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転勤無職とテレワーク

お酒が飲めない黒霧島です。

実は現在無職。絶賛求職活動中ですが、こんなご時世なのでなかなか上手くいかない現状。ジリ貧ですが心だけは気高く生きていきたい。

どうしてこうなったのか、まずは振り返ってみる。そしてテレワークで気がついたことを心の整理を兼ねて書き連ねてみた。

ウキウキしていた新社会人時代

地方の大学院を卒業後、すごく入りたかった会社に入社し、上京したのが約10年前。当時世間は就職氷河期の真っただ中。就職出来ただけでも御の字なで、第一希望の会社に入社できるなんて、運がいい!日頃の行いがいいからかな!なんて浮かれていた新社会人時代。天真爛漫な性格だねーとよく言われる、生粋のノー天気ガール。自由奔放の塊な私。今もかわらないけれど。

希望の部署には配属されなかったけど、仕事は楽しかった。よくわからない社会のルールと荒波に揉まれながらも、どうにかこうにかやり過ごす日々が続いていくこと約3年。その時は突然やってきた。

晴天の霹靂

仕事にも慣れ、プライベートにも気が回せるようになってきたころに、転勤辞令の開示。勤め人として、転勤があるのは重々承知だったがやはりかなりのダメージだった。目の前が一瞬で真っ暗になった感じ。積み上げてきた足場から、真っ逆さまに深い穴に落ちたみたいな。漆黒。まっくら。仕事も楽しかったし、東京で出会った彼と、そろそろ結婚を、、、と考えていた時期だったので色々なことが頭をよぎる。

突然立たされた、大きな人生のY字路。選択肢は二つしかなかった。

悩みに悩んだ末、私はどうしても入りたくて入りたくて入った会社を、自分のプライベート、結婚の為に辞めた。

正直言うと辞めたくはなかった。最後まで人事に掛け合ってもらったけれどダメだった。まだまだ会社でやりたいことがいっぱいあった。この会社に入社するために学生時代を費やしてきた。退職願を上司に渡したとき、自分の今までの努力が全部無駄になった気がした。でもしょうがない。仕事よりもプライベートをとったのは私だ。この選択は後悔していないが、辞めたくなかった気持ちはいつまでも残り続けているし、死ぬまで昇華することはないと思う。たぶん墓場にも刻む。

働かざる者食うべからず

東京で職を失った私は一度地元に帰り、婚約者のいる東京での再就職に向けて動き出した。減りゆく貯金と戦いながら、東京と地元を飛行機で往復する日々。ありがたいことに東京には、地方都市とは比べ物にならないくらいの数の求人があった。婚約者が東京勤務で、転勤はない見込みだったので、私も東京で転勤のない仕事を探した。半年もしないうちに運よく数社から内定をもらい、そのうちの一社に就職することにして、再上京することになった。

仕事に慣れてから結婚しよう

再就職した私は、我武者羅に働いた。今思うとあまり「いい会社」ではなかったけれども、結婚という大きな目標の為に頑張れた。(いい会社でなかった部分については、また改めて別のnoteに記載する予定)

この会社では頑張った分をきちんと評価してもらえたし、前職よりも給与も上がった。ざっくり1.5倍くらいになったかな。金銭的にもちょっぴり余裕がでて、好きなものも買えるようになった。そろそろ仕事にも慣れたし、さあ結婚しようとなったときに再び事件は起こるのである。

婚約者にまさかの転勤辞令

古い体質の日本の会社は、社員の忠誠心をはかるようなことを平気でやる。よく聞くのが、結婚したら転勤、家を買ったら転勤、子供が生まれたら激務の部署に配属。「いやなら辞めて結構です。辞めないよね?辞められないよね?」みたいな一種の支配的なやつ。ネットとかで検索すると関連する情報がわんさか出てくるくらいよくある話。中には裁判になった事例もあるようで。法律には詳しくないからアレだけど、大きな問題になっていることは間違いない。就業規則に転勤に関する項目がある以上、辞令に従うしか選択肢はないが、そもそも入社するときに「原則転勤はありません」とか言われると、就業規則を一字一句確認したりはできなかったりする。だいたい会社の方が一枚上手なのだ。

婚約者の勤めていた会社もまさに古い体質の会社だったようだ。会社に結婚の報告をしたら、転勤の辞令を開示されたのである。年度末でも配置転換の時期でもなんでもない中途半端な時期に。あからさますぎる嫌がらせだと思っている。そしてさらに、転勤先がお互いの地元でもない、なんの縁もゆかりもない地方都市だったのである。

人生のY字路再び

配偶者に転勤の辞令が出た場合、女性側が仕事を辞め、男性側の仕事を優先してついていくことが大多数だと感じている。昔の家長制度の名残なのか、大黒柱について行く的な、昭和な考え方が根底にあるように思える。「女性側についていく」・「男性側についていく」・「単身赴任」この三つの選択肢のうち、女性側についていくパターン、ほとんど聞いたことがない。いや、ごく稀にはいるんだろうけどまだまだ一般的ではない。給与面や今後の出世なんかを考慮すると、女性側が我慢をせざるを得ないパターンがほとんどだと思う。そして我が家も御多分に漏れず、私が仕事を辞めて夫の転勤ついていくことになった。転勤族の妻、いわゆる転妻デビューである。

転妻、就活するってよ

こうして奇しくも新婚早々、転妻となってしまった。非常に不服である。私の社会人キャリアと人生計画はズタズタである。ここからまた立て直さなければならない。友人もいない、知らない土地で。

うじうじ嘆いていても仕方がないので、人生二度目のハロワ通いを始めたものの、地方都市にはそもそも求人が少ない。資格も何もないごくごく一般的な人間には地方での正社員としての再就職はかなり厳しいものであった。さらに、履歴書の経歴欄に記載する『夫の転勤に伴い退職』この言葉が重くのしかかる。年齢も30を過ぎていたため、「若年層の長期キャリア形成のため30歳以下限定」という言葉にも苦しめられる。選択の幅が急激に狭くなるのだ。

運よく最終面接まで進めても、会社側から聞かれるのは、産育休をとるかどうかと、夫の転勤周期についてだった。そうして手元に届くのはお祈りメール。誠に残念ながら~のやつが何通も何通もたまっていく。

こうして空白の職務期間がどんどん広がっていくのだ。今もブラックホールのようにどんどんどんどん広がっている。会社を辞めて3年がたった。これが私の職歴である。

つらつらと書きすぎた。長くなってしまったが、実はここからが本題である。

テレワークと新しい生活様式

そんな中、新型ウイルスの感染が拡大し、夫も早い時期からテレワークになった。

夫はいわゆる営業職で、今までは、自宅から会社へ行き、お得意先へ行き、会社に戻り、仕事が終わり次第帰宅するというお仕事スタイルだった。よくある一般的なルート営業のスタイルをイメージしてもらいたい。

夫の場合は、テレワークの導入により、通勤時間もお得意先に行く為の時間も掛からなくなり、必然的に残業時間も減り、QOLが飛躍的に向上した。遅くまで帰宅を待って夕食を食べることもなくなり、二人で趣味の時間も取れるようになり、良いことばっかり!新しい生活様式、テレワーク、意外とやるじゃん!最高ー!と思っていた。あることに気がつくまでは。

ある日、夫がリビングで全国の営業所を繋いだオンライン会議に出席していた。この時私は、離れた場所でもオンラインで会議できるなんて、いい時代になったもんだねー!テクノロジーの進歩最高ー!新しい時代だなー!ひゅー!ぐらいの気持ちだった。

またある日、今度はお得意先と、オンラインで商談していた。おー!社内に限らずら商談も、テレワークな時代なのかー!すごーい!たしかにお見積もりはメールで送れるし、商品の紹介は事前にサンプル品を送っておけばお互いに同じものが手元にある中で商談ができる。お互いカメラ越しで顔を見ながらだから、電話やメールよりも反応が伝わりやすいし、感染の拡大も防げるし、最高じゃん!テレワークまじで神。新しい生活様式も悪くないわー!これが今後のスタンダードになればいいわねー!すごーい!どこにいても、離れた場所とオンラインで繋がって仕事ができるのねー!!


ん???あれ???なんだか違和感。


どこにいても、離れた場所とオンラインで繋がって仕事ができるなら、転勤って制度必要ないんじゃない?! 私は何のために会社を辞めて、再就職で苦しんでるの?

もちろん、すべての職業、職場がテレワークできないことはわかっている。しかし、少なくとも夫の場合はテレワークで今のところはうまく行っている。むしろ今までの仕事で問題だった部分が解決さえされてしまったのだ。

【どこいにてもオンラインで仕事が出来る】を究極に言い換えると、転勤制度の廃止に繋がらないだろうか

転勤の制度に2度も痛い目を見せられた私は、言わずもがな転勤という制度が大嫌いだ。大嫌いじゃすまないくらい嫌いだ。転居の費用がかかるだけではない。生活もガラッと変わる。家族も振り回されてしまう。家族はキャリアも就労先も失う。世帯収入も下がる。会社は転勤に対し意味ありげな理由づけをしてくるが、社員からすると意味不明で、悪でしかない。もしかしたら転勤大好きー!な人もいるかもしれないが、ごくごく稀だ。

共働きがスタンダードで、さらに介護や少子化で大変なこの時代に、会社の命令で勤務する場所が変わるこんな時代遅れの制度、どう考えてもおかしい。過去の価値観。はやく滅びてほしい。

新しい生活様式のもと、「人と人とのあたたかみ」「生身で会ってこそコミュニケーション」「手書きの履歴書至高主義」「お茶くみは女子の仕事」「印鑑は上司に対してお辞儀をしているように傾けて押す」のような時代遅れで無意味な文化とともに、転勤制度も消滅して欲しい。そうすれば今の私のような、再就職に困る人も減るし、世帯当たりの収入も増加するし、少子化だって食い止められるかもしれない。

会社の経営者と人事の皆さん、今こそ新しい価値観、新しい生活様式での就業規則を見直してみてください!今が!今がチャンスです!


長々と描き散らかしてしまったけれど、これからの仕事に対する社会全体の考えが、これを機に新しい価値観にアップデートされますように。

配偶者の転勤に伴いやむ無く退職し、再就職に困っている転妻・転夫が減ることを祈って。


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