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旅のおわり

恋人との旅行の話です。童貞は好きなラーメン教えてください。


恋人との旅行で大事なのは、旅のおわりを想像することだ。どんなに素晴らしい旅館に泊まって綺麗な景色を見ても、おわりが無計画だと「楽しまなければ」に追われて美しいものを美しいと感じる心の余裕も無くなってしまう。自論です。

恋人は趣味が合って付き合うパターンばかりじゃないし、互いの好き嫌いがあってお互いに尊重したいから、そもそも行き先を決めるのが難しい。相手の懐事情もどう過ごしたいかも、知らないままお互いに気遣いばかりでいよいよ悩むばかりだ。足るを知れないことは怖い。旅行中も「相手は楽しんでいるだろうか?」と気になったり、帰りの電車の中で上の空な相手の顔を見て落胆したりする。わたしは旅行中恋人の顔色気にしすぎで体調崩して吐いたことが、覚えてる限り3回ある。

旅行会社に「どこに行けばいいかわからない」と悩んで相談にくる恋人達には、そもそもこの旅行でどうやって心を満たしたいのか?とそこから聞き出すことになるので、初対面でも構わず「癒されたい?」「ロマンチックな雰囲気が欲しい?」などと聞く羽目になる。人は考える葦であるそうなので、こんなことを改めて聞かれなくても、旅行に行きたいと思った時点でそれぞれ満たされない心を埋めたいと思う気持ちや悩みがあるのだろうが、それを聞かないままではどこを提案しようが決め手に欠く。だから、恥ずかしいこと聞いてごめんなさい、と思いながらも聞く。

わたしは悪徳だが、不思議なことに、一旦自分の気持ちを言語化してみるとそれがストーリーになり急に納得感が出てきて、例え旅館で不手際があっても、天気が悪くても、笑い話にできてしまう。恋人と旅行をするときは「旅のおわり」を話すといい。恋人であってもなかなか話せない自分の話を、旅に乗じて素直に話してみることであなたは救われます。救世主より。

自分で行き先を決めるのが心配ならばプロを頼ると良い。エリアと予算があれば、あとは雰囲気や年代に合わせて提案することになるからハズレを引くこと少ないだろうし、第三者からの提案なら、例え旅行中相手の機嫌が悪くなるようなことがあっても不要な「ごめんね」を言わずに済む。「お昼はどこで食べたら良いですかね」「チェックインするまでの時間で見られるところありますかね」とか聞いてみて、具体性が増せば増すほど安心する。安心を買え。探り合いや心配を捨ててから旅に出よ。

一旦旅に出れば、長い時間を共に過ごし、相手のことをもっと知ることになる。長い時間を共有することで緊張が緩んで、「いらんこと」言ってしまったりする。逆に緊張して疲れてしまったりもする。乏しいわたしの経験則だが、男女の旅は「どこに行くか」ってそこまで重要じゃなくて、相手を信頼して穏やかに過ごすことができるかが大事だ。予定は詰めないこと。一度行ったところにまた行くのもいいと思います。「連れて行きたいところがあってさ」ってマウント取れ。

旅行相談に来る男女、駆け落ちでもするんか!ってくらいお忍び感を出してくるけど、そんなに恥ずかしがる事はない。旅は恋人の価値観を知りあなたを素直にする一助になるでしょう。不埒な目的を持ってるみたいな閉塞感もうやめたいよね。恋人大事だし。笑顔で露天風呂付き客室に泊まって欲しい。

あなたと恋人の旅のおわりが美しいものでありますように!

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