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ディズニーと遊園地のための国 〜ファンタジーランドの歴史 その1〜

どうも。夏の東京ディズニーリゾートの情報が色々出てきましたね、みつきです。

さて今日はちょっと前から話してた東京ディズニーランドのエリアシリーズで「ファンタジーランド」について話していこうと思います。パークの中でも数々のディズニーキャラクターが登場する夢に溢れた場所ですね。なお過去に話した他のエリアについては以下の記事をご覧ください。

このエリアは今から60年以上にオープンしたカリフォルニアの初代「ディズニーランド」の時代から存在しました。ここで当時のディズニーランドに存在したエリアの名前を羅列しておきましょう。

  • メインストリートUSA

  • アドベンチャーランド

  • フロンティアランド

  • ファンタジーランド

  • トゥモローランド

いくつか聞き慣れない名前のエリアがありますが、「メインストリートUSA」は東京ディズニーランドのワールドバザール、「フロンティアランド」はウエスタンランドと同じエリアと思っていただければ大丈夫です。なお「クリッターカントリー」や「トゥーンタウン」は国内外共にパークの開園後に追加されたアトラクションなので、初代ディズニーランドからエリア構成は東京ディズニーランドからあまり変わってないことがお分かりいただけるんじゃないでしょうか。

その上でお話ししたいのが「当時のディズニーランドにおいてディズニーキャラクターに会えるアトラクションが体験できるような場所はファンタジーランドしか無かった」ということです。アドベンチャーランドは実際の自然や動物をテーマにした探検の国だし、フロンティアランドは19世紀後半に実際に存在した西部開拓時代のアメリカを再現したエリアで、トゥモローランドは今後数十年後に実現するであろう未来のアメリカの技術を体験できるエリアとなっており、何処にもディズニーキャラクターが登場できるような余地は無かったのです。その後60年以上の間にパーク中で何度も変革が行われてきたので、現在のディズニーランドではどのエリアでも様々なディズニーキャラクターに会うことができます。良くも悪くもね。

ともかくディズニーランドという名前でありながらディズニーキャラクターにはあまり重点を置いていないディズニーランドにおいて、当時からいつの時代も変わらない「ディズニーのキャラクターに会いたい」というゲストの夢を叶えるために作られたエリアがファンタジーランドでした。さらには当時はディズニーランドのような”特定の非現実的な世界を再現した世界を楽しめるレジャー施設”である「テーマパーク」は前例が無く、ディズニーランドに乗り物や機械の動きによる”遊園地的”な楽しみを求めてきたゲストの欲求に応えるのもファンタジーランドの役目でした。それではここで開園したばかりの1950年代のディズニーランドのアトラクションをざっと見てみましょ。

はい、いくつか聞き慣れないもがあるかもしれませんが、ティーカップに乗って回転する「マッド・ティーパーティー」、メリーゴーラウンドの「キングアーサー・カルーセル」、今でも大人気の「空飛ぶダンボ」なんかは遊園地的アトラクションの代表ですね。さらにディズニーパークには乗り物に乗って屋内空間に作られた世界を巡るダークライドという代表的なアトラクションがありますが、これも初期のディズニーランドにはファンタジーランドにしかありませんでした。上の表の「白雪姫の冒険」「ピーターパン空の旅」「トード氏のワイルド・ライド」なんかが該当しますね。

画像出典:Opening Day to Today: ‘The New Fantasyland’ at Disneyland Park | Disney Parks Blog
https://disneyparks.disney.go.com/blog/2016/07/opening-day-to-today-the-new-fantasyland-at-disneyland-park/

なお当時からファンタジーランドの世界観は曖昧で、お城の周りにはテント風の屋根が付けられた建物が並んでいると思いきや、その隣にはダンボが空を飛んでいたり、ミニチュアで再現されたディズニー作品の世界を巡るボートライドがあったりしました。この曖昧さ故に他のエリアの配置が難しそうなアトラクションが導入されるのも、今も昔もファンタジーランドでよく見られる光景ですね。

そんな今とあまり変わらないように見えるファンタジーランドですが、この60年以上の間にいくつかの変更が行われてきました。最初のものは1983年に米ディズニーランドで行われた「ニュー・ファンタジーランド」と呼ばれる大規模リニューアルです。このリニューアルでは当時オープンから30年近くが経っていた「白雪姫の冒険」や「ピーターパン空の旅」といった既存のアトラクションの内容が大幅に見直され、キャラクターの登場回数の増加や演出強化が行われました。

"Peter Pans Flight, Fantasyland, Disneyland, Anaheim, California" by Ken Lund is licensed under CC BY-SA 2.0.

そして最も見るからに手が加えられたのはアトラクションの外観で、それぞれのアトラクションの内容に沿ったものに変更されました。具体的には白雪姫の冒険なら継母のお城風の建物、ピーターパン空の旅ならビッグベンのような時計塔の建物といった感じです。なおこのリニューアルのセレモニーの時にはパークの中心の眠れる森の美女の前の跳ね橋が上げられました。そうなんです、あそこにある橋は羽橋になっていて上げることができるんです。まぁ過去に上がったことはディズニーランドが開園した時とこの時だけしかないようですが。

"Sleeping Beauty Castle" by HarshLight is licensed under CC BY 2.0.

さてこのリニューアルが行われた1983年という年、勘の良い方なら気がつくかもしれませんが、そう、東京ディズニーランドが開園したのと同じ年ですね。実は東京ディズニーランドでもお馴染みの「ピノキオの冒険旅行」はこのニュー・ファンタジーランドの目玉としてオープンしたのですが、スケジュールの関係でちょっとだけ早く東京ディズニーランドと同時にオープンしたという経緯があります。その名残と言ってはなんですが、東京ディズニーランドの白雪姫と七人のこびとやピーターパン空の旅はテント風の外観になっているのに対し、ピノキオの冒険旅行の外観は人形劇の劇場風となっています。こうやって因果関係らしきものが見えてくるのもディズニーパークの醍醐味ですね。

さて今日は区切りがいいのでここまで、皆さんご存知のあのニュー・ファンタジーランドについてはまた別の機会にお話しします。ではでは。

〜note限定おまけ〜

東京ディズニーランドのファンタジーランドは、フロリダにあるマジック・キングダムのファンタジーランドをいくつか模倣した作りになっています。この2つのファンタジーランドを比べてみるとちょっと面白いことが分かります。下の画像をご覧ください。

上がマジック・キングダムの衛生写真、下が東京ディズニーランドの衛生写真、どちらのパークにもシンデレラ城があります(画像はGoogle Earthより)

こちら見比べていただく、と建物間の距離の違いはあれどかなり似通ったエリアになっているのがお分かりいただけると思います。さらにシンデレラ城の横後ろにある2つの建物をよーく見ると、建物全体が左右反転していることが分かりますでしょうか。完全に全てが左右反転しているわけでは無いんですが、こういった所も複数のディズニーパークを見比べるときの見所の1つですね。

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