老いの福袋
本日も母の通院同行。8時に家を出る、9時過ぎお迎え(その前に道中で、母からいつ迎えに来るのと電話が来る)、老人ホームの車に同乗し1時間で病院へ。採血・採尿、その後1時間15分くらい受診待ち、受診数分、その後貧血の注射、インシュリンの注射針などのキット受取、会計、老人ホームにお迎え要請、他の送迎に行ってるということで1時間半待ち、間に車いすを押して近くのスーパーに買い物(お昼14時までに間に合わないので買って帰る必要がある、外食できたらいいのだけど、いまはコロナで禁止)、車来る、ここで14時30分。次のアポが15時30分のため、母だけ預けて別れる。
ほんとうはホームまで同乗してくださいというのがスタイルだが、そうするとそこからホームまで1時間、引継ぎにいくらか時間がかかり、そして帰宅するのに1時間。1日終わる計算。
あらためて血液検査にひっかかり、来週も検査になった。朝が早い予約しかできず、老人ホームの送迎が使えない。迎えが来るまでの間に、来週の介護タクシーを探す、探す。なんとか見つかる。仕事の予定を変更して謝る。
結局月2-4回は通院同行している。
今のわたしの「親の介護」というのはそれくらいだが、これがどれくらいなものか。でも、ホームもそこまで無理して大学病院行かなくてもという中で、ホームの訪問医の診療を信じない(実際経過観察)母からの願いを受け入れるのと、コロナ下で外出したり直接面会したりというのの、かこつけ、というのではこれしか方法がないのだろう。ピンチの時は人にも頼む必要があるが、頼める人は、少ない。
ちなみにこんなで忙しいので、わたしは健康診査の予約もままならないさ。通院同行の時は飯も食えないさ。帰ったらまた仕事なのと母は不満げだが、母さん今日は月曜さ。しかも連休明けの。
さて、母は日常車椅子生活なのだが、なかなか器用に自走することができる。トイレは自分でつかまり立ちでできるようになった(夜は職員さんの見守り有)。こんどは食事の時に、車椅子から椅子に移動する生活リハビリを始めたそうだ。機能回復のために配慮してもらえるのはありがたい。母も自信を回復しているような顔をしている。
あのまま同じ施設にいて、ベッドに起きてるのも怒られ、じっとしているのを続けていたら、もう動けなくなっていただろう。
ホーム内の人はみな90代で認知症で話にならないそうで、もっぱら彼女は小学校の国語とか算数とかやりたいというので送った問題集を解いたりして過ごしている。今夢中なのは小学5年生の分数の計算。なんだかすごい通分が必要らしい。参考書を買うことにした。
自分が一番若いし、良くなる人もめずらしいみたいと母が言う。
唯一仲がよかった人がいたが、夕食まで一緒だったのに翌朝から姿を見せずいなくなってしまったそうだ。亡くなったらしいけど、職員に聞いても個人情報だからと教えてもらえないという。友達がいなくなってしまったと母が言う。友達だったんだな。天体観測が好きという人で、いっしょに星を見ましょうとか誘われて部屋を行き来したりしていたと聞いている。
「老人ホームの地下にね、火葬場もあるんだって!」同じフロアの人から聞いたというが、火葬場はないんでないかね母さん。「会わないうちに骨壺になってたって!」
母は本の虫で、リクエストを受け新聞も宅配してもらっているが、そこの読書評などから、この本読みたいというリクエストを受けることがある。それで読んで面白かった本は、お前も読むといいと購入した本が戻ってくる。
すぐ読めて、これは面白かった。
と、老いの福袋を渡される。
今日の母さんからのプレゼント。
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