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⑥ みふ子ばあさんはうなぎ淡水屋

「おかあさん、おはようございます!」

私が出勤する時間は5時30分。


自転車にで市場へ向かうのだが、
おおよそ7分くらいで到着する。


まずは鞄をばあさんの
コックピット後ろにある鞄掛けにかける。
とは言っても、棚に釘が一本打ってあるだけだ。

ばあさんの機嫌が悪い時は、
いつも鞄から荷物を取る時は気を遣う。

ためらうからだ。私は悪くないのに。

鞄から荷物を降ろして、
長靴に履き替えて店のディスプレイを作る。

最初にテナント外の準備から始まるのだが、
すのこを敷いたり木の板を並べて外に魚を並べられるようにする。

外の準備が終わると建物内の準備をする。

黄色いバットを5つ並べて両サイドは穴の空いたバットと決まっており上段と下段と並んでいる。

上段には
この店のメイン商品である『鰻』が並べられる。
冷蔵庫から取り出す時、
鰻はすでに腹開きされている。

大きさは要望に答えて提供することも多いのだが、値段が基本的には3つのランクに分けて売られる。

最後に昨日売れ残った魚を
冷蔵庫から出して外に並べる。

オープン前に時間があれば冷蔵庫の内部を掃除することもある。

この朝準備をしながら私は、ばあさんのコックピット作りとチョコレートルーティンを見届けるのだ。


うむ、今日もばあさんは元気だ。

#みふ子ばあさん #小説 #エッセイ #高齢者 #鰻

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