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2020年3月の記事一覧
寂しいのち、曇りの兎 β
よく澄んだ空に登る太陽が少し傾いてきた頃、僕はカッターシャツにアイロンを掛けながら大学の後輩であるウサギについて考えていた。12年前、彼女は夏のよく晴れた日に降り注いだ雨のように僕の前から跡も残さず消えた。
彼女とは大学の喫煙所で知り合った。その喫煙所はサークル棟としてしか活用されてない7号館の近くにあり、ずっとサークル室に入り浸ってる大学に来ているだけの学生か、意図的に少し独りになりたいと
よく澄んだ空に登る太陽が少し傾いてきた頃、僕はカッターシャツにアイロンを掛けながら大学の後輩であるウサギについて考えていた。12年前、彼女は夏のよく晴れた日に降り注いだ雨のように僕の前から跡も残さず消えた。
彼女とは大学の喫煙所で知り合った。その喫煙所はサークル棟としてしか活用されてない7号館の近くにあり、ずっとサークル室に入り浸ってる大学に来ているだけの学生か、意図的に少し独りになりたいと