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【真夏の怖い話】初めての引越しと不気味な出来事

お盆ももう終わりだ。そんな中、不気味な出来事があったことを思い出したので書こうと思う。

私が高校生の時、山梨にいる母方の祖父の体調が悪くなった。そこで祖父母は交通の事情などを踏まえ、治療のために私の実家ある東京に引っ越してくることになった。
私の実家はマンションにあった。祖父母が引っ越してきた家は実家と同じ階で、しかもそれは一軒置いて隣だったので本当に目と鼻の先だった。

大好きなおじいちゃん、おばあちゃんがすぐ近くに引っ越してくるということで、私は自分の部屋を祖父母の家に移すことにした。とても近くで小さな引っ越しだったが、これが私の人生初めての引っ越しだった。新しい家に気持ちはウキウキしていた。

しかしそのウキウキした気持ちが憂鬱になるような不気味なことたちに新しい家で遭遇する。

不気味なことが起こり始めたのは引っ越しが終わって少し落ち着いた頃だったか、それとも引っ越してすぐだったかはっきりとは覚えていないが、それらは起きた。

夜自分の部屋で寝ていると、外廊下から何か引きずるような音と足音が聞こえ、必ず私の部屋の窓の前で足音が止まるのだ。

私の部屋とその窓はマンションの共有部部の外廊下に面していたため、誰かが外廊下を通るとわかる。

遠くから「ズル…ペタ…ズル…ペタ…」という何か引きずるような音と足音がゆっくりゆっくりと、そしてだんだん近づいてくると心臓が凍るような感覚になった。
そして、私の部屋の窓の前まで来るとそれは止まり、数分後(私の中では永遠に感じた)また同じように音を立てて、来た方向とは別の方へ過ぎ去って行く。

それは何日か続いた後、嘘のようにピタリとなくなった。

しかし、不気味な出来事は足音だけではなかった。

夜、22時頃から0時頃にかけて家のインターホンが何回か鳴るのだ。
22時に鳴ってまた0時に鳴るというような具合にだ。

時間も時間ということもあり、不思議に思いながらおばあちゃんと私はインターホンの前に立ってモニターを見るのだが毎回そこには誰も映っていない。

もしかしたら、モニターに映らないようにしゃがんでいるのかもしれないと思い、一度、一軒置いて隣の実家にいる父にインターホンがなった直後に私がいる祖父母の家の玄関を見てもらったが誰もいなかったらしい。

この出来事も足音の件のように何日か続いた後、嘘のようにピタリとなくなった。


結局これらの出来事はなんだったのか未だにわからないし、確かめようもない。
「足音をさせ怖がらせたり、モニターの前に誰もいなかったのだって走って逃げたに違いないから、きっといたずらだろう。インターホンは故障してた可能性もあるかもしれない。」と今は思っているが、不気味だったことには変わりない。



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