕事ばかりしていないで、恋人を見つけたかった」!ということで、次のタイムループの主人公は、遠藤。遠藤が恋人を見つけるまで抜け出せないタイムループが、始まってしまったのでは?

 「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」で検索してみたけれど、最後の場面の考察については、私の検索能力では見つけられなかった…。
 仕方ないので、とりあえず、私なりの考察を書いてみる。このマイナーな映画を観終わって、私と同じようにモヤモヤした思いを抱えた、どこかの誰かの目にとまってくれたらいいなぁ~と思って。

 今回の映画のタイムループでは、結局、マキタスポーツ演じる「部長」がタイムループの主人公。主人公の「やり残した」という後悔の想いがタイムループを引き起こしていた、というオチ。
 でも、その部長の「やり残し」が「完成」するように手伝った、同じ部署の人達それぞれにも「やり残した」「やり直したい」ことはありそうだ。誰をタイムループの主人公とするか、で、スピンオフのように、あの部署の人数分、「やり残したことをやり遂げるためのタイムループ」はありえるのではないかと思う。
 ということで、もしかしたら、「部長のやり残しをやり遂げるための一週間」として、10月の最終週のタイムループは終わって無事に11月に突入したけれど、11月の第一週は、遠藤の「やり残したこと(恋人探し)をやり遂げるため」として、解決する問題が変わった新たなタイムループが始まってしまったのではないか?と思う。
 だとすると…
 これから先も一人一人の想いを果たすためにタイムループし続ける~途方もない回数やり直すことになるのか?…ホント、気が遠くなる…でも、このメンバーでわちゃわちゃやるのは、ちょっと面白そうな感じもする。終わらない文化祭のような感じで☆

 映画の中に出てくる漫画も、味があってよかったし、ストーリーもよかった。映画の中でも言われていたように「意外と深い」。考えさせられた。絶対パンフに収録されていると思ったのに、パンフ自体がナイというのが、残念。(でも、バッサリとナシにするのは、それはそれでカッコイイ)またあの漫画を読みたいのなら、また映画を観に行くしかないのか。

 思えば、映画を観終わった後に「アレはどうだったんだろう?」ってモヤモヤ考える時間って、なかなかなかった。終わった後も考え続けられる、というのは、ある意味お得な映画なのかもしれない。
 今回は一人で観たけれど、誰かと一緒に観て、どう思ったか話してみたい映画でもあった。

関連…竹林亮監督「14歳の栞」

 私は、この監督が以前撮った映画、長編デビュー作「14歳の栞」も、2021年に観ていた。ちょうど、勤務する学校が変わって中学生担当になる直前に観た覚えがある。
 上映期間が短い映画だったので、急いで観に行った記憶がある。
 ドキュメンタリーではあったけれど、ドキュメンタリーであるからこそ、監督の手腕がいきてくる作品だと思った。
 そして、すごくリアル&リアルの切り取り方にセンスを感じた。
 登場する35人の生徒達のうちの一人として、車椅子を使っている生徒も出てくるのだけれど、「いい話っぽい感じ」では終わらせないささくれも描く感じで、なおかつほどよくリアルを取り上げる感じが、よかった。センスがいい監督、という感じがした。
 それぞれの生徒の切り取り方もよかったのだけれど、一番記憶に残っているのは最後に桜並木を歩いて行く生徒達をドローン撮影した映像。とても美しかったし、春のひととき咲き誇る桜の花が満開な様子が、まさに「14歳」という感じがして、映画館の大画面で観るのにふさわしい映像だった。


↑「14歳の栞」チラシおもて
↑「14歳の栞」チラシ裏

 「14歳の栞」「MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない」の二作品、ふり幅がスゴイ監督な感じがする。でも、両方ともイイというのもスゴイ。
 次回作はどんな世界をみせてくれるのか、楽しみ♪

追記…なんと2/17から配信していた!

 昨年10月に公開されて以来ロングラン上映されてきたとはいえ、年も変わってもう2月。次々と上映終了となっていく中、もう一度観に行ける映画館を検索していたら…
 な、な、なんと、2/17からU-NEXTで配信されていた!
 画面はテレビで小さくなっちゃうけれど、家で家族と観ることができる!一人でリピートもできる!タイムループしなくても、最後の謎シーンも、何回でも観て考察できる!
 \(^o^)/ 
 さっそく今週末にでも、観てみよう、っと☆

さらに追記…円盤化発売予定まで!

 さらに検索していたら…
 なんと、円盤化して発売することまで決定していた!ビックリ!
 4/28(金)発売みたい。

 仕様は…

 ▶︎ラインナップ
Blu-ray豪華版(初回生産限定)
Blu-ray/DVD通常版

▶︎特典
豪華版:部長の“アレ”を収録したブックレット(60P予定)&ステッカー封入+三方背BOX仕様🕊
通常版:部長の“アレ”(28P予定)封入
共通:コメンタリー、メイキング、予告編

 部長のアレ、って…ページ数も28Pってあるし、きっと部長の(というか部署のみんなで仕上げた)マンガ…ですよね?コレが、映画に出てくる「ムー」のグリーンダイヤモンド特集ページとか、部長がいつも小脇に抱えているマンガ雑誌とかだったら、怒る。というか、買わない。
 部長のマンガが入っているなら、ほしいなぁ…。
 でも、あくまで「アレ」としか書いていないので、それは確定できないかなぁ…。
 これは、「アレ」が何なのか、少し様子を観てみようかなぁσ(^◇^;)

さらにさらに追記…U-NEXT配信で繰り返し観た!

 U-NEXTの配信、399円だったし、観てみた!
 何より、家族に一緒に観てもらって、最後の場面、どう思うか聞いてみたかった&最後の場面、油断して眺めていたので、もう一度ちゃんと観て考察してみたかった。
 結果…私の考察は変わらず、「今度は、11月の第一週が繰り返されるループに入ったのではないか?」ということ。もしかしたら、「スペインのロンダ」が「ハト」と同じようなキーワードになるのかも?
 一緒に観た夫は「そこまで考えなかったよ~休暇とって遊びに行っているんじゃないの?」とのこと。
 でも、そんなことをわざわざ最後の最後に入れる必要ある?それなら、主人公が彼氏とどうなったのか入れる方が、まだ本筋と合っていると思うけれど?と反論してみると、あっさり、「確かにね~じゃあ、そうかも?」と主張をひるがえしていた。…うーん…最後の場面について、考察している人は、他にいないのか?違う考えも聞いてみたい!
 
 でも、もう一度フルで観て、その後に最後の場面を何回か観て~やっぱり何回観ても面白いし、後半はしんみりするし…いい映画だなぁ…と思った。

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