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留学中どうやって英語力を伸ばしたか

私は19歳の頃からロンドンにかれこれ10回ほど、一週間程度の旅行に毎年行っていたし、独自で勉強していたにも関わらず、リスニングとスピーキングが全く上達しなかった。

大学のゼミで英語でプレゼン資料を作ったり、発表することはできても、現地の人とコミュニケーションを取るのはすごく難しかった。


私は結局その後、ロンドンに語学留学した。29歳の時だった。

ビザの関係上、11ヶ月の滞在。その間、語学学校と専門学校に行った。


語学学校では下から2番目のクラスからスタート。

授業は簡単すぎる内容だったが、知らない内容も多かった。

知らないというか実用的な英語が多かったので、その日授業で学んだフレーズを授業後、街で使う、という練習を繰り返した。


カフェで盗み聞き

私はとにかくリスニングが弱かった。

Cafe NEROに行くのが好きだったのに、Cafe NEROで毎度ホットチョコレートを頼んだ時に、店員さんに質問される言葉が全くわからなかった。

何度聞いてもわからない。

でも恥ずかしいから、わかったふりをしてYesとかNoとかをランダムに答えていた。

なんと言っているのか知りたい。


そこで私はCafe NEROのレジすぐ隣の席に座り、店員さんとお客さんの会話を盗み聞きすることにした。

ひたすら聞き続けた。どんなオーダーをしていて、店員さんは何をお客さんに聞いているのか。

ひたすら、ひたすら、聞き続けて、お客さんが使っているフレーズをノートにメモした。


そしてついに店員さんがなんと言っているのかがわかった。

「Cream on top?」

(ホイップクリームを上に乗せますか?)

そうか、私はいつもホットチョコレートを頼むから、ホイップクリームの有無を聞かれていたのか。

この文章を聞き取れた時、すごく嬉しかったのを覚えている。

短い言葉、でも早い。あぁやっと、理解できた。


そして私はCafe NEROで、指差しオーダーしたり「this this」というオーダー方法から、「Can I have a hot chocolate please?」という文章が言えるようになり、「Cream on top?」に対しても「Yes please」と答えられるようになったのだ。


部屋探しで恐れずに電話をかけまくる勇気

留学中、私は部屋探しをしていた。

広告を見てはViewingに行ったのだが、メール(もしかしたらSMSだったかもしれない)で連絡をするのが私の定番だった。

電話は怖い。リスニングが苦手な私は常に文章でやり取りをしていた。

Viewingの時間は語学学校の授業が終わって、ランチが終わって、ちょっと一息ついた時くらいかな?そんな感じで設定していた。


ある日、Wimbledonにある一軒家にViewingに行ったところ、大家であるイギリス人ではなく、そこの2階に住んでいた学生が待っていた。

そして出会ってすぐ言われた。

「あなたの30分前に来たフランス人の女の子がもう部屋をここに決めたって。だからあなたには貸せないの、ごめんね。」

衝撃だった。まだ部屋を見てもないのに。
30分の差で部屋を取られたの!?うそ!

「まぁどうしても見たかったら部屋だけ見せてあげるわよ。でももう予約されてるからね」


そして見学した部屋は私が求めていたような部屋だった。

この部屋を逃したくないからと、私は「今ここで現金でデポジットを払うから私にこの部屋をください!」と交渉した。

すると彼女は言った。

「それはできないわ、彼女が先に来たんですもの。
あのね、いいことを教えてあげる。あなたは私にメールで連絡してきた。でものそのやりとりの間に、さっきのフランス人の彼女は電話をしてきて、すぐ部屋を見にきたのよ。
あなたは電話をしてこなかったし、すぐViewingに来なかった。
Viewingは電話しなきゃダメよ。メールでは遅いわ。


頭をどかーんを殴られたような衝撃だった。

で、電話がそんなに大事なのか・・・

でもでもでもでも、英語が怖い。英語を聞くのも話すのも怖い。電話代も高い。

私は彼女に愚痴った。

すると彼女は親切にも教えてくれた。

「あのね、電話なんていつも同じフレーズなのよ。
あなたの部屋に興味があります、Viewingに行ってもいいですか?私はすぐに行けます。それだけよ。」

「あとあなた何のSIMカード使ってるの?
え?O2?ダメダメこれは高いやつだから、ThreeのこのSIMカードを買いなさい。
通話料安いからかけまくっても大丈夫。
いい?Threeのお店に行って、このSIMカードをくださいって言えばいいだけだからね。」


彼女は英語もままならない、悔しくて泣きじゃくっている私に部屋探しのハックを教えてくれた。

そして電話番号を交換して、その後も連絡を取り続けた。

結局彼女のフラットメイトにはなれなかったけど、彼女とは頻繁に遊んで、たくさんのことを教えてもらった。
今でもいい友人だ。


その後私は果敢に英語で電話をかけ続け、Viewingにたくさん行き、最終的に納得のいく部屋を見つけることができた。

この体験で私は臆せずに英語で電話をかける勇気を学んだし、部屋探しのハックも学んだ。


英語は座学より体験して覚える

ロンドン留学時代に英語が伸びたのは、日本で本を使って勉強していただけではできなかった、リスニングとスピーキングを鍛えることができたからだ。

ただ、そうは言っても仕事で使えるほどのレベルにはならなかったし、その後の仕事は英語を全く使わない仕事を数年していた。


その後何年かしてオランダに引っ越し、現地企業で英語を使って仕事をしてから、ぐんと英語力が伸びた。

ネイティブが周りにいること、ネイティブが使う英語を真似することで英語は伸びていったと思う。

私の場合、座学や海外旅行だけでは英語は伸びなかった。

大切だったのは恥ずかしがらないことや、怖がらないこと、わからないことをわからないと口に出すこと、そういうメンタル面だったんだと思う。






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