見出し画像

望海風斗さん・真彩希帆さんのご卒業に寄せて

2021年4月11日(日)
宝塚歌劇団雪組東京公演 ミュージカル・シンフォニア『fff-フォルティッシッシモ-~歓喜に歌え!~』/レビュー・アラベスク『シルクロード~盗賊と宝石~』の千秋楽。ライブ配信でお芝居とレビュー、そしてサヨナラショーまで、しっかりと見届けました。

トップコンビ望海風斗(のぞみふうと)さんと真彩希帆(まあやきほ)さんはじめ、今の雪組を支えられたくさんのタカラジェンヌさんが、宝塚歌劇団をご卒業(退団)されました。

ありがとうございました。
いっぱい感動とときめきをいただきました。

望海風斗さんと真彩希帆さんは、宝塚劇場でも歴史に名前が刻まれるであろう歌唱力が特に特に秀でたトップコンビ。
次元が違う歌うまコンビでした。

望海さんが出演した大劇場作品は、雪組2番手時代のほとんどと、トップ就任以降の全てを観ることができました。

真彩さんの出演した大劇場作品も、星組時代の『ガイズ・アンド・ドールズ』以降、そして雪組トップ娘役(望海さんの相手役さんですもんね)の全作品を観ることができました。

なんというか、歴史を目撃したような思いがして、よかったなぁ、ありがたいなぁ、としみじみ感じています。

そして、私のヅカオタ歴でも、ひとつ時代が終わったように感じています。

(永遠のご贔屓、明日海りおさんが卒業された時には、ヅカオタ熱狂が終わった、と感じました。)


望海風斗さんと真彩希帆さん

望海さんと真彩さんには、完全にコンビ萌をしていました。
望海さんの晴れやかで艶やかでパワフルな歌声と、真彩さんの伸びやかで澄んだ円やかな歌声のハーモニーが大好きでした。
望海さんの歌声が強く広がって、真彩さんの歌声が奥行きを深める、そんな風に感じるハーモニーでした。

作品の中のお2人の歌のデュエットの最初の場面では、あんまりにも感情が動きすぎて、自分がどう感じているのか認識することが追いつかなくって、涙が溢れてしまっていました。
メロディーがとか、歌詞がとか、ではなく、アップテンポの歌でも、まず1回泣いておこう、というような感じ(って変ですけれど)

デュエットダンスも好きでした。
デュエットダンスの時のお2人の間の空気感が好きでした。
真彩さんからの望海さんへの「大好き」や全幅の信頼が、いつも感じられたから。

今日の千秋楽で、真彩さん「相手役をさせていただけるのは、今日が最後ですので…」って、心を奮い立たせて、意を決して、望海さんのお顔を見て「大好きです」って言えたのを見て、おばちゃん、テレビの前で泣いちゃったよ〜
望海さんが美しすぎて、望海さんのことが大好きすぎて、お顔を見て直接「好きです」って言えない、ってずっと真彩さん、言ってたもんねー。
望海さんからも「私も大好きです」って返してもらえて、良かったねぇ〜。
おばちゃんもまたここで泣いちゃったよー。

宝塚歌劇を卒業されても、望海さんも真彩さんも、きっとミュージカル作品に出演されると思っています。
というか、日本のミュージカル界が放っておく訳がない!
望海さんは、すぐに『エリザベート・ガラコンサート』でルキーニとトート閣下もされますしねー♪
でも、お2人のデュエットが聞ける公演が、堪能できる公演が、またあるのか、いつあるのか、わからないことが寂しいなぁと思います。


思い出す作品

以下は、お2人のことを振り返って思い出す作品のこと。

望海さんの舞台を観て感じたこと「すごっ………」
圧倒されて思考停止、感じていることを言葉にできない、そんな感じでした。
『星逢一夜/La Esmeralda』でした。

晴れやかで艶やかでパワフルな歌声。
『星逢一夜』の村祭りでの歌、『La Esmeralda』では沢田研二さんの「ウィンクでさよなら」(娘役さんたちを引き連れてチャラチャラしていた姿に、ニヤニヤでした)、どちらも軽快な歌だったけれど、曲調だけでなく、望海さんの情感あふれる歌声で、フワッと気持ちが軽やかになったことを覚えています。

でも、なんと言っても、撃ち抜かれたのは『ドン・ジュアン』
望海さん演じる主役ドン・ジュアンは、幕開けすぐに登場するのに、全く喋らない・歌わない(たぶん15分間ぐらい)。
でも、表情に、動きに、踊りに、惹き付けられて、目が離せなくて、何より瞳に怒りと苛立ちと深いところに寂しさを感じて、ヒリヒリと気持ちも惹きつけられました。
上演中は、まるで劇場中がジリジリと焦がされているように感じていました。

真彩希帆さんが印象に残ったのは、映像でした。

花組時代の『Mr.Swing』リズムの場面で歌った『生命』
真彩さんと悠真倫さんの歌に合わせて、当時の花組トップスター蘭寿とむさんが踊っていた場面。たしか真彩さんは当時研2(劇団入団2年目)だったはず。
伸びやかで澄んだ歌声に聞き惚れました。

その次に真彩さんを意識したのは、1回目の組み替え後の星組での『ガイズ・アンド・ドールズ』のロケット。
センターで踊っていた真彩さんのとっても素敵な笑顔を見て、あっという間に私の気持ちも朗らかになりました。

その後の星組時代の真彩さんが出演している大劇場公演も全て観ることができて、いつも丁寧なお芝居と、1フレーズでも「うまっ!」と唸る歌とで、登場するたびに視線と耳が釘づけになっていました。

雪組への組み替え前にヒロインを演じた『燃ゆる風』は、そんな真彩さんのお芝居と歌を堪能しまくりました。
客席と舞台の距離が近いバウホールでしたから、全身で堪能した作品でした。


望海さんと真彩さんがトップ就任直前に共演した『Dramatic “S”!』、お2人が初めて組んだ場面『サプール』が好きでした。
望海さんの歌と踊りと色気、真彩さんは可愛らしいお顔立ちなのに、いろんな歌声をもっているし表情も豊かだから、大人っぽい雰囲気も自然に出ていて、次回作からこのお2人のいろいろな場面が観られるんだ、とワクワクしました。

プレお披露目『琥珀色の雨に濡れて』のお2人の並びも大好きでした。
内容は、4角関係ってどーよーっ!って思ったけれど、クロードとシャロンの切なさ、特にシャロンの方がクロードを深く愛していると感じたラストが滲みました。


やっぱりファントム。そしてブリドリ+NEXT。

でもやっぱり「だいきほ」は『ファントム』ですよね。

2人の音楽の天使が、お互いのこの作品への憧れを花組時代に知って、雪組で再び巡り合って共演を果たす。
作品のバックまでドラマチックですもんね。

望海さんの『Brilliant Dreams +NEXT』の中で、演じてみたい役を聞かれた真彩さんが、まだ下級生なのでそんなことは、と言い淀んだ時に
「そういうことは言った方がいいよ」って、真彩さんの思いを引き出した場面が大好きでした。

トップコンビになってからも、真面目すぎて遠慮する真彩さんの思いを、望海さんは同じように言葉をかけて、引き出したり、待ったりされたんだろうな、と勝手に思っていました。

一緒に走ってくれる相手役に恵まれたと望海さんが言い
どんな時も強く手を握ってくださったと真彩さんが言い
やっぱり素敵な偉大なトップコンビだったなぁと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?