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ピーター・ゴドフリー=スミス「メタゾアの心身問題 動物の生活と心の誕生」

カイメンから始まる主観性の起源探しの旅。
前著「タコの心身問題」よりは少し抽象度が高いレイヤーでの議論。

経験の進化における鍵となるポイント:

1.進化の過程で「経験」は一気に登場するのではなく時間をかけてじわじわ現れる「漸進説」
2.「いまここ」からの解放
3.リズムや同期、場のような脳の大規模動的特性とシグナル伝達の多階層性
4.主観性と行為者性
5.分離脳と統一性
6.認知と行為の役割が不確実性の低減というクラークやフリストンらFEPの主張とは異なる
7.ドゥアンヌらGWS理論とも異なる立ち位置
8.心のアップ・ダウンロードは不可能、生体基盤以外での心の実装には否定的

本書の内容からは離れるが、5.分離脳と統一性の議論から生体半球と機械半球の接続・転写についての議論につなげることができそう。


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