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オランダの結婚式はとてもオランダ人らしかった件

先週末、義理の弟の結婚式に参加した。日本の結婚式しか出席したことがない私には新鮮なことが多すぎかつオランダ人らしさあふれる結婚式だったのでここに書き留めたい。


オランダ人のセミフォーマルは日本での私服レベル

まず服装だ。私は日本の結婚式できるようなテロテロの素材のロングドレスにショールを巻きヒールを履いた。彼氏はスーツにネクタイ、ジレも着た。

だがこの私たちの格好は結婚式の中では一番といっていいくらいフォーマルで逆に浮くほどであった。

男性は基本シャツにズボン。ネクタイをしていたら結構ちゃんとしているレベルでジャケットを着る人は稀。ジーンズの人も多かった。

女性はワンピースを着ていたらいい方で、ワンピースといっても普段着のようなワンピースで、半分くらいの人はシャツにズボンであった。


花嫁のメイクは友達がする

一生に一度の結婚式、ヘアメイクさんが自分を美しく見せてくれる素晴らしい日本の結婚式。

対してオランダの結婚式は友達が自宅で施す。まじかよ?上手にヘアメイクされていたけれども。

家の改装などでもお金をかけないかつ友達や家族でなんでも済ましてプロに頼らないオランダ人らしいところである。


ご祝儀は多くて一万円

ご祝儀はあげなくてもいいがあげるとしても五千円から一万円でいいオランダ。

なんてお財布に優しいんだろう。

結婚式の招待状に欲しいものを書いてあり、それにちなんだものを参列者が持ち寄るかたち。

彼らは子供が生まれるので子供のものを何か、とリクエストしていたのでぬいぐるみとかベビーパウダーとかをあげていた。

それも高いものではなくその辺のスーパーで買えるようなものである。

日本で三万払っていたことや、それプラス、ブランド物のキッチン用具を友達とお金を出し合ってプレゼントしていた頃が懐かしい。


Tinderでの出会いを馴れ初めとして紹介する

弟と嫁はTinderという誰もが知っているマッチングアプリで知り合った。

Tinderでスワイプをしていたらなんで素敵な人なの!と彼女は彼に一目惚れ、マッチしてそこから交際に発展〜などと事細かに馴れ初めを発表。それをうんうんと聞く参列者。

日本ではマッチングアプリで知り合ったというのは隠す文化で、わざわざ知り合いの紹介などといい方を変えて馴れ初めを発表する。

家族などにもマッチングアプリで知り合ったことを隠すらしい。マッチングアプリに対する偏見があるらしい。

オランダはマッチングアプリは普通だし、みんなマッチングアプリで知り合ったと普通に言う。


いつのまにか始まっていたケーキ入刀

日本でケーキ入刀といえば結婚式の中でも目玉イベント。さぁ、ケーキ入刀をしますよ!と司会の人が声高らかに参列者を集め、ケーキ入刀のシーンをみんなで写真を撮りまくるし、盛大な音楽も流れる。

私が出席したオランダの結婚式では、家族としゃべっていて気づいたらもうケーキ入刀が終わっていたので驚いた。

なんの合図も音楽もなかったやんけ!とツッコミを入れたが、なんとかファーストバイトだけは見ることができ、そのあとは淡々と係の人がケーキを切り分けて配ってくれた。


席順がない

お茶の時間にしろディナータイムにしろ、席順が決まっていないのには驚いた。

家族はみんな同じテーブルなのかと思ったらそれぞれが好きな席に座っていた。椅子取りゲームかと思ったわ。

一応ディナータイムは花嫁花婿のテーブルに両親が座るとなっていたがそれ以外はかなり自由に席についていた。

ご家族はどうぞ優先で、とかいう遠慮や譲り合いや精神などないオランダ人は人のことを考えずに好きな席に座る。

食べ終わったら席移動もありで最終的に皆最初とは違う席に着いていた。


ディナーはビュッフェ

日本の結婚式といえば席に着いたら次々と食事が運ばれてくる。ご馳走でふだん食べられないものばかり。食事をかなり楽しむスタイルだ。

対してオランダの結婚式はなんとビュッフェ。花嫁花婿も自ら食事を取りに行くスタイル。

なんの段取りもなく、各自がわらわらと立ち上がり並んで好きなものを食べる。

しかも食事が何かすごくスペシャルかというとそうでもなく、結局オランダ人が大好きな芋とか芋とかパンとかハムとかチーズとか芋とかスナックとかにちょっとスペシャルなメインがあった安定のオランダクオリティであった。

ディナータイムは談笑の時間なので花嫁も花婿ももりもり食べまくっていた。日本では主役の二人はあまり食べれず式後に食べるのが普通だと思う。


メッセージカードに全然協力しない人々

式場の入り口にはメッセージカードのブースがあり、参加者は一言メッセージと名前を書いて箱に入れる、というしくみになっていた。

私はもちろん書いたが他の人は全然書かず、式を仕切っていた新郎新婦の友達もそこにいるのに全然メッセージを書くことを促さず。

もっと促して皆に書いてもらえよ!とツッコミを入れたくなるくらいメッセージカードの箱がスカスカだったので心許ない気持ちになった。

日本だったら絶対全員書くように促すし人々も必ず書くはずだ。

ルールはあっても守らないオランダ人。はっきりと一人一人書いてください!とお願いしない以上、やらないのである。


ダンスパーティにはDJ

オランダでパーティといえばDJだ。日本でDJに会ったことはナイトクラブしかないが、オランダには何かにつけてDJが登場し音楽をかけてくれるのだ。

基本的にDJが選曲してくれるのだがリクエストカードもあり、自分が聞きたい、踊りたい音楽があればリクエストすることができた。

一番盛り上がったのはオランダ人の古くて有名な曲。やはりオランダ人はオランダが大好きなのだ。


式を重んじる日本とそうでないオランダ

結局この日本とオランダの違いは式を重んじるかそうでないかだと思う。

日本は学校に入学する時も入学式というものがあるが、オランダでは4歳を迎えたら学校にいくとなっているのでバラバラと入学する。

オランダで人生の節々で式があるかというと日本みたいにないのである。

結婚式でも気合いを入れすぎず自然体。無理してご祝儀を包む必要もなくプレゼントも素朴なもの。

結婚式にお金をかけるよりは他のことにお金を使うという合理主義。

私はこの自然体なオランダの結婚式はいいなと思った。自分たちらしい結婚式を自分たちのできる範囲でプランして、参列者もできる範囲のことをする。

その気楽な結婚式がとてもおもしろかった。



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