旧Twitterの幾つかのレクイエム(古参兵の手記)

2009年、秋
一羽の小鳥が飛び立った
電子空間の
アーキテクチュアは
平面(すなわち、灰色)から立体図形(つまり、白色の)へと
虚空に叫ぶ声、蒼穹の空
僕はここで初めて
自由の本当の姿に出会った

★

2010、春と夏
蒼空の自由の鳥よ、
おまえは急に「イイネ！」と発声した
ふぁぼからいいね！への変換=返還奪還闘争
「いいね」の押売り専制支配の時代が始まろうとした
それはひとつの革命だった
やがて人はふぁぼと呼ばれていた時代をいともたやすく忘却した
「ワタシの、お気に入りの、ツイート……」

▲

おまえとの始まりは、
いいねがふぁぼと呼ばれていた
あの頃の苦くて甘くて気が遠くなるほど秋晴れの季節だった
おまえは優しかったのに、
わたしは、
社会の結びつきに溺れ、
それでも繋がっている。
今度はおまえまでもが消えうせるのか！

§

Twitterよ、みてくれるな
おまえはおまえ自身を否定し、
エデンの園を堕落への道程へと導いた
わたしはあまりにも孤独だよ！
Twitterよ、
なぜおまえはわたしに残酷なのだ
わたしはおまえを愛したつもりなのに、
おまえはついにマスクを被った人の許へひれ伏すのか