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JICA在外インターン:体験談・良かった点・悪かった点

こんにちは、Mitsです。

今までJICAの在外事務所インターンについて応募や選考に関する情報を書いてきました。そちらが読みたい方は以下のリンクからどうぞ。

JICA在外インターン:応募要件・倍率・内定など

JICA在外インターン:書類選考(ES)、面接の話

今回は私が参加したグアテマラ事務所インターンでの体験談と、参加してよかった事、悪かった事についてです。前回までの記事は割とJICAインターン全般に当てはまる話があると思いますが、今回の話は特に事務所によっての違いが大きくなることを留意して頂けたらと思います。


インターンの様子

私はグアテマラの小規模コーヒー農家の支援プロジェクトの策定、といったテーマでインターンをしていました。もともとは農村調査プロジェクトに携わるはずのポストだったのですが、採用者が2人いたということもあり、より関心のあるテーマを担当させてもらうことができました。

私の場合は、データを収集したりプロジェクトを考えたり、あるいは資料を作成したりといったオフィスワークが7割くらい、ヒアリング調査などの実地調査が3割くらいの割合でした。ヒアリング調査では、グアテマラのコーヒー協会やコーヒー農家の組合などを訪問し、情報収集を行いました。

最終的にはグアテマラコーヒー協会とJICA事務所それぞれにプロジェクト提案のプレゼンという形でアウトプットを行い、それとは別途、より詳しい報告書も作成しました。ちなみにヘッダーの画像はコーヒー協会でヒアリングした際に頂いたコーヒー。

ただ、この辺も完全にインターンのテーマ依存なので、例えば日本での本部インターンなんかはほぼ全てオフィスワークになるかもしれないし、逆にグアテマラ事務所で農村調査をする他のインターンの方は7割くらい農村地域に出張していました。どんな活動が多いかは募集要項のテーマを見るとなんとなく分かると思います。

他には、インターン生にもJICAが関係するイベントへの参加や見学の機会が与えられることもあります。私の場合は、JICAからグアテマラへのボランティア派遣30周年の記念式典が見学できました。その際にボランティア派遣されていた協力隊の方とも知り合えて、交流する機会もありました。

本業のインターントピックに加えてどのようなイベントに参加できそうかも募集要項にあるので、興味がある方は要チェックです。


支援体制

インターンを受け入れるということで、事務所の方でも色々と支援体制を整えてくれています。私の場合は担当の企画調査員の方がついて下さり、進捗確認のミーティングでプロジェクトを一緒に考えてくれたり、ヒアリングのために各方面にアポを取ったりと多方面にわたって支援してもらうことができました。ヒアリング調査や出張においては車の手配もお願いできます。

担当者がどれほどインターンのプロジェクトに時間を割いてくれるかは事務所やその方のスタンスだったりその時点での忙しさだったりに左右されるので、人によって違うかもしれません。ただ、自分から主体的にやりたいことを提示したうえでこんな情報が欲しい、こんなことがしたいからサポートしてほしいなど主張すれば協力してもらえるはずです。

ちなみにその年にインターンの募集をかけるかどうかは各事務所が決めます。インターンの受け入れは事務所からしてもかなりのコストなので、募集を出している時点でインターンに対して肯定的な態度がある、支援してあげようという体制があるという認識で良いはずです。

また、これも募集要項に書いてあるのですが、大体の在外インターンでは現地用の携帯電話を貸出してくれるので、SIMカードをわざわざ買わなくても何かあった際は事務所の方と連絡が取れるようになっています。担当者、所長、安全担当、健康担当の方などの番号が一通り登録されているので安心です。


休みの日の過ごし方

私は2月一杯のインターン参加で、週末は全部で3回、うち最後の1回は3連休でした。最初の週末は時差ボケが酷く、インターンの歓迎会や近郊の散策以外はほとんど宿で死んだように寝ていました。

残りの2回は泊まりで少し遠出をし、グアテマラの中の観光地に旅行していました。私のインターンのプロジェクトもそうですが、グアテマラはコーヒーが大きな輸出産業の一つになっており、観光地にはオシャレカフェが点在しています。また、グアテマラは日本に引けを取らないレベルの火山大国で自然にも恵まれており、観光地としてはかなり魅力的な国だと思います。下の写真は世界で一番美しいという話もあるアティトラン湖。

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遠出をする際は何かあったときのために事務所への申請が必要ですが、事務所の方も旅行の行き先やオススメの観光地、交通手段の情報など教えてくれるので、ガンガン相談しましょう。ちなみにグアテマラの公共バスは運転が人によってはかなり荒く、山が多いためにカーブが多いこともあり、ひどいときはビッグサンダーマウンテン以上スペースマウンテン未満くらいは揺れます。乗り物酔いがある人は酔い止めを用意しておきましょう。


良かった点

私がインターンに参加して良かったと感じる点が3つ。

1つ目は、シンプルに得られた経験です。将来国際協力分野に進みたいと考えている人にとって、JICAでインターンができるというのは大きな財産だと思います。開発の割と前線に近い環境でどのような業務がどのような人材によって行われているのかを見ることができるし、そのような人から直接話を聞くこともできます。

また、在外インターンの場合、途上国で実際にプロジェクトやリサーチをJICAの支援の下で実施できるので、自分一人の力では実現するのが難しいような実践経験を積むことができます。途上国事務所でのインターン経験は、履歴書に載った際も自身が開発分野に関心があるというエビデンスになるので、民間で働いた後に国際協力分野に転身したい人にとっては自分のキャリアプランを補強する意味でも有用だと思います。

2つ目が人脈。JICAインターンでは、JICAの職員の方と数か月の間同じ環境で仕事をすることになるので、国際協力業界の方と多くつながることができます。将来進路に悩んだ際に相談したり、あるいは人を紹介してほしい時など、インターンで得られるネットワークは価値の大きいものだと思います。

また、職員の方以外にも他のインターン生や協力隊といった知り合いも増えます。同じような年代で国際協力に関心のある人はおそらく貴重です。彼らと定期的に近況を共有するなどし、似た方向性の目標を持った仲間との接点を持ち続けることで、モチベーションの維持や情報交換など、自分のチャンスを高めることにつながると思います。

最後がグアテマラという国をよく知ることができたことです。数ヶ月間その国で勤務することで、ただ旅行するだけでは知ることのできないその国の文化や発展度合いといった要素を肌で感じることができます。当然長く住んでいる人からすれば大した期間ではないかもしれませんが、学生のうちにこれだけの期間を他の国で過ごすということは、留学にも似た側面の価値も期待できると思います。


悪かった点

悪かった、というか負担になるであろう点が2つあります。

1つ目が金銭的なコストです。在外インターンの場合は生活費補助として宿泊費が賄える程度の補助金が出ますが、インターン自体は原則無給です。また、最大の金銭的負担が航空券です。以前は一部補助が出ていたようなのですが、今回からか前回からか、いずれにしろ最近は出ないことの方が多いようです。安全面からLCCの利用が原則禁止なので、特にアフリカや中南米に行く場合はかなりお金がかかってしまいます。

2つ目が治安の問題。私がインターンをしたグアテマラではオフィスがある首都での治安がすこぶる悪く、一部の通りを除いて徒歩移動は禁止、宿泊先とオフィス間はタクシーやUberでの移動でした。歩けば10分で着くのに、Uberを使わないとけないために渋滞に巻き込まれ、移動に30分以上かかる・・・といった事もよくありました。当然追加で費用も掛かります。また、それ以上に常に神経を尖らせないといけない精神的な疲労もありました。親や友人に心配される方も多いでしょうし、治安面はインターン先を選ぶ際の一つの基準にもなるでしょう。


ここまで3記事にわたって色々と書いてきましたが、個人的な見解も多く含まれていますし他のポストには当てはまらない話も多いかもしれません。ただ、国際協力分野に興味のある方にとっては、数か月間を費やして参加してみる価値のあるインターンだと思います。

今回でJICAインターン関連の話はいったん終了ですが、もし個別に聞きたい事などあればTwitterなりで連絡いただければ答えられる範囲でお答えしようと思います。

以上、JICAインターン編でした。

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