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会社で失言した話 #はたらいて笑顔になれた瞬間

「重いLINEを送らないためにしていること」のシリーズを書いている最中だが、今日は少し違う話題をお届けしたい。

今ダッシュボードを見ていたら、過去に投稿した記事で、最も閲覧数が高いのは、「エネルギーバンパイアだった私が愚痴をやめられた話」であることに気が付いた。

「愚痴」の話を書くにあたって、当初は全く違った内容の記事を書いた。10年以上前、会社で失言してしまった日のことだ。その失言も、すぐ愚痴を言ってしまうエネルギーバンパイア的な私の性格が原因だったのだと、今になって分かる。

10年以上前のこととは言え、仕事関係のことを記事にすることにためらいがあったためその記事はボツにした。しかし、その後、当時の会社が今は全く別の会社になり、一緒に働いていた人たちもほとんど残っていないことを知って、改めて記事にすることにした。

私個人と会社の特定を避けるために、この記事全体の表現に工夫をしていることをお断りしたい。

匿名の方々から第三者を通して伝えられたクレーム(当時の日記)

以下、当時の日記を編集してお届けする。日記に出てくる「今日」は、10年以上前の某月某日だ。

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今日、会社である人に呼び止められた。その人は私に、私の言葉に怒っている人たちがいると教えてくれた。「誰が私のことを怒っているのかも教えて欲しい」とお願いしたが、それは言うことを禁じられている、怒っていることそのものも匂わす程度にして欲しいと言われたのだそうだ。

ただ、怒っている内容については詳細に教えてもらえた。それはこうだ。

3日ほど前、私は会社の作業スペースで同僚と話をしていた。会社の作業スペースはかなり広く、多くの社員が出入りする。社外の人は入れない。

私は社外の人が入れないことに安心して、言葉や表現には充分注意していたが、話す内容そのものについては無頓着でいた。本来は「関係の薄い人たちにも話が聞こえているかもしれない」ことにも神経を使うべきだったが、社内でも秘密にしなければならないことを話していたわけではないので(それどころか、その作業スペースにいる人全員が知っていることについて話していた)無神経な態度を取ってしまっていた。

話していた内容は、社内システムで改善して欲しいところがあり、それは関係部署も承知しているのだが、早急には改善されない事情があったので「(使い勝手の悪いシステムだけど)○○さんはどのように対応していますか」的なことを訊いていた。それがたまたま私との関係が薄くて、システムトラブルで特に困っていないセクションの人たちに聞こえてしまい、問題に。

情熱的で大げさな表現が原因だった

私は過去にライターをしていたことがあり、その時にも指摘されたのだが、私の表現は、よく言えば(?)情熱的、悪く言えば大げさなので、その時も、○○さんにアドバイスを求めているつもりが、○○さんに会社の愚痴を言っていると捉えられたようだ。そして、表現があまりにも行き過ぎているのではないか、と。仕事の士気を下げられたのが許せないのだそうだ(つまり、私は表現にも充分注意しているつもりだったけれど、足りなかったのだと思う)。

その場で私が発言したことは、多くの人が思っていることでもあり、私自身、その作業スペースで同じ内容の愚痴を何度も聞いたことがある。しかし、他の人の愚痴は許されるけれど、私の愚痴は許されない。それは何故なのか。

それはやはり、私の愚痴の「表現」なのだ。あまりにも真面目で固く、自分の言いたいことを相手に分かってもらうために細かい内容についてまで熱い表現で語ったことが、「細かいことに対してまで不満を持っている」と思われたらしい。相手が匿名なので訊く ことができないため、想像ではあるが。(大きな声などは出していなかったので、「言葉のチョイス(選択)」が問題だったのだろう)。

謝罪も届けてもらえなかった

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相手の言っていることにも一理あると思って反省し、何より○○さんを巻き込みたくなかったので、「相手に直接謝りたいから相手の名前を教えて欲しい」と何度かお願いしたが、それは叶わなかった。(私はその作業スペースに誰がいたか、気にしていなかったので分からない)。

それならば「私が反省していることを伝えて欲しい」とお願いしたが、怒っていることを第三者を通して匿名で伝えてきた人たち(以下、某さんたち)は自分たちが怒っていることを匂わせたいだけで、私と話をしたいわけではないから、それはできないとのこと。

だから(私にはどんな対応をすることもできないので)、そのままにしている。幸いなことに作業スペースを使わないとできない仕事は当分ない。

「表現に充分に注意した問題のない発言」だと思い込んでいたから、あの場に誰がいたか、全く気にしていなかった。某さんたちを、こんなにも怒らせたのなら、あの場に会社の上層部がいたら、かなり顰蹙を買っているのではないだろうか。(私が話した「内容」は、システムトラブルについての話し合いの中で上層部にも話している。しかし、そのときとは「表現」が違っていた)。この件はかなり噂になっているらしい。

私は「正社員」という立場ではない。今日一日、「もしかしたら、これから会社の上層部に呼ばれてクビになるかもしれない」と思って生きた心地がしなかった。今日は大丈夫だったけれど、今日は私のことをクビにするかどうか会議していた日で、明日クビになるのかもしれない、とも思う。

自分の発言の責任は潔く取りたいと思う。クビになったら仕方ない。でも。クビになったら翌日からどうしよう。

(日記はここまで。愚痴を聞いていただき、ありがとうございます)。

その後のこと

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その後、私が公開している仕事用のアドレスに、何人かの方からこの件でメールを頂いた。それらは全て好意的なものだった。

そのうちの一人のアドバイスに従って、私は作業スペースを使わない仕事のやり方をあみだした。それと同時に、「もしものとき」に備えて新しい仕事の勉強を始めた。会社の上層部からは何の話もなかった。

それから数年間。私はそれまで以上にその会社の仕事に集中し、この経験と勉強したことを活かして、新しい仕事に就いた。

きれいごとと思われるかもしれないが、あの時の経験に感謝している。そして、あの時、私にメールをくださった方々のことを、いつも笑顔で思い出す。

三田綾子




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