HEAVY METALと出会ってからの壮大な人生をここに記す #4
前回 「#3」はこちらから⬇️
メタルと出会って3年が過ぎ
1986年、私は高校に入学した。
ブリティッシュメタルから入門した私にとって
80年代半ばに隆盛を誇ったL.A.メタルは
やはりどこか違和感と言うか
物足りなさを感じていた。
RATT、QUIET RIOT 、TWISTED SISTER
BLACK'N' BLUE 、GREAT WHITE、KEEL
STRYPER(も含まれていた?)…etc
様々なバンドを聴く機会に恵まれはしたが
メジャーどころの上記バンドですら
そこまで深く聴き込まなかった
(後にグレイト・ホワイトにはハマる)
L.A.メタルの枠の中
数あるバンドたちで主に聴いていたのは
W.A.S.P.とモトリー・クルーくらい
そしてもう1組…
カテゴリー的にはL.A.メタルでありながら
どこか欧州的なテイストが漂っていた
あのバンド…
そう…DOKKENはかなり聴き込んだ。
代表曲「Into The Fire」などが収録された
2ndアルバム「Tooth And Nail 」が有名だが
(このアルバムも名盤)
個人的には3rdの
「Under Lock And Key」でハマった。
この曲「In My Dreams」⬆️や
どことなくNWOBHM テイストのする
「Lightnin' Strikes Again 」など
佳曲が多いアルバム。
キャッチーな歌メロなのにハードなギター
印象的なメロディアスで分厚いコーラス、と
メタル要素以上に
ロックのカッコよさに魅かれた記憶がある。
そしてドッケンは4枚目で
とんでもない"神"アルバムを
世に送り出すことになるのだが
その話はまた別の機会に。
欧州的な重さや暗さを伴うメタルと対照的な
L.A.メタルのドライでライトなイメージは
HM/HRと言うジャンルをより
大衆的な音楽へと導いてくれた印象もあるが
派手なメイクやファッション = メタル
と、言った
偏ったイメージを植え付けることにもなった
そんな気もする。
VAN HALENあたりの(当時は)中堅バンドも
アルバム「1984」のブレイクがあったせいか
ひと括りにされていたイメージだったし
どちらかと言うと泥臭いイメージの
BON JOVIあたりもこの枠に押し込まれそうな
そんな傾向もあった。
(出身は東海岸なのに)
"俺の理想のメタルはよりハードであれ!"
こんな状況に消化不良を覚え始めた私は
「BURRN!」と言う良き教科書を手に入れ
ここから自分なりに聴きたいバンドを
誰にも頼らず発掘していくようになった。
人気や売り上げであるとか誰かの薦めではなく
誌面から伝わる印象やイメージ、
そこに自分の好みや価値観を重ねる。
主な情報源は「BURRN !」と
夕方に放送されるFMの某ラジオ番組
その中のラジオ番組のひとつは
葛城ユキさんがMCで
有名なメタル系よりもむしろマニアックで
掘り出し物的なバンドをよく紹介してくれ
ありがたいことにアルバムの中から数曲、
ノーカットで流してくれた。
それをカセットテープに録音し、反芻して
これは!と言うアルバムを購入する。
月に数回、約2時間放送される
このラジオ番組がきっかけで
名前と曲が一致したバンドも多い。
そして高校に入ってしばらくした頃、
1986年は新たなムーブメントの予感が
ひしひしと伝わってきた。
それがスラッシュメタルだった。
私も例に漏れずスラッシュ系は
メタリカが初めて聴いたバンド、
「Ride The Lightning 」を1985年の冬、
中学3年の終わり頃に
バスケ部の後輩がレコードを貸してくれ
その衝撃にぶち抜かれた。
それを機にこの手の音を探し求めていた時
正に渡りに船、
葛城ユキさんはスラッシュ系のバンドを
かなり頻繁に取り上げてくれ
これぞ私の求めていた音だ!と
歓喜したものだった。
ANTHRAX、SLAYERあたりの
いわゆる四天王クラスの有名バンドはもちろん
覚えている限りでは
OVER KILL、DEATH ANGEL 、LAAZ ROKKITなど
スラッシュ系以外にも
アリス・クーパー、LIZZY BORDEN
現ACCEPTのボーカル、マーク・トーニロが
在籍していたT.T. QUICKなど
本当にこれでもか!とばかりに
マニア心をくすぐってくれた。
こうしてラジオと雑誌で得た知識をもとに
レコード店に奔走する、と言う高校生活
モテ期とは全く無縁の時代だった(笑)
このラジオ番組が聴きたいがための帰宅部で
夕方からはバンド系の仲間と集まったり、
自身もバンドマンとして活動を始めた。
このように高校に入った途端、
目覚ましい勢いで
音楽に関する環境に恵まれるようになった。
1986年は正に転機だった
そしてほどなく私は
ふたつの偉大なるバンドと出会うことになる、
それが…
MEGADETH と
HELLOWEEN だった。
このふたつのバンドを紹介してくれた
深夜のラジオ番組、
MCは誰だったか…?さすがに忘れたが
ここで流してくれた曲は今も忘れられない
メガデスは「Rattlehead」
とにかく上手い!
そしてハロウィンは
「Ride The Sky」
この疾走感とメロディ!
まだマイケル・キスクの加入前で
「守護神伝 Ⅰ」すら世に出ていない貴重な時代。
このラジオ番組を聴かなければ
この2バンドとの出会いは
間違いなくもっと後年になっていただろう。
他にもDESTRUCTION なども流してくれて
スラッシュメタルは次第に私の中で
最優先ジャンルへとなっていく。
とは言え、高校生の私にはすぐアルバムを
買いに行けるほど資金はないので
(小遣いは月にほんの4K程度)
貯金が貯まるまではしばらく
録音したラジオ番組で曲を聴きながら
想いを馳せる日々。
メタル好きのクラスメイトも格段に増え
こうして高校に入ってからは音楽に打ち込める
正に順風満帆なメタル生活が始まった。
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