昨年10月に新型コロナウイルス感染症に関する水際措置見直しが行われて以降、海外からの旅行客は増加を続けています。そのペースは当初の予想を上回り、外国人観光客による消費活動は日本経済にも大きく影響を与えています。
そこで今回は、全国のPOB会員3,013人(平均年齢49.5歳)に「インバウンドに関するアンケート」を2023年10月20日~10月22日に実施しました。
生活者は日々の生活において、インバウンドによる影響をどの程度感じ、また、その効果をどのように考えているのか調査しました。
身近でも増えている?訪日外国人
まずはPOB会員に、街中で訪日外国人を見かける機会についてたずねました。
昨年と比較し、約7割が街中で訪日外国人を見かける機会が「増えた・多少増えた」と回答しました。「昨年と同じくらい見かける(12.5%)」と合わせると、生活者が街中で外国人を見かける機会は8割となります。
地域別にみると、「増えた・多少増えた」と回答した比率が最も高かったのは「近畿(79.7%)」、その次に「関東(70.7%)」「九州・沖縄(70.7%)」が同率で続きました。
訪日外国人を見かけた「店舗・施設」
半年以内に訪日外国人を見かけた「店舗・施設」について、最も回答されたのは「ショッピングモール(28.7%)」、「駅ビル(27.3%)」となりました。「コンビニエンスストア(22.2%)」「食品スーパー(22.1%)」「ドラッグストア(21.8%)」といった私たちが普段利用する身近な店舗も上位に続きます。
普段利用する店舗にも変化?
生活者が普段利用する店舗でも、約6割のインバウンドによる影響や変化を感じています。中でも約半数の人が「買物を楽しむ観光客を見かける(48.7%)」と回答し、その他「外国語のPOPが増えた(11.5%)」や、外国語対応スタッフの配置、日本特有のフレーバーやデザインの商品が取り揃えられる等の変化が感じられています。
コメントから、生活者が見た外国人観光客がお買い物をする様子をうかがい知ることができました。
訪日外国人にオススメしたい日本製品
観光庁が行った調査(訪日外国人消費動向調査結果概要:2023年7-9月期)より、旅行者1人当たりの消費額の中で買物代は26.1%と、構成比の1/4以上を占めていることがわかりました。訪日外国人の旅行目的のひとつと言える買い物において、POB会員が思う「オススメしたい日本製品」について調査しました。
日本の製品は優れているとオススメできるかと問うと、その結果8割以上が「そう思う・とてもそう思う」と回答しました。
どのような商品をオススメしたいか、一部コメントを紹介させていただきます。
■菓子類、デザート・アイス
最もコメントされたのは菓子類で、訪日外国人にも人気のある商品カテゴリです。オススメしたい商品について多くの声がよせられています。
■惣菜、カップ麺・レトルト食品
コンビニのおにぎりや惣菜、カップ麺、缶詰なども多くあげられました。種類が豊富でクオリティも高く美味しいとコメントされています。
■化粧品、日用品、家電製品
日本メーカーの商品は、高品質で使用感も良いとの声が散見されました。
その他、メーカーや具体的な商品だけではなく、百円均一、ユニクロや無印良品等をはじめとする専門店などもあげられました。
どう思う?訪日外国人観光客の増加
「外国人観光客が増えることについて」どのように思うのか会員に聞くと、約8割が「良いことだと思う・どちらかというと良いことだと思う(76.0%)」と回答しました。
「観光客の消費支出により得られる経済的恩恵について」は、「良いことだと思う・どちらかというと良いことだと思う(84.8%)」と、前問からさらに好意的に捉えている回答者が増える結果となりました。
「良いことだと思う」、一方「良くないと思う」についても様々な声がよせられました。
身近な環境に言葉や文化が異なる訪日外国人が増えることで戸惑いもある一方、生活者の声に耳を傾けるとインバウンドがもたらす影響は経済だけではなく、日本の良さを改めて気づかせてもらえるきっかけにもつながっているようです。
今後も、消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。
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