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HEAVY METALと出会ってからの壮大な人生をここに記す #2

恐らく今と昔では1曲1曲に対する思い入れや
自分への浸透度は今の比ではないと思う。

現在ではレンタルにしろ中古品にしろ
アルバムは数枚単位で購入する

が、当時中学生だった80年代では
予算の関係(と言うよりは小遣いの額)で
アルバム(LP)は1年に2、3枚

カセットテープで
友人にダビングを頼むにしても月に数本

お願いするばかりでは気も引けてくる…
と、なると聴ける曲は限られる。

この頃持っていたのはほんの数10本の
カセットテープと1枚のレコード、

とにかく1曲目からラストまで何度も何度も
同じアルバムを聴く

曲名や曲順はもちろん
英詞なのに歌詞を覚えるほどで

イントロクイズをしたらすぐに正解出来る
そんな自信があった。

現在が「そうではない」と言うわけではないが
1作品に対する思い入れの大きさは
今の比ではなかったと思う。

メタルを聴き始めて1年が過ぎた頃の

1984年冬の時点でカセットもしくは
アナログ盤レコードで持っていた作品を
記憶の糸を辿りながらここに列記してみたい。
(入手順は不同で)

「KILLERS」
「THE NUMBER OF THE BEAST」
「PIECE OF MIND」
「POWERSLAVE」 
アイアン・メイデン

「BLACKOUT」 
スコーピオンズ

「RESTLESS AND WILD」 
アクセプト

「DIFENDERS OF THE FAITH」
ジューダス・プリースト

「METAL HEALTH」
クワイエット・ライオット

「月に吠える」 
オジー・オズボーン

「MIDNIGHT MADNESS」
ナイト・レンジャー

「GREAT WHITE」 
グレイト・ホワイト

「魔神伝」
W.A.S.P.

本当にこれだけだった。

この中で現在、CD、アナログ、データ、
何らかの形で手元にないのは

グレイト・ホワイトの1stアルバムのみ。

2ndアルバム以降は収集出来たのだが

レコード会社との契約問題等で
稀少価値の高い1stだけは一時期高額になり

ここにはあるであろう、と確信した

遠征時には必ず立ち寄っている
大阪のレンタル屋さんにもストックがなく
(そのお店は2021年末で閉店)

私の中でも幻の作品と化している。
(現在はほぼ定価で購入可能)

当時のグレイト・ホワイトは
後のブルース色の強いサウンドではなく

やはり時流に乗った(強制的に乗らされた?)
LAメタル寄りのサウンド

唯一の抵抗と感じらるのが
THE WHOのカバー曲「Sabstitute」が
収録されていること。 

GREAT WHITE

だがしかし当時の私にはそう言った内情や
アーティストからのメッセージらしきものを
読み取る音楽的な素養はなく

このバンドは幾つかのコレクション中の
ひとつに過ぎなかった

まだまだメタル修行時代のエピソードである。

話が逸れてしまった、

こうして少しずつメタルを知るようになって
1年半ほど経過した

1985年3月

私にとって音楽ライフのみならず
人生においても大きな転機が訪れた。

これまで暮らしていた
関西の山間にある小さな街から
四国へと転校することになった。

これまで音楽の趣味を共にしてきた
メタル好きの友人たちと別れ

新天地で再びメタル好きの誰かを
見つけなければならない。

音楽好きは多かったがその中で
ハードロック・ヘビーメタル(以下HR/HM)を
こよなく愛する人間は限られていた。

新しい友人を見つけることより
新しいメタル好きの知人を見つけること

それがどれほど大変なことか
身を以て体感してきた。

これまで友人と協力し合って
お互いにダビングしたりして情報を得て
バンドを知ってきたが

これからは自分ひとりで
アルバムのコレクションを増やさなければ…

いや、そんなことより
このジャンルについて語り合える仲間が
ひとりでも見つかるだろうか?

そんな不安を抱えながら慣れ親しんだ街を
後にしようとしている私に

同級生のひとりが餞別代わりに、と
20本ほどのカセットテープを渡してくれた。

実はその同級生とは過去にいさかいがあり
お互いずっと口を聞かない間柄になっていた

そんな彼が涙を流しながら
別れを惜しんでくれた。 

長きに渡って友達関係を断絶していたため
私がメタル好きなのを知ったのが
転校が決まってからだった、とのこと。

音楽が繋ぐ絆は仲違いした友人との関係すら
修復してくれるのだ、と

胸を熱くしながら私はこの田舎街を後にした。

そして道中、その同級生がくれたカセットを
片っ端から聴いていると…

とんでもないバンドと出会うことになった。

NO PAROLE FROM ROCK'N' ROLL

言わずと知れたグラハム・ボネット率いる
ALCATRAZZのデビュー作

上記の"持っているリスト"をご覧いただけば
おわかりかと思うが

私はRAINBOWは名前だけ知っていたが
曲は聴いたことがなかったので

グラハム・ボネットの存在も知らなかった。

もちろん彼のボーカルも凄いのだが
このアルバムには
それ以上のインパクトが・・・

このバンドにはとんでもないギタリストが
在籍していたのだ。

一体これ、どんなギターの弾き方してるんだ?

これまで聴いたこともないようなフレーズ、
凄まじい数の音符が奏でられるギターソロ、

これがイングヴェイ・マルムスティーンとの
出会いだった。


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