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【アニメの話】「響け!ユーフォニアム」は黄前久美子が主役だからこそ成り立っている

皆さんこんにちは!!北海道産青森県民のMitchionです!!

いつだかこのnoteでも「響け!ユーフォニアム」(以下ユーフォと表記)を語る記事を書いたかと思いますが、今回はその続きみたいなものです!!

テーマは「なぜ主役が久美子」だったのかというところで、私なりの考察を書いていこうと思います。

黄前久美子というキャラクターはおそらく北宇治高校吹奏楽部(以下吹部と表記)の中ではかなり地味な方だと思うんです。

ユーフォニアムの実力が極端に天才的ということもなければ、面倒ごとにはあまり首を突っ込みたくなく、どこの高校にでもいそうな感じのキャラクターとして描かれています。

一方で、物語を見る感じ久美子とともにこの物語の中心人物である高坂麗奈の方がよっぽど主人公感あるキャラしてます。

トランペットの実力は先輩を差し置いてソロに抜擢されるほどのものであり、ものすごく音楽への意識が高く、図太い性格もところところで垣間見えます。

だいたいの場合主人公というのは特殊能力を持っている人の方がなりがちで、特にこのような青春部活系の作品であればよりその傾向が強いように感じます。

では、どうしてユーフォでは麗奈ではなく久美子が主役となっているんでしょうか?

その理由として私が出した結論はいたってシンプルです。

それは「そっちの方が物語が面白いから」です。

理由になってねえよ!という声が飛んできそうですが、これがどういうことなのか解説していこうと思います。

まず、先ほど麗奈のようなキャラの方が主人公になりがちだという話をしましたが、この「なりがちだ」という部分にヒントがあります。

そういう傾向が強いということは、現在の部活系アニメに関してはコモディティ化がみられるということであり、もし当作品で麗奈が主人公になってしまうと「数ある部活系の作品群のうちの一つに過ぎない」という評価が下されてしまうリスクが大きくなるわけです。

そこで差別化をするために麗奈が主人公になってはいけないんです。

ここで麗奈が主人公になってしまうのは展開的にはありがちで「しょっぱい」んです。

では、わざわざ主にする久美子である必要があるのかというところですが、こちらにも明確な理由があります。

こちらも麗奈同様、先述の久美子の特徴から読み取ることができます。

久美子は「どこの高校にでもいそう」なキャラクターなんです。

つまり、私たち視聴者、読者に近い目線を持ったキャラクターだということです。

だからこそ久美子に対しどこか親近感を覚えるのではないでしょうか?

そして、自分も吹部の一員であるかのような目線を久美子というキャラを媒体として私たちは獲得しているんです。

更に言うと、久美子が平凡な高校生で始まるということは、今後のストーリーもスムーズになりやすいんです。

平凡な高校生が特徴ある仲間に囲まれ、少しずつ成長していく様というのを誰にでもわかるように提供できるんです。

来年の春から久美子3年生編が放送されるぐらいにはシリーズが進んでいったわけですが、久美子の成長というのはこれまでの作品を見ていけば明らかです。

それを最も演出しやすい方法として久美子を平凡なキャラとして物語をスタートさせるに至ったのではないでしょうか?

そしてそれは視聴者の心に訴えかけるものとして麗奈のそれよりも大きく、視聴者に刺さりやすいんです。

さらに、この手の作品の受け手は作品から何かしらのメッセージを得られることを期待します。

そうしたメッセージも、久美子が主人公であれば「普通の人でも成長していけば秀でたものを掴めるかもしれない」という何とも理解しやすいものになるんです。

麗奈が主人公だとこのメッセージが高尚なものに昇華してしまうため、広く受け入れられる可能性が低くなってしまうわけです。

あくまで高坂麗奈という存在は黄前久美子というクッションをはさむことで魅力が引き出されているのであり、そうでなければ視聴者はおそらく初期の吉川優子と同じような心境にさせられることでしょう。

高坂麗奈は主人公にするにはキャラが立ちすぎているということで今回は締めようと思います。

今回は捉え方によっては麗奈を下げているような書き方になってしまいましたが、次ユーフォの記事を出すときにはその麗奈の魅力を書いて言いたいと思います!!

というわけでここまで読んでいただきありがとうございました!!

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