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パラグアイの伝統工芸品ニャンドゥティ~作り手の抱える問題~

初めまして。特定非営利活動法人ミタイ・ミタクニャイ子ども基金インターンの慶応義塾大学3年、神 和夏(じん のどか)です。
これから、このブログにて主にパラグアイのファッションに関連した記事を書いていこうと思っています。よろしくお願いします!

さて、今回はパラグアイの伝統工芸品のニャンドゥティについてご紹介します!

ニャンドゥティの起源

まず、ニャンドゥティの起源についてです。
藤掛(2019: 344)によると、主に二つの説がありますが、どちらの説もスペイン領カナリア諸島のテネリフェ島のロセッタ*1 が起源であるとされています。

一つ目の説では、17世紀、スペイン人がテネリフェ島に立ち寄り南米に渡った際に、ロセッタが持ち出され、それがパラグアイに持ち込まれました。そして、そのロセッタが現地の女性たちの手によりオリジナルに発展していったとされています。
二つ目の説では、パラグアイの先住民であるグアラニー族の間ではカラグアタをはじめとする植物の繊維から籠を編むという文化があり、それがロセッタと融合して独自に発展を遂げたとされています(藤掛 2019: 344)。


いずれにせよヨーロッパの文化とグアラニー族の文化が融合して出来上がったものであると言えるでしょう。

*1 ロセッタは、テネリフェ島の幾何学模様のレースです(藤掛 2021: 28)。

ニャンドゥティの作り方

次に、ニャンドゥティの作り方についてです。こちらは、本基金関係者がパラグアイのイタグアで調査をした際に作り手の女性たちに教えて頂いた際の各種記録を参考にしています。


ニャンドゥティ制作に必要不可欠になるのが木枠です。これに木綿の布を張り、コップや食器など家庭にあるものを利用して円を描きます。その下書きをした円に、円形放射線状に土台となる糸を縫い留め、それに様々な方法で糸を通すことでバリエーションが豊富な模様を生み出していくのです。
岩谷(2015: 16)によるとその種類はなんと基本的なものだけでも350以上あるそうです。グァバやジャスミン、パッションフルーツなどの花の模様、チパというパン、料理の際に使用するかまど、伝統工芸品のフィリグラナ*2の模様など日常生活の中から生み出されたであろうたくさんの模様が見られます。
模様からパラグアイの人々の生活を垣間見ることが出来るとも言えるでしょう。

こうして作成されたニャンドゥティは、民族衣装からアクセサリーやバッグ、テーブルクロス、カーテンなど様々なものに応用されています。近年は服飾品につけられるようになり、コーディネートのアクセントになっています。また、インテリアは部屋を華やかにしてくれます。

*2 フィリグラナは、金や銀の糸で作り上げられる美しい宝石です(日本海外ツアーオペレーター協会 2009)。

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写真提供:ミタイ・ミタクニャイ子ども基金

ニャンドゥティの作り手が抱える問題

ここまでニャンドゥティの簡単な紹介をしてきましたが、続いてはニャンドゥティの作り手の方々が抱える問題についてご紹介します。

2010年に国の工芸品開発の促進や、職人の支援、育成を行うInstituto Paraguayo de Artesanía(パラグアイ国立伝統工芸院)が設立されました。
藤掛(2019: 342)によると、ニャンドゥティが完成すると、村の作り手たちは、組合や仲介人に商品を売って収入を得ていますが、その際の買取り価格が低かったり、手数料を支払う必要性があったりと収入面では依然として厳しい状況であることを指摘しています。


問題は作り手の収入の低さだけではありません。
海外企業との取引も行われる中、中南米、特にパラグアイではあまり好まれない黒のニャンドゥティが発注されるなど、作り手が望まない取引もある(藤掛 2021: 29)と指摘されています。


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写真提供:ミタイ・ミタクニャイ子ども基金

私は、パラグアイの人々が日常生活の中で生み出してきたニャンドゥティの知的財産権の保護を強化する必要があると考えています。
近年のフォークロアブームを踏まえると、ファストファッションブランドなどでデザインが無断で使用されることも考えられるため、国を挙げて伝統工芸品の保護にさらに力を入れ、適切な価格でニャンドゥティが取引されるようになることを強く望みます。

参考文献

藤掛洋子 (2019) 「パラグアイの伝統工芸品―ニャンドティの歴史と資源化に ついて―」  青山和夫・米延仁志・坂井正人・鈴木紀編 『古代アメリカの比較文明論:メソアメリカとアンデスの過去から現代まで』 京都, 京都大学学術出版会, pp.341-344.
藤掛洋子 (2021) 「伝統工芸品ニャンドゥティ」 ラテンアメリカ文化事典編集委員会 『ラテンアメリカ文化事典』東京, 丸善出版, pp.28-29.
岩谷みえエレナ (2015) 「パラグアイに伝わる虹色のレース、ニャンドゥティのお話」『伝統の模様と作り方 パラグアイに伝わる虹色のレース ニャンドゥティ』東京,誠文堂新光社, pp.14-18.
Instituto Paraguayo de Artesanía, “Institución”, Instituto Paraguayo de Artesanía ,Asuncion (最終閲覧2021-06-29, https://www.artesania.gov.py/index.php/institucion)
日本海外ツアーオペレーター協会(2009)「パラグアイ/アルパと銀細工工房の街「ルケ」ご紹介」OTOA[一般社団法人 日本海外ツアーオペレーター協会]  (最終閲覧2021-06-29, https://www.otoa.com/news_detail.php?code=16949 )

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過去の記事でも、ニャンドゥティについてや学生部のニャンドゥティ販売の取り組みについてご紹介しています!ぜひご覧ください。

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