高橋実里

小説を書きます。 日本大学芸術学部文芸学科助手。

高橋実里

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最近の記事

論文・宮沢賢治『春と修羅』論――引力、自然体であることーー刊行100年に寄せて

おひさしぶりです。高橋実里です。 今年、宮沢賢治の『春と修羅』が刊行されて、100年になります。 これを機に、大学院を修了した際、書き上げた論文を、 公開しようと思い立ちました。 多くの方に読んでいただくため、 数回に分けて、noteの本文に掲載し、註も反映させたら分かりやすい…と いろいろ考えてはいたのですが、 文章量が多かったため、 作業にてまどり、どんどんどんどん時間が流れていくのもなんだかなぁ、ということで、 PDFデータをアップロードすることに決めました。

    • イオンの匂い

      梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』 好きな1冊です。 主人公の女の子が おばあちゃんちで暮らすとき、 1日の過ごしかたを自分で決めていた記憶があります。 この時間は勉強をして、 この時間はお手伝い、といったふうに。 外から見たら、 学校に行かないことは みんなが経験しないことだし、 充実してていいなぁ、と思うかもしれないけど、 まいちゃんは必死だったと思う。 一瞬ずつに懸命にしがみついて、 傷が癒えるのを待つのは、 途方にくれることです。 わたしが中学生だったとき、

      • 言葉はわたしの仕事

        ひと月ほどまえ、 XがまだTwitterで、 みんなのスマホの画面に幸せの青い鳥が羽を休めていた頃、 ふと思いついて、 言葉はわたしの仕事 とつぶやきました。 このフレーズの「わたし」は、 わたし自身を限定しているのではなく、 大きなうつわのようなものだと思っています。 鏡みたいに、 言葉で表現するすべてのひとの心が、映る。 この文章を読んでくださっているあなたにとっても きっと言葉は仕事だし、 これから出会うひと、 たとえば、 読み書きを習えなかったおばあちゃん、

        • 13歳のわたしを追いかけてる

          はじめまして。高橋実里です。 小説を書いています。 詩と俳句・連句でわたしのことを知ってくださっている方もいらっしゃると思います。 わたしの作品を、なんらかの形で目にしてくれた方はどれくらいいるんだろう。 ひとりでも多くのひとに、 作品を届けられたらいいな…と思って、 note をはじめてみました。 日本大学芸術学部(日芸)の文芸学科を卒業したあと、 同大学院、文芸学専攻の修士課程に進みました。 小説を書きながら、 宮沢賢治の『春と修羅』を研究し、 いまは縁あって、 文

        論文・宮沢賢治『春と修羅』論――引力、自然体であることーー刊行100年に寄せて