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大学生のうちに読んでよかった本:5選①

こんにちは。
よく見るタイトルに飽き飽きせず、この記事に飛んでくださり、大変ありがとうございます。
大学4年間があと1ヶ月で終わりますが、自分がどんな本を読んできたのか、少し振り返りたくなりました。どうかお付き合いください。🙇‍♂️

『読書について 他2編』 ショウペンハウエル 岩波文庫


 
どう考えたって、最初の1冊目に来るのは、ドイツの哲学者ショウペンハウエルの『読書について』だと、僕の中では決まっていました。すいません。すでに読んでいる方もいるかもしれませんが、たった、10数ページの短い文章の中に、読書を好んでする人たちに向けた熱いメッセージが込められています。僕が本を読む理由は、その人の世界観を体験したいからにすぎません。その世界に浸りたいと思っているだけなのですが、その感覚を研ぎ澄まさせてくれたのがこの本になります。本を読んで満足している蒙昧で臆病な読書家ども、毛ほどの勇気があるのであれば、その世界から飛び出してみよ。と、頭をぶち殴られるようだから、僕はふと思い出した時、必ずこの10数ページを読みます。外の世界に出るのが恐ろしいので。

 この本を大学生が読むべき理由としては、「自分で考えること」といった大学生が強く求められる力を、今のうちから養っておいた方がいいぞと、ショウペンハウエルから伝えてもらえるからです。あくまで、「自分が考えること」ができるようになるのではなく、その能力を身につけた方がいいと言われるだけですが。


『けものたちは故郷をめざす』 安部公房 岩波文庫

 安部公房。私が一番好きな作家です。この本が岩波文庫から出ると知った時は、衝撃的で感動的で、なにか感慨深く、真っ先に店頭で予約しました。すでに2冊(表紙違い)で同じ作品を持っているにも関わらず…。

 それは、満州から引き上げてくる安部公房自身を移した文章だと言われます。すでに私には想像することができません。そこがどんなに恐ろしい場所で、どんなに寂しく、荒廃し、残酷な世界だったのか。 ”生き残る” こと、”生きる”ことではなく、 ”生き残る” ことが第一目標であった場所で、人は自由を求めて、恥を捨てて逃げ回るのです。 ”けもの” という言葉がこれほど、人間に強く当てはまる文章は他にないと思います。

 大学生が読む理由は、暇つぶしになるからでしょうか。実際に安部公房の作品で、特に読むのに時間のかかったのが ”けものたちは故郷をめざす” です。難解な言葉、文章、何度同じところを読み直してみても、なかなか理解が進みません。一つ一つの言葉を調べ、吟味し、文章と世界観に当てはめていくのです。そんなことをしていると、読み終わった時には、わからないことはすぐに辞書を引くこと、一つのことをよく吟味して、想像力豊かに考えることなど、”大学生たるものが身につけるべき力の基礎”とも言える能力を養う練習をすることができるのです。あくまで養う練習ができるのであって、養うことが直接できるのではないですが。


『勉強の哲学 来たるべきバカのために』 千葉雅也 文藝春秋

 来たるべきバカのためにってかなり挑発的ですよね。笑
バカは勉強なんてしないよ!!!ってな。いや勉強するからバカになるんだよぉん。
 勉強は「強いて努める」と書きます。”勉強”それ自体は、”学ぶ”とは全く違うわけです。勉強なんて、自分以外の何か、それが親なのか、学校の先生なのかわかりませんが、強いられなければ始めないものです。反対に”学ぶ”というのは、語源が”まねぶ”だと誰もが知っているように、より自発的に起こるものです。そもそもの定義が違うものです。
 勉強すると頭が良くなる!!というわけではなく、それまでの自分の姿が変わっていく段階なのです。もしかするとそこで一瞬バカになるのかもしれません。
 何か他に違ったことをやっている人がいると、すぐキモいキモいという大学生(いろいろ偏見)ですが、大丈夫、キモい奴らは何かしらの勉強をしてきたんだ…と、気づいてあげてくださいね。その気づきを感じることができるきっかけを与えてくれるのがこの本の特徴です。だからあくまで、気づくことができるようになるのではなく、気づくきっかけ。


今回はこの3冊だけでご勘弁を。残り2冊は近いうちに。

 
 

 

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