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SEKAI NO OWARI 「銀河街の悪夢」~夢という悪夢~



最近、見返したライブのDVDがあります。



「SEKAI NO OWARI The Colors」。



このライブは2019年のツアーの公演をDVD化したもので、セカオワの代名詞であるファンタジー要素を少し減少させ、現代社会が抱える問題や自分自身が抱える問題など、非常に対自的な内容になっています。



そのライブのアンコールの2曲目、その曲についてのMCが行われた後、「銀河街の悪夢」が演奏されました。



この曲はシングルにはなっておらず、メッセージ性が強いため、ライブで頻繁に演奏されずかなりレアな選曲になりました。




今回なぜこの曲を取り上げたかというと、この曲こそ未来に受け継がれるべき現代の応援歌であると考えているからです。



みなさんが想像する応援歌ってどのようなものでしょうか??



認知度が高いものは、「栄光の架橋」、「負けないで」、「Hero」とかでしょうか。



あくまで私の感想なのですが、


いやアスリートとして生活してるわけじゃないねん。




どういうことかというと、「負けるな」や「進め」という歌詞はもちろんスポーツを職業とする方、もちろん様々な職場で働く人の背中を押すことは確かです。



ただ、音楽に関わらず何か自分以外からの助けが欲しい時って、何かに頑張っている時だけでしょうか??



例えば、私たち身近な場面だと体調が悪く家で寝込んでいなければいけない時。



2020年外出できず家にいなければいけなかった時。



もう少し視野を広げると学校がつらくて行けない人。



何かに挑戦しようとしたけどその前にはじき出されてしまった人。



このような場面、人達こそ、歌詞の力が必要な時がある。



頑張りたいのに頑張れない時。


そのMCでボーカル深瀬さんは、

「その人が怠けているように見えても、怠けているのではなくて、頑張りたくても頑張れないだけなんじゃないか。そういう人がいたら少しでもそう思ってくれたら嬉しいです。」


と言っていました。


この曲は、全体を通して暗い時代を過ごした10代の深瀬さん自身の経験が書かれています。



精神病院に通う毎日、何か始めて見たいけど今日も何もできなかったという主人公の内面がずっと描かれています。



この曲は

「明日に住み着いてる幻覚の名前は「希望」というアレです」


という歌詞から始まります。



そして

「だって昨日も一昨日も変わろうとしてたけど今日も僕は変われないまま今日が終わってく」という歌詞があり、


「明日また起きたら何か始めてみよう」


という言葉が一番と二番に繰り返されます。



そして三番、曲の最終盤に


「明日を夢見るから 今日が変わらないんだ 僕らが動かせるのは今日だけなんだ」


という言葉に変わります。



平たくいえば未来じゃなくて今が大事、というメッセージですね。



少し深く掘り下げると、その苦しい経験を書いたうえでそのメッセージを歌詞に含めたのは、苦しい時はその状況を変えるために計画を立てて何かを行おうとするけど、あまりに未来にゆだねすぎると何も変わらないから、今できることから、その計画に今からできることを入れて考えようということなのかなと思いました。



現代はデバイス一つでカレンダーが管理出来て、飛び回る情報から色んな人がどんな人生を歩んできたかがすぐに調べることができる時代です。



だからこそ、希望や夢を過度に考えたくなるけど、本当に自分にとって良いことは今を考えること、今を変えていくこと。



未来志向になりがちな我々の中にある銀河のように煌めく「明日」という夢こそ、「悪夢」になり得るのでしょうか。




悪夢を見るくらいだったら、夢を見ずに今を楽しく変えていきたいですね。




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