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【 起業知識 】創業時の資本①/株主と経営者の関係~リスクとメリット~

1 資本金を出しているのが株主

資本金や株主の概念を知っておくことが起業する時には必ず必要。経営を始めても理解していないと後々問題になります。今回はそれについて。
まず私も起業時にどうすればよいのかわからなかったのが資本金。これは一体なんなのか?というところから。まず知識として現行法では資本金が1円でも会社は作れます。(令和4年6月時点)しかし昔は1000万円以上ないと株式会社は作れないとかあったらしいけど私もよく知りません。

ちなみに創業当初の資本金は最初に会社を興すときの出資金です。厳密に言えば資本金や資本準備金に科目は振り分けられますがざっくり創業する時に出したお金の額ということです。ちなみに後々この額を増資、減資することはできます。そしてこのお金を出している人がその会社の株主となります。

2 社長ではなく株主が最強の力を持っている

創業時だけでなく後の増資(資本金を増やす)の時でも大事なことは誰がいくらこの会社に出資しているのかという割合です。細かいことは気にせずに出資されているお金の総額が会社の資本金という捉え方でいいと思います。ここからイメージを掴んでもらうためにかなりざっくりの話でいきます。

資本金を一人で全部出しているならその人が完全にその会社のオーナー(大株主)。複数人で出したらその出資比率で議決権が分散され会社の意思決定をする株主総会で出資者の意見を聞く必要があります。その場合出資額が多い人の意見が通る。だから自分一人で会社運営の重要事項を全部決めたかったら他の出資者は入れてはダメ。自分が代表取締役でも出資比率が50%以下であれば出資者である株主に株主総会で解任されるリスクがあります。逆にメリットとしては出資してくれた人にビジネスパワーがあれば営業活動や紹介の声がけを手伝ってくれたり経営のアドバイスをくれたりする。売上確保や事業運営維持のために支援をもらうことができ大きな力を発揮してくれる可能性もあります。

3.株主と経営者の関係で経営の自由度が変わる

大株主兼経営者の場合は何も気にする必要ありません。自分の好きなようにやればいいです。しかし経営者(代表取締役となっている人)以上に株主の方が出資額が多く、株主総会で議決権を行使できる力を経営者以外の株主が持っている時は注意が必要。経営の意思決定を経営に直接携わっている人以外に委ねる可能性も大きくなります。株主からの声が大きければ経営者はそれに従わざる得なくなるのです。株主は取締役を解任する力を持っているわけですから。だから株主からの経営へのメリットが明確にないのに資本金を増やしたいという理由だけで出資者(株主数)を増やすべきではないと私は思います。しかし通常の業務は代表取締役の意思で動かせますので日々確認が必要なわけではありませんから心配には及びません。

株主総会の決議が必要な事例で言えば、取締役を増やす、定款を変える、などの会社の根幹にかかわる大きな意思決定についてです。出資額によってどれくらいの権限があるかは出資比率によって法的に決まっているので知りたい人は調べてみてください。ただ法的なことを抜きにした日々の取り決めについては、経営者と株主との関係にもよると思いますので一概に言えません。ケースバイケースでお互いの関係が良いなら相乗効果、悪いならやりにくいとしか言いようがありません。具体例で言えば、短期の利益だけを追求する株主の場合は長期的に事業を成長させたいと考える経営者はやりにくくなる可能性も高いでしょう。

4.資本主義経済の原理原則

上場企業は外部の株主が無数にいて経営者単独で過半数以上の株式を持っていることは少ないと思いますし、上場を目指す新興企業が資金調達する時は最初に外部から大きな投資が入っていることがよくあるでしょう。しかし地方で小さく事業をする中小企業は社長の考えでフレキシブルに動くことが経営の武器となります。だから私の意見はなるべく自前で資金を用意することが望ましい。それか資金は出してくれても完全に経営を任せてくれる信頼関係のある株主との連携。そのほうが意思決定が早く好きなことができます。最悪のケースで自分が50%以下しか株式を持っていないと会社が成長してうまくいったら乗っ取られるリスクもあります。会社は社長が偉いのではなく、たくさんお金を出している株主が最も偉いのです。資本主義経済では資本を多く出した人の声が一番通ります。自分が会社を経営する時は資本のことはシビアに決めましょう。



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