見出し画像

【初心者向け🔰】描けない→描ける、になるのに有効な練習と知識。

こんにちは、イラストレーターのミトシです。

先に言うと、
イラストレーターですが、
特別上手いわけじゃない絵師です。

どの口で言うのか、と思われても
文句は言えないけど
でも、一応お仕事しています。

イラストが描けない! と嘆いている
初心者の方に向けてくらいなら
本当に基礎的な効率のいい練習を
教えられるくらいの知恵はあります。

(一応美術の先生を目指していました。)
(10年以上前の話ですけれども。)

この記事を読んでもらいたいのは、
絵を描くのは下手だけどこれから練習して
「一応描ける!」
くらいにはなりたい、
でも何から始めよう、という人です。

練習してるけど、全く実感が掴めていない!
どうしよう!? という段階でも
効くと思います。

どんな絵を目指しているか、に影響しない
共通の「まず、やること」をお伝えします。

単純に上達するために必要な練習と知識

3つの分野で分けて考えて、説明します。

  1. 線を練習する

  2. 色々なモチーフを真似る

  3. 色彩を構造で覚える

以上の3つをまず、頭の中で捉えると
技法書などの練習が
スムーズに飲み込めるはずです。

ひとつずつ解説していきます。

1. 線を練習する

絵を描く上で最初にぶつかる壁は
「線が綺麗に描けない」ことです。

「絵を描く上で使う筋肉の動き」を
覚えていないからです。

そのための練習をして
絵を描く筋肉を育てて、
線が思い通り描けるようになることが
絵が上達するための近道です。

線を描く素振りを色んな画材でやる

あなたが何を使って絵を描き、
どんな絵を目指すかに関わらず
とにかく「素振り」すること。
ただそれだけです。

鉛筆、油性ペン、ボールペン、付けペン、ガラスペン、水彩筆、デジタル……。

どんな文房具・画材、
もしくはアナログ・デジタルでも。
単純に素振りして
まっすぐ、あるいは滑らかに
描けるようになるまで
まっすぐ描いたり、曲線を描いたり。

ひたすら360°、思い通り描けるまで
1000本でも一万本でも
描くだけです。

たぶん、普通に勉強できる程度に要領が良ければ
1週間かからないと思います。

(デジタルは、線補正などの環境も整えつつ、
調整しながらやるといいです。)

ボールペン、油性ペン、鉛筆、水彩筆で
簡単に表したもの

短く、長く、縦に、横に、斜めに、曲線に、
滑らかに、荒々しく、重ねて、薄くして、濃く、
均等に、ランダムに……

とにかく、思うまま線を描くだけ。
それだけです。

段々、自分なりにバリエーションを
付けたくなると思うので、
「これができたら、長い線を描こう」
「これができたら、より滑らかに」
「荒々しい線だとどうだろう」と
徐々にスライドしていきつつ、
ひたすら線だけ描くだけ。

これをやっているだけで、そのツールの線を、
綺麗に描く方法と下手に描く方法が
自然と身につきます。

やってもやっても効果がないという場合

1ヶ月やってもできない! という人は
たぶんやり方が悪いか、
そもそも、線を描くという能力が伸ばせないタイプだと思います。

この練習は、1ヶ月以上やっても、1週間でも
やり方が悪いと力になりません。

発達の障害や難病が隠れていたりすると
どんなに正しく練習しても
そもそも線を描く、書く能力が
伸びなかったりします。

行き詰まった時点で、ほかの練習法に変えたり、
ほかの能力……色彩の塗り方や、得意なモチーフなど
自分の「伸びる能力を伸ばす練習」
するように心掛けてください。

字を読みやすく書くだけでもいい

端的に言うと、漢字やひらがなカタカナ、
アルファベットなどの文字も
練習になります。

文字には、線を描く上での要素が
全て詰まっています。

習字のように、麗しい字を書く必要まではないです。
自分でも他人に見せても、
読みやすい字を意識して書くだけで
練習になります。

素振りに飽きたら、
美文字練習帳での練習も
参考になると思います。

2. 色々なモチーフを真似る

線が描けたら、今度は形を捉えて
頭の中から紙の上に出力する練習です。

線の練習で、頭の中で思う通りに描いて
色んなものを真似ていくだけ。

最初はたぶん、それでも難しいと思います。
実際に見たものと、頭の中のものでは
色んな「勘違い」がところどころに
連続するようにあるからです。

その差異を修正していくための
練習を説明しますね。

まず、トレーシングペーパーで写すだけでもいい

トレーシングペーパーという、クッキングシートに似た
半透明の紙があります。
百均でも売っています。

それを、真似したいものの画像のコピーに重ねて、
線で写す、という練習から始める。
線で写したら、画像からトレーシングペーパーを離して、
よく観察してみてください。

ほとんど同じ絵が描けるはずです。

それを何例かやって、どこに線を描くか、
どのラインに線を重ねるか、と
段々考えて繰り返すと
段々トレーシングペーパーに描いた絵が
自分の頭の中で描いた通りに
写せるようになってきます。

必ず、画像とトレーシングペーパーを剥がし、
離して見比べて、次を練習してください。

元の画像との差異を写せるようになったら、
そのモチーフを今度は
「模写」あるいは「デッサン」する作業に進めます。

一度でもいいから、模写・デッサンする。

模写やデッサンは、「見て真似して描く」というものです。

新しい紙やデータで、「本物を見ながら、別でそっくりに描く」のです。

比率や陰影、色彩や面の回り込み……
色々と要素はありますが
単純に「見たままに近づけて描くだけ」でいいです。

模写やデッサンで要素の表し方につまづいたら、
技法書で学んだり人に見てもらって、
変なところをひとつずつ直していくといいです。

この練習自体は、たぶんどれだけやっても
完璧だと思えるほどになるのに
時間が必要です。

ぶっちゃけ私も、この練習法は今なお
続けながらやっています。

『夜は猫といっしょ』のキュルガちゃんを模写しましたが、
まだまだ全然似ていませんね

この練習法は、新しいモチーフや描き方に
対峙する度、際限なくイラストレーターが繰り返す
「画力向上のための練習」です。

「もういいや」と思って、
心が折れる前にやめて大丈夫です。
(仕事にするならある程度、続けなければいけませんが……。)

この練習法を実行できるくらいになると
それがたとえ途中だったとしても
最初の「描けなかった自分」と
ものすごい差があるはずです。

ここまで来たら、ほぼ「なんとなくだけど描ける人」に
なっているはずです。

最後に、「色彩」だけ勉強すれば、
あなたも立派に「絵描きです」と言える
自信がつくでしょう。

3. 色彩を構造で覚える

最後は、ただのお勉強の分野になります。

ここを覚えると、
2の「色々なモチーフを真似る練習」上でも
役に立つことばかりなので、
要領のいい人は
同時に勉強すると、飛躍して成長できます。

色の3要素「明度」「彩度」「色相」

話が長くなるので、
さっくり色彩の要素だけ話します。

明度、彩度、色相。
この3要素を的確に捉えると、
色をコピーして同じように作れます。

明度は明るさや陰影、
彩度は色の鮮やかさ、鮮烈さ、
色相は青色、赤色、灰色などといった色味を
それぞれ表しています。

同系色と補色とトーン

そして、複数の色が同時に画面にある時、
3要素とは別に「色同士の関係性」
意識することになります。

色相が似ている、青と緑や、橙と黄色は「同系色」
青色と橙色といった、反対の色相に位置する色の関係は「補色」といいます。

同じ色相の、ピンクや赤色、えんじ色というような
色の濃さや明るさのまとまりを分けて考える、
「トーン」という分け方もあります。

同色系統で作ると、絵はまとまりができ、
補色を使うと、絵に動きや激しさが現れたり、
トーンでまとめたり、分けると、絵の方向性が
わかりやすくなります。

ざっくりした図ですが、色の関係性をイメージしました。
茶色と黄色は逆です、申し訳ない……

色の勉強は色彩検定を目指すといい

これ以上の色の勉強をするなら、真っ先に
「色彩検定」の勉強を始めるのをおすすめします。

私たちが「色」として捉えているのは、全て
「光の信号を脳が受け取った像」です。
そのような前提から勉強するには、
色彩検定が一番近道です。

検定試験を受けなくても、教本などを
読むだけでも勉強になります。
もちろん、試験は3級から1級まであって、
資格として身に付けることができるので
受けても無駄ではありません。

興味を持ったら、伸ばすと
絵に良い影響を与えるかもしれません。


まとめ:何より「面白い」と思ったことをするといい。

よく、「絵は楽しむもの」
「楽しく描いた絵が良い絵」と言いますが、
私はそれは、ちょっとだけ
ニュアンスが違うなぁ、と思います。

確かに絵を描く、イラストを作るのは楽しいです。
でも、時と場合により、
描くこと=楽しい、ではないことも
よくあります。

依頼された絵が、上手く描けなかったり、
自分の中で失敗だ、と思ってしまったり。

しょんぼりしながら、絵を描くなんてことも
ないことはないでしょう。

私は「絵を面白いものとして考える」ようにしています。

ルパン三世の次元大介の口癖に
「面白くなってきやがった!」とあります。

楽しむことができない時にも
「これは変わったものだ、興味深い!」
つまり「面白い!」と捉える。
それだけでピンチはチャンスになります。

ただのニュアンスの違いです。
でも、楽しいは受動的にも感じられますが、
面白いは主動的に、自分から思わなければ、
感じられません。

練習をしているうちに、上手くいかなければ、
「これはこうしたら面白いかも!」と
工夫することができるかもしれません。

ぜひ、絵を面白がって描いてください。

あなたの挑戦は、あなたの力になります。


長文になりましたが、
ご精読ありがとうございます。
また別の機会に「絵に後回しでいいもの」を
記事にしようと思いますので
またよろしくお願いいたします。

ここまでありがとうございました。
イラストレーターのミトシでした(*^^*)

この記事が参加している募集

#スキしてみて

525,302件

#仕事について話そう

110,380件

サポート誠にありがとうございます。 これからもよろしくお願いいたします。